ベビー用品ブランドのD2Cスタートアップ。ミレニアル世代に刺さるデザイン!
本コラムでは、これまでにも様々なスタートアップをご紹介してきましたが、今回はベビー用品のD2C(Direct – to – Consumer:消費者直接販売)スタートアップをご紹介します。メインターゲットはアメリカでいわゆる「ミレニアルズ」(1980年〜1996年生まれ、ミレニアル世代もしくはジェネレーションYとも言われる)と呼ばれる人たちです。
ミレニアルズの特徴は、デジタルネイティブの最初の世代で、自分が共感できる情報・SNS、自分の体験や好きなものに投資するという傾向がありますが、そんなミレニアルズが好むベビーブランドのスタートアップはどんなものなのか見ていきましょう。
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Lalo@lalo – Instagram
Lalo(レイロ)はベビーチェア、幼児用テーブル・椅子のセット、ベビー用プレイジム、乳幼児食器セットなどを販売しています。ミレニアルズはシンプル・ミニマムなデザインを好む傾向がありますが、まさにLaloの製品はミレニアルズの好みに寄ったものと言えます。お皿やマグはテーブルに出しておいてもインテリアを邪魔しないカラーパレットでデザインされています。
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Lalo@lalo – Instagram
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Lalo@lalo – Instagram
Laloは、ジェーン・デインズ、マイケル・ウイダー、グレッグ・デビットソンにより2019年に設立。本社はニューヨークにあります。設立者の一人、二児の母であるジェーン・デインズが経験した「ベビー用品は選択肢が多いことに加えて、製品情報が不明確であること、店舗で製品が過密状態となっている」ことを踏まえ、Laloでは、オンラインでの直感的な顧客体験や、わかりやすい情報を提供することで親の生活を楽にしたいという使命が生まれたのだそうです。
Instagramでは、ミレニアルズに共感、興味を持ってもらえそうな家具のレイアウトやデザインが並んでおり、YouTubeではベビーチェアを始めとした製品ごとのパーツや機能を詳しく説明してくれているためわかりやすく、他社製品との比較がしやすいのも◯です。
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Nestig@nestigbaby – Instagram
NESTiG(ネスティグ)は、ベビーベッドの他、子供部屋用のフロアラグや壁紙などを販売しています。
部屋に馴染むおしゃれで落ち着いたカラートーンかつシンプルなデザインのNESTiGのベビーベッドは、子供の成長に応じて新生児用、乳児用、幼児用ベッドとサイズを変えることができ、落ち着いたデザインながらも貝殻や雲、虹など可愛らしさも兼ね備えたフロアラグは、無毒の染料と柔らかいオーガニックコットンを使用して職人によって手作りされています。
NESTiGの壁紙は、毒性のない天然繊維と合成繊維を組み合わせて作られている不織布のため通気性があり破れにくく、子供時代のさまざまな不思議にインスパイアされた楽しい手描きのデザインになっています。
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Nestig@nestigbaby – Instagram
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Nestig@nestigbaby – Instagram
NESTiGは、コロンビア大学のMBAプログラムで出会ったギリエルメ・ピッチョートとサラ・アダム・スライカによって2020年8月に設立。本社はニューヨークにあります。
興味深いのは、ネットフリックスの「Next in Fashion」や「Queer Eye」にも出演していたファッションデザイナーのタン・フランスとコラボレーションして作られたコレクション「Tan France x NESTiG」。タン・フランスは同性結婚をしており、2021年には代理母出産で男児を授かっているのですが、このコレクションも息子のために作られたものだそうです。
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Nestig@nestigbaby – Instagram
ミレニアルズにとってLGBTQの人々が結婚して子供を持つことは特別なことではなく、上の世代よりも認知されている傾向があるでしょうし、何よりこのコレクションのデザインが素晴らしいです。それをミレニアルズは好んでいるのだと思います。
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Colugo@hicolugo – Instagram
Colugo(コルゴ)はベビーカーとベビーキャリアを主に扱っていて、メディアでは眼鏡のD2CモデルであるWarby Parkerのベビーカーと取り上げられることがあります。
ウェブサイトのショップページにあるベビーカーは、フルサイズベビーカーとコンパクトサイズベビーカーのみ。お好みのカバーの色を選んでカートに追加するだけでショッピングが完了。
また、コンパクトベビーカーは7kgと軽量で、かつ驚くほどコンパクトになり、片手で2秒で折り畳むことができます。折り畳んだ後、ベビーカーは付属のバックパックに収納可能。バックパックは何時間も快適に着用でき、飛行機の頭上の荷物入れや車のトランクに収まるサイズ。
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Colugo@hicolugo – Instagram
Colugoは2017年、双子の父となったテッド・イオブストによって設立。本社はフィラデルフィアにあります。テッド・イオブストと彼の妻はベビー用品店でベビーカーを見た時の「製品は高過ぎ、機能が不足していて、カスタマーエクスペリエンスは標準以下」という経験から、自分がベビーカーを作るというアイディアに至りました。また、顧客から学ぶ方法としてD2Cモデルを使用し、その発見をフルサイズのベビーカーなどの将来の製品の開発に統合することが重要であると感じたのだそうです。
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Colugo@hicolugo – Instagram
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いかがでしたでしょうか。
私が乳幼児の子育てをしていた頃の7、8年前のベビー用品と比べて、デザインや機能が進化している印象を受けました。昨今のD2Cは、SNSやチャットを通して、商品やサービスについて顧客側からメーカー側へ直接問い合わせすることができますし、メーカー側は顧客から直接学べ、それを自社のために活かすことができる、というウィンウィンなビジネスモデルだと思います。
(参考)
Fast Company – Meet the high-design startups taking on the $30 billion baby furniture industry
Crunchbase news – Exclusive: Nestig Cuddles Up With $1.3M Seed For Nursery Brand
Forbes – The Best Nursery Rugs To Cozy Up Those Rooms And Suit Every Style
Forbes – Meet Colugo: A Direct-To-Consumer Baby Gear Brand Taking On Big Box Retail
https://lnk.bio/foxylilly
Instagram: @foxylilly