Ustreamでつながる、つながる
- Dig It! NYC Vol.31
- Dig It! NYC 藤井さゆり
前回のコラムで、NYでも被災地支援のためのチャリティイベントが数多く開催されていることを書きましたが、4月9日(土)には、坂本龍一さん他スペシャルゲストが出演する「Concert for Japan」がNYにて行われました。このコンサートは午前11時から午後11時までの12時間ライブ(坂本さんの出演は一部の時間)で、すべての収益金は主催であるNYの非営利団体、ジャパンソサエティを通して被災地支援に当てられます。
当日、私は会場に足を運ぶことができなかったのですが、このコンサートがUstreamでライブ中継することを知り、昼間に中継されていた一部を自宅のパソコンから見ることができました(坂本さん部分は夜でしたので残念ながら見ることができませんでした)。
私が視聴した昼のライブでも、出演者はサックスプレイヤーのジョン・ゾーン、元ベルベット・アンダーグラウンドのルー・リード、作曲家のフィリップ・グラスなどそうそうたるメンツ。もともとこの「Concert for Japan」は、ジョン・ゾーンの呼びかけによるものだそう。
ジョン・ゾーン、ルー・リード、ルー・リードの奥さんであるバイオリニストのローリー・アンダーソンによるライブを見ましたが、本当にカッコいいライブでした。Ustreamでの視聴は最初音が小さかったのが気になりましたが、会場に行かなくても十分楽しめましたし、何よりUstreamはツイッターと連動しているので、リアルタイムで観客の反応が見られるのがスゴ~ク面白かったです。
ライブの後半では、突然、和太鼓が登場!サックス、ギター、バイオリン、そして和太鼓の競演となりました。私は瞬時に「この和洋コラボめちゃくちゃカッコイイ!!!!」と思ったのですが、速攻「和太鼓ぉ?!」「和太鼓キター!」「和太鼓…ぎりぎりでダサい」という猛ツイートが…!世間との感覚のギャップにとまどった瞬間でした。
また、ライブ中「この人だれ?」とツイートがくれば、誰かがツイッターでレスしてあげたり、観客のほとんどは日本で視聴している日本人のようでしたが、英語でのツイートには日本人がちゃんと英語でレスしてあげたりと、興味深い親切なやりとりも。日本ではちょうど夜中の2時すぎだったので辛い時間帯だったと思いますが、みなさん頑張って視聴されてました。
ライブ終了後もツイートは鳴り止まず、「日本は大丈夫だ!」「ありがとう!」など力強い&感動メッセージが。大勢の人と一体感を味わったような気分になりました。NYから日本への思いがちゃんと伝わったのではないかと思います。
この原稿を書いている今、Ustream日本語版を視聴中。斉藤和義さんとゲストのみなさんによるチャリティライブを見ています。驚いたのは「Concert for Japan」以上 のツイートの数と早さ!
それにしても、Ustream日本語版、結構番組充実してます、これからもちょくちょく見ちゃいそうです。
Ustreamをはじめ、ニコニコ生放送、そして最近開始したユーチューブライブなど、今後ますますインターネットでのライブ配信が盛り上がりそうですね。個人での情報発信も、国境を越えての双方向コミュニケーションも簡単にできる時代になりました。世界中のあらゆる場所、あらゆる人がこの震災のために「自分にできること」をし、インターネットを通じてその思いを伝えようとしてくれています。ますます国と国が近くなるのを日々実感している今日この頃です。
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
Foxylilly.com
facebook.com/foxylilly
instagram.com/foxylilly