クリスマス!特別編 サンタクロースっているんでしょうか?
こんにちは。
フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー
シニアプロデューサー 関田有應(せきたゆうおう)です。
このコラムを始めて30回目(30ヵ月)となりました。
あっという間の30回目です。
私が、クリエイターとして40年もの歳月を過ごしてきた中で、一番大事に大切にしてきたことなど、
いろいろなエピソードを交えてお話しをさせていただきました。
今回は、季節柄、子供向けのアニメ制作においての私の考え方を少しだけお話しさせていただきます。
皆さまは、サンタクロースって本当にいると思いますか。
それともいないと思いますか。
私は、いる と言い切ります。
サンタクロースはいます。
なぜなら、目に映ることだけがすべてではないからです。
会ったことがないからいない!
ということは、会わなければいない!存在は認めないのでしょうか。
ひとは心で、ものごとを見ることができます。
考えてみてください。
嬉しい、楽しい、ワクワクするなどの感情は目には見えません。
ひとの心を覗くこともできません。
それが感情であり、想いであり、かたちにはならない目には映らないことだからです。
目で見ていることだけがすべて真実ではない。
心の目でしか見られないことがたくさんあります。
子供のころ信じていたことが大人になり、あんなの嘘だったんだ!と思う気持ちを持つひとよりも
子供のころから信じていたことが大人になって目に見えなくても、やはりそうなんだ!
そう思う気持ちを持つひとの方が、温かみを感じますし、魅力的だと思いませんか?
そのような気持ちを持ち続けているクリエイターの方々に共通するのが、
高い人間力、豊かな感覚、豊かな感性、そして包容力をお持ちであるということだと、私は感じています。
これからご紹介する書籍は、私が今から30年前に絵本書籍専門店で出会った本です。
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『サンタクロースっているんでしょうか?』
社説:ニューヨーク・サン新聞
訳:中村妙子
絵:東逸子
受賞歴:
全国学校図書館協議会・選定図書(1977)
対象年齢:小学校中学年から
ジャンル:外国の絵本
サイズ(判型):19cm×14cm
ページ数:30
発売日:1977年12月
定価:本体価格 800円+税
※偕成社HPより転用・許諾済み
この絵本は、今から124年前に、「8才の女の子が、ニューヨークの新聞社に、『サンタクロースっているんでしょうか?』という質問をし、それを新聞の「社説」で取り上げた内容を本にして出版された絵本です。
日本では偕成社が1977年12月に初版発刊されています。
偕成社はほかにも、「はらぺこあおむし」「ノンタン」「いないないばあ」「守り人シリーズ」など多くの良質な絵本などの児童図書を出版している出版社です。
私がこの絵本と出会ったのは、本格的に就学・未就学向けのテレビ番組やアニメ番組の制作を行う時期と重なりました。
地上波52話のテレビシリーズ構成を行う時に、必ず季節の行事を取り入れるようにしています。
12月は無論、クリスマスのお話です。
今回ご紹介させていただいた偕成社『サンタクロースっているんでしょうか?』は、私の考え方と、同じ方向性であることが書かれている絵本です。(今でも私の愛読書の1冊です)
私の息子と娘がまだ小さいころ、サンタクロースさんが寒い中、プレゼントを届けに来てくれるからと言って
★サンタクロースさんには
・ミルク
・クッキー
・お礼のお手紙
★トナカイさんには
・ニンジン(短冊に切った食べやすい大きさ)
を毎年用意していました。
それとサンタクロースさんはいつくるのか不思議ではありませんか。
その疑問を解消してくれる期間限定サイトがあります。
アメリカ軍の公式サンタクロース追跡サイトNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)です。
毎年12月24日~25日の間だけサンタクロースが全世界の今、どこにいるのかを追跡しながら教えてくれるサイトです。
毎年、日本(東京)につくのは23時前後です。
子供たちは、起きている!頑張る!というのですが、さすがに眠くて仕方がない。
なので「パパが起きてまっていて、サンタクロースさんが来たらすぐに起こすから」と約束をして、子供たちはベッドに入ります。
いよいよ23時!です。
大きな居間の窓を開けて!
「サンタクロースさん来たよー」と、トナカイの鈴と同じ音の鈴を鳴らしながら、子供たちを起こします。
子供たちが起きてきた時には、、、!
ミルクも、クッキーも、ニンジンもお手紙もすべてなくなっており、180cmのクリスマスツリーの足元にイルミネーションが光る、大きな素敵なプレゼントが届いてありました。
私は、「サンタクロースさんは、子供たちが用意したミルクと、クッキーを食べ、トナカイさんもニンジンを食べて一休みして、また世界中の子供や大人にプレゼントを渡しに出発したんだね」と話しました。
子供たちは。今年も会えなかった!なんでもっと早く起こしてくれなかったの!
寝ぼけまなこで言われました。
「だって世界中にプレゼントを渡しに行くんだから。あまりゆっくりはしてられないんだよ。実はパパも会うことはできなかったんだよ」
子供たちは残念がりながらも、プレゼントを受けとって大喜びです!
これが毎年の我が家のクリスマスイブです。
子供たちの成長と共にイブにサンタクロースを迎えることもなくなりましたが、成人した子供たちに今聞いても、「サンタクロースはいる」と答えます。
毎年、12月になると『サンタクロースっているんでしょうか?』を読み返します。
「この世の中に、愛や、人へのおもいやりや、まごころがあるのとおなじように、サンタクロースもたしかにいるのです」
「―世界にみちあふれている愛やまごころこそ、あなたのまいにちの生活を、うつくしく、たのしくしているものなのだということを。」
「ただ、信頼と創造力と詩と愛とロマンスだけが、そのカーテンをいっときひきのけて、
まくのむこうのたとえようもなくうつくしく、かがやかしいものを、みせてくれるのです」
※偕成社『サンタクロースっているんでしょうか?』本文より転用
私がプロデューサーをさせていただいていたアニメ番組は未就学・就学児童を対象にしていました。
ですので毎年、12月放送分にはクリスマスのお話を放送させていただきました。
「サンタクロースはいます」という構成でのアニメ番組です。
アニメ番組制作スタッフといろいろと話をさせていただきましたが、誰一人その思いに反対意見はありませんでした。
視聴者の方から反対のご意見を頂戴したことはございましたが。
「サンタクロースはいる」
このコンセプトで毎年アニメ番組を制作してきましたが、今でも私は、これで良いと自信をもってお答えできます。
もしご興味があれば、偕成社『サンタクロースっているんでしょうか?』をご一読ください。
私のモノ作りの原点を少しだけお伝えできるかも知れません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今回、30回目のコラムを節目として、少しの間、コラム連載を休みさせていただきます。
次回更新に向けて、いま編集部と共にいろいろな構想を練り込んでいます。
しばらくお休みさせていただきますが、復活後の、
『映像業界40年 おやじプロデューサーのひとり言』にご期待ください。
*しかし、トナカイさん用の生ニンジン!
お腹がすいているからと娘が毎年量を増やすので秒殺で食べなくては(放り込む)ならず!本当にキツカッタ!!!
『映像業界40年 おやじプロデューサーのひとり言』を読んでくださっている読者の皆様。
素敵に輝く良い年をお迎えください。
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アシスタントプロデューサーを経て、プロデューサーに昇格。企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、その後大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作会社の設立を機に転職。
設立メンバーとして映像制作・音楽制作を中心に、子供向け作品、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品。
その後、株式会社フェローズにてアニメセクションの立ち上げをお任せいただき、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師を始め、人材育成、映像業界へのご就業を希望される未来のクリエイターの皆さまに向けたキャリアアドバイザーを行っている。
息子も大手広告代理店直系の制作プロダククションのPM「親子鷹」である。
無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンド復活!活動中!