映像クリエイター必見!Vimeo
- Dig It! NYC Vol.28
- Dig It! NYC 藤井さゆり
動画コミュニティサイトVimeo.com(ビメオ)でNYCの美しい映像作品を見つけましたので、シェアさせて頂きます。
NYC - Mindrelic Timelapse from Mindrelic on Vimeo.
Timelapseは「微速度(コマ撮り)撮影」という意味で、よく植物の発芽の様子を記録するために使われるなど、被写体の動きを実際よりも速く見せる撮影方法です。
マンハッタンの夜景、ブルックリンブリッジ、イエローキャブからの眺めなどのNYCのヒトコマが微速度撮影によってユニークに表現され、独特の世界観が出来上がっています。心せつなくさせる音楽もナイス!
カメラのクオリティや撮影者の腕がいいのはもちろんのことですが、このビメオのHD画質クオリティがすばらしい!
Vimeoは、Videoのdeをme(私)にして、ユーザー自身が作ったビデオ専用のサイトということを表しています。従って、ユーザー自身が作ったビデオしか掲載は認められません。また、商業用もだめです。
ビメオはInterActiveCorpというグローバルなインターネット会社をオーナーにして2004年11月にスタート。その後2007年10月にいち早くHDに対応したことから、アーティストや映像作家に人気に。第22回で紹介したNYのストリートパフォーマンス集団「Improv Everywhere」も元々はビメオ出身。
2010年3月現在では1日平均約16,000本の新しいビデオ作品がアップされ、そのうちの10%のビデオがHDだそうです。アップされるビデオについては規制がきちんとされており、メンバーもコミュニティのルールを理解しているとあって、YouTubeのように、ワケのわからないビデオやコメントが乱立されるということはそれほど見かけません。クリエイター同士リスペクトをしているのか、ポジティブなコメントをよく見かけます。
ですが、面白い話が以前あって、共和党の副大統領候補であったサラ・ペイリン氏が、ビメオに自身のビデオをアップしたところ、ユーザーからブーイングがあったのだとか。ビメオを利用しているメンバーのタイプとしてオバマ寄りというかリベラル派が多そうなので、保守派のペイリン氏に嫌悪感を示すのはわかる気がします。
全米で有名になった、ノア・カリーナという写真家が6年間の自分の顔写真をつないだ“everyday”という映像作品は、当初、この作品はビメオで発表されたいたようです。このノア・カリーナのeverydayプロジェクトも面白いので、ご紹介します。
このサイトでは、ノア・カリーナの10年間の様変わりがコマ写真で見られます。コワおもしろいです。 http://www.everyday.noahkalina.com/
昨年10月には「ビメオフェスティバル」として、映像関係のワークショップや専門家による講演、映像鑑賞、投稿された優秀映像作品を決めるビメオアワードを、チェルシーのSVAシアターで開催。
ビメオアワードはユーザーによる投票と審査員により決定。審査員には、デビッド・リンチ、ローマン・コッポラ(フランシス・フォード・コッポラの息子で映画監督)らが含まれていました。最優秀賞に選ばれると、25,000ドルが手に入ります。
2010年の最優秀作品はこちら。
Last Minutes with ODEN from Eliot Rausch on Vimeo.
他の優秀作品のページはこちらから。(http://vimeo.com/awards/about)
ところで、こちらを読んでいて、ビメオに興味を持った方、映像作品をアップしてみようかなーと思った方。 Join Vimeo から、名前、email、パスワードを入力するだけでメンバーになれます。メンバーになる前に、無料コースと年59.5ドル、月9.95ドルのプラスコースを選ぶのですが、プラスコースはプロのクリエイターさんにオススメのようです。無料コースは、1週間で500MBのアプロードスペースがもらえ、1週間に1つのHD動画アップロードの権限があるようです。プラスコースでは、1週間で5GBのアップロードスペース、HD動画のアップは制限なしだそうです。詳しくはサイト(http://vimeo.com/join)をご覧ください。
個人的にVImeo.comのサイト、青をベースにしたクリーンで親しみのあるデザインも好きな感じです。グラフィックやイラストもかわいいですし、見やすいのもよいです。自分の知りたい見たいものを検索するには向いていないかもしれませんが、クリエイターのポートフォリオサイトとして適していそうです。
膨大な動画数があるYouTubeで埋もれるよりも、最初はクリエイター寄りの「ビメオ」で腕試しをしてみるのはいかがでしょうか。もしかしたら、ビメオアワードを受賞して、日本よりもアメリカで才能を発揮できる可能性もあるかもしれません。
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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