ソーシャルメディアと社会貢献
- Dig It! NYC Vol.18
- Dig It! NYC 藤井さゆり
ツイッター、やってますか?
アメリカのテレビ番組では「私たちのホームページにアクセスしてください!」よりも「Twitter us!(ツイッターからアクセスしてください!)」と言ってるのをよく聞きます。すでにtwitterが動詞になっているようで、アメリカ人同士の会話でも「Are you twittering?(ツイッターやってる?)」と言うこともあるようです。
ミクシィやツイッターで、日記もつぶやきもしていない私が比較的に利用するのがフェースブック。フェースブックは世界最大のシェアを誇るSNSですが、日本に進出していながらもまだ利用が少ないようですね。Alexaのアクセスランキングのトップサイト500では、フェースブックはグーグルの次、世界的に見て第2位にランクされていますが、日本では29位にランクされています。(※2010年4月時点)
今さらフェースブックのPRをするワケではありませんが、私にはミクシィよりもこちらのほうがメインです。ビデオ、写真の共有、アプリ、コミュニティといったミクシィとほとんど同様の機能があります。日記はないですが「今なにしてる?」欄へ書き込む一言コメント機能があります(ここに投稿したコメントはツイッターの「今なにしてる?」にそのまま自動投稿も可能。最近ミクシィにも同じ機能があるようですね)。 友人たちが最近どんなことをやったかが一覧になって見れるニュースフィードというページがあります。ここで友人がやったことへの他の人からのコメントも一覧でわかるような仕組みになっています。
フェースブックは招待制ではなく誰でも登録でき、基本、実名で登録します。この「実名を登録」というのは日本人にとっては抵抗があるかもしれません。しかしこの実名で登録することにより、本名さえ知っていれば簡単にサーチして見つけられますし、いろんな人とつながりやすいのです。また、「この人と知り合いかも?」とフェースブックが友人を紹介してくれる、少々おせっかいな機能(友人の友人といった関係で紹介してくれるもの)があります。アメリカ人によると、この機能で出てきた昔のなつかしい友人とつながった!ということがよくあるようです。
私の場合、ミクシィは自分の好きな分野のコミュニティからの情報を入手するために入った、という経緯があるのですが、同じSNSでもフェースブックのほうが現実社会での友人がそのままネット上に存在している感じなので、パーティの招待状もフェースブックから受け取ったりすることがよくあります。パーティの出欠もフェースブック上から行えるので結構便利。友人の写真やビデオにちょこっとコメントを残しやすいのもよしです。
また、アメリカでは企業・団体のウェブサイトには「フェースブックとツイッターやってます」というアイコンがあるのがよく見られます。オバマ大統領のウェブサイトではフェースブック、ツイッター、マイスペースなどたくさんのSNSのアイコンがリストされているのですが、どれを見てもほとんどリアルタイムで更新されています。ソーシャルメディアをうまく利用したことも大統領選でオバマが勝利した理由の一つだったかもしれません。
ツイッターは、無印良品がツイッター上で限定セールを告知してファンを増やした事例など、ビジネスの面でもマーケティングツールとして有効だということを多くの企業が実証していますが、フェースブックでも、ソニーやパナソニックなど多くの企業がページを持っており、消費者と企業間のダイレクトなコメントが見える掲示板など、ビジネスの面でも重要視されているようです。
そして、フェースブックにもゲームをはじめとして様々なアプリがあります。特に私が興味深いと思ったものは「facebook causes」。教育、環境問題など社会貢献を目的として活動をするさまざまなNPOが facebook causesを通して、活動の表明や寄付支援を呼びかけています。
たとえば「haiti」で検索をすると、ハイチ地震に関係するNPOが多数出てきます。facebook causesから自分の興味を持ったNPOを選んでメンバーになったり、このページから直接寄付をすることができます。実際に集められた寄付額やメンバーの規模、寄付額やメンバー数の経過がビジュアルで見えるのが興味深いです。私もfacebook causesから寄付をしてみました。
ツイッターも TwitCauseというfacebook causes同様のサービスを開始したそうですが、こういったソーシャルメディアが、社会貢献のツールとしてもっと周知されて広がっていけば、もっともっと世界がよい方向に変わるのでは、と思っています。
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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