職種その他2011.11.09

デザインの国ーフィンランド

ARTY FACT LONDON Vol.68
ARTY FACT LONDON コウヅマノエ

透明感のあるガラス製品が美しいイッタラ、ムーミンのカップで有名なアラビア、そして鮮やかな色使いのポップなテキスタイルでお馴染みのマリメッコなど、シンプルな中にどこかぬくもりを感じさせる北欧のデザイン。 フィンランドには世界中の人から愛されるインターナショナルブランドがたくさんあり、北欧デザインの中心都市ともいわれている首都ヘルシンンキには、デザイン・フォーラム(デザイン産業振興団体)が中心となってできたデザイン・ディストリクト ・ヘルシンキと呼ばれる家具・ファッション・アンティーク・ギャラリー・アクセサリー・雑貨・レストラン、ホテルなど200軒近いショップが軒を連ねるエリアがあります。

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これら加盟店が載ったマップは、ツーリストインフォメーションなどで無料配布され、加盟店の店舗入り口などに「デザイン・ディストリクト」のステッカーがはってあります。 どのお店も、できることなら全部持って帰りたいくらいの素敵な商品があふれんばかり。北欧デザイン好きにはたまらない場所です。

ヘルシンキのクリエイティブ・ハブとしても機能している、デザイン・ディストリクトのエリアは、北欧デザイン観光のために訪れるツーリストたちに、最も人気のある観光スポットなのだそうです。観光客の多い夏季には、デザインウォークツアーも催行されていて、フィンランドをよく知るガイドとともに回るこのツアーでは、各ショップオーナーなどの話を直接聞ける機会もあり、北欧デザインやフィンランドのデザイン産業を深く知るには、うってつけのツアーです。もちろん、デザイン・ディストリクトのマップを片手に、個人でのんびり散策するのもよし。日本ではまだ知られていないショップもあるので、お気に入りのブランドを歩きながら発掘するのも楽しいです。

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また、ヘルシンキの中心地から地元の人たちに交じりながらトラムでに乗ること30分。街のちょっと外れにある北欧最大級の陶磁器メーカー、アラビアの工場も北欧デザイン好きなら一度は訪れておきたいところ。

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現在は、イッタラグループの傘下にあるアラビアですが、イッタラのオフィスも入っているARABIAと書かれたビルの隣には、鉄筋ガラス張りのモダンな建物があります。この建物は、アラビアミュージアムとギャラリー、ヘルシンキ芸術デザイン大学の校舎としても一部使用されており、昼食時ともなると建物の中にあるカフェには、学生や社員が入り交じって大混雑で長蛇の列。もちろん、ここを訪れた一般の人も、皆に混じって手頃な値段でランチができます。

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ちなみに、建物内には図書館が併設されているのですが、ここには、フィンランドのデザイナー、エーロ・アールニオによる60年代の傑作、「ボールチェア」が置かれています。この椅子の座り心地を試しながら、読書することができます。

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そして、ここに来る多くの人の第一目的、おそらくヘルシンキに来た日本人は必ず訪れる、イッタラ直営のアウトレットショップ。ここには、2級品などのお手頃価格の商品が山ほどあります。お店に足を踏み入れたとたん、そこはムーミンワールド。ムーミン・シリーズが山のようにあって、物価の高いフィンランドにいながらも、買い物熱が一気にヒートアップ。 色んなものがあって目移りするなか、私も、厳選に厳選を重ねて選んだムーミン・マグカップを3つお買い上げ。帰りの荷物のことがなければ、もっとたくさん買いたかった…。 6

ヘルシンキは、他のヨーロッパの大都市に較べると華やかさに欠ける北欧の小都市ですが、北欧デザイン好きには何日あっても時間が足りなくなる、色んな魅力が満載の街です。

Profile of コウヅマ ノエ

コウヅマノエ

女子美術短期大学卒業後、デザイン事務所勤務。その後、雑誌『エルジャポン』のデザイナーを経て、フリーのグラフィックデザイナーとして様々な雑誌のデザインを手掛ける。2003年に渡英し、ロンドンにあるRavensbourne CollegeでInteractive digital Media の修士号を取得。現在は南ロンドンで様々なプロジェクトに参加しつつ、ロンドン生活を満喫中

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