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世界環境デーの2009年6月5日、世界88カ国で一斉“無料”公開された、環境ドキュメンタリームービー「HOME～空から見た地球～」。 日本でも劇場やWOWWOWでも公開されていたそうなので、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は最近知ってネットから見ました。

この映画、本当に映像が素晴らしいのです。全編ヘリコプター上空から撮影されたという、あらゆる自然と人の営み、地球の表情を見ることができます。たとえば、アルゼンチンとブラジルの間にある巨大なイグアズ滝の流れ、バクテリアによって、緑、黄、赤の幻想的な色合いを見せるアメリカにあるイエローストーン国立公園のグランド・プリズマティック・スプリング、世界一透明な湖であるロシアのバイカル湖の氷上で漁をする人々、など。

音楽も非常に素晴らしく、壮大な映像とともに心が引き込まれます。

この映画の監督は、ヤン・アルテリュス＝ベルトランという航空写真家。ベルトランを中心とした撮影スタッフが世界を駆け巡り、撮影日数217日、撮影フィルム488時間が費やされ制作されました。

環境問題、エコロジーという言葉が叫ばれて久しいですが、地球上の独特で様々な映像美を通して、私たちのHOMEである地球が人間の手によってバランスを崩しているよ、という現実を見せてくれます。

人間は発展するために、地球上のさまざまなものを破壊してきました。その中でも、ニューヨーク、東京をはじめとする大都市は、巨大広告のネオンサイン、ビルの乱立、自動車の渋滞など、地球に悪影響とされるエネルギーや物の大量消費が毎日行われています。映画でもニューヨークと東京渋谷駅前交差点の空撮をちらりと見ることができます。

監督であるベルトランは、この映画を無料で公開したいという強い希望があったようです。そうすると、この企画に賛同し出資してくるスポンサー、配給会社が必要となるわけですが、無料で公開するという趣旨を理解してくれるところがなかなか見つからなかったのだそう。結局、リュック・ベッソン率いるヨーロッパコープがPPR社にスポンサーになってほしいと声を掛けてくれたことによって、これが実現可能となったのだそうです。

日本語の公式サイトによると、ベルトランは、「空から見た地球は、私にとってまさに人生を一変させるような素晴らしいものでした。これまで私が世界中の空を旅して見たこと、感じたことを世界中の皆さんと共有したいと思っています。そして私たちの“HOME（地球）”について今一度考えるきっかけになることを願います」と言っています。 この映画を無料にする試み、地球への愛情、ベルトランの本気が伝わってきます。

そして、公式スポンサーであるPPR社の会長兼CEO、フランソワ＝アンリ・ピノーには、「できるだけ多くの人々にこの映画を観てもらい、地球に対する個人と社会の責任を全世界の人々に気づいてもらうことだ」という願いがあるようです。

今でもYouTubeで全編が見られるので、興味がある方はぜひ見てみてください！ http://www.youtube.com/homeproject

こういった大作が無料で見られることは、本当に素晴らしいと思います。1つ残念なのが、アラビア語やロシア語吹き替えバージョンまで無料で見られるのに、日本語吹き替えもしくは日本語字幕ないこと！（注意：DVDは出ているので、そちらは日本語で見られると思います）

最後に、「HOME」公式サイトより。考えさせられる内容でしたので、ここに記しておきます。

世界の20％の人口が地球上の80％の資源を消費している 世界は途上国を救済するよりも12倍もの費用を兵器にかけている 不衛生な水が原因で毎日5,000人が亡くなっている 10億人が飢えで苦しんでいる 50％以上の穀物が飼料かバイオ燃料のために世界で取引されている

人と地球のため、今すぐできること、真剣に考えてみようと思います。

「HOME」公式サイト（英語）http://www.home-2009.com/ 「HOME～空から見た地球～」（日本語公式サイト）http://home.asmik-ace.co.jp/