暗号資産、メタバース、NFT…今年のスーパーボウルCM特集。広告料は過去最高額!
先日、アメフトのプロリーグNFLの優勝決定戦「スーパーボウル」が行われました。「スーパーボウル」と言えば、以前のコラムでも毎年特集していたCM。今回は、久しぶりにスーパーボウルのCMについて書こうと思います。
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スーパーボウルは、毎年、2月の上旬もしくは中旬の日曜日に行われるため「スーパーボウルサンデー」と呼ばれ、アメリカ全土でライブ中継されるアメリカ最大のスポーツイベント。そのスーパーボウル中継時に放映されるテレビCMもその時の世相を表したものも多く、かなり話題になります。
そして驚くのはその広告料。2020年は30秒で560万USドル、2021年は30秒で550万USドルと少し減少しましたが、今年は、なんと30秒で650万USドル(約7億4600万円)と100万ドルも跳ね上がり、過去最高額を記録しています。
そんな莫大な広告料を支払えるスポンサーには、どんな企業が名を連ねているのか気になりますよね?今年は昨年と毛色が違う企業がスポンサーデビューしています。
その例年にない今年の傾向として見られたのが、暗号資産に関連する企業が目立ったこと。暗号資産を扱う企業合計4社が広告枠を買っており、暗号資産が主流となっている様子が伺えます。
Ad Meter 2022: Coinbase USA TODAY Sports – YouTube
Coinbaseは、サンフランシスコに本社を置く、ビットコイン、イーサリアムなどを扱った暗号資産取引サービスを提供する企業。「QRコードが画面を跳ね回る」という斬新なCMなのですが、そのQRコードにアクセスすると、Coinbaseのウェブサイトに誘導されるという仕組みになっています。
Don’t Miss Out on Crypto: Larry David FTX Commercial FTX Official – YouTube
FTXもCoinbase同様、暗号資産取引サービスを提供する企業。俳優のラリー・デヴィッドがさまざまな歴史のシーンで「新しいものをばかにし、今使っているものが最高であると信じ、使い続ける愚か者」を演じており「(暗号通貨をばかにする)ラリー・キングのようにならないで!」と警告をするというショートコメディになっています。
eToro’s Big Game Ad: Flying Your Way eToro – YouTube
イスラエルのテルアビブに本社を置く、オンラインソーシャルトレーディングeToro(イートロ)は、「何百万人もの人々がアイデア、株取引、暗号資産貨などを共有しているコミュニティを想像してみてください、それがeToroです」というコピーをそのまま表現したCMとなっています。
The Moment of Truth | Crypto.com CryptoCom – YouTube
シンガポールを拠点とする暗号資産交換アプリCrypto.Com(クリプトドットコム)のCMには、NBAのロサンゼルス・レイカーズに所属するプロバスケットボール選手、レブロン・ジェームズが登場。現在のレブロン・ジェームズが、2003年の若い時の自分にキャリアと人生を変える決定を下すというストーリーが描かれています。
その他にメタバースやNFTを扱ったCMも出てきています。
Old Friends. New Fun (Full Length) | Official Big Game Ad Meta Quest – YouTube
Facebookから社名変更をしたMetaが手掛けるVRヘッドセット、クエスト2のCM。Questy’sと呼ばれる場所で、かつて一緒にバンドを演奏していた犬、ピンクの宇宙人、2羽のペンギンといったキャラクターたちが用無しになって離れ離れになるが、ひょんなことから彼らがクエスト2を装着して再びメタバース空間で出会うというストーリー仕立てのCM。
Bud Light NEXT | Zero In The Way Of Possibility (:60) Bud Light – YouTube
炭水化物ゼロのBud Light NEXTのCM。CMにはNFTとメタバースが組み込まれています。美術館で男性が見ているアートには、The Nouns FoundationのNFTであるピクセル化されたメガネや、先日発表されたBud Light NEXTの新しいNFTシリーズ「Bud Light N3XT Collection」が浮かび上がるのが見えます。最後のシーンはメタバースで行われる音楽ライブを表しています。
暗号資産、メタバースに言及しながらこんなCMも…
Stuff | Made to Travel | 30 | Expedia Expedia – YouTube
オンライン旅行代理店ExpediaのCM。俳優のユアン・マクレガーが「ますます薄くなる液晶テレビ、軽くなるビール、賢くなるスマホ…振り返ってみて我々が後悔するのは、これらを買えなかったことだろうか?もしくは行けなかった場所だろうか?」と問います。最後に扉を開けてビーチに行くユアン・マクレガーの後ろにちらっと映るのは「ビットコイン」。「(ビットコインなど)物を買うのではなく、もっと重要なことに価値を見出そう」と語りかけています。
“The New Frontier” Salesforce Super Bowl Ad | Join #TeamEarth w/ Matthew McConaughey & Salesforce Salesforce – YouTube
カリフォルニアに本社を置くSalesforce(セールスフォース)は、ビジネスアプリケーションおよびクラウドプラットフォームを提供する会社。俳優のマシュー・マコノヒーが気球に乗って宇宙空間にいますが、地球に戻って来ます。そして、「今することは(宇宙へ)エスケープすることではなく、エンゲージ(従事)すること、信頼を築くこと、私たちの場所を作ることだ。他の人々がメタバースのバーチャル火星に目を向けている間、宇宙に行くよりここにとどまって私たちのメタバースを復元しよう」と呼びかけています。
いかがでしたでしょうか。この他にも、スーパーボウルのスポンサーとしてすでにレギュラー感もあるRakutenや、スカーレット・ヨハンソンが夫婦で出演しているAmazonアレクサ、ボストンのビール会社Samuel Adamsによるロボット研究開発を手掛けるBoston DynamicsとのCM、コロナウイルステストのスマートデバイスCUEなど、この他にもたくさん紹介したいものがありましたが、長くなりますのでこの辺で。
他のCMはこちらでチェックしてみてください。
(参考)
Watch all the commercials from the 2022 Super Bowl – cnbc.com
How crypto brands failed to hijack the Super Bowl – fastcompany.com
Bud Light Next explores the metaverse in debut Super Bowl campaign – campaignlive.com