ソニー、マイクロソフトなどのクリエイティブな企業CM
- Dig It! NYC Vol.65
- Dig It! NYC 藤井さゆり
先日、毎年恒例、アメリカ最大のスポーツイベントであるNFL優勝決定戦、スーパーボールが行われ、テレビ中継されました。この日、アメリカの全国民と言っていいほど、多くの人々はスーパーボールに熱狂します。また、このスーパーボール中継、多くの人々が見ていることもあり、実際のゲームだけではなく、中継の合間に放映されるCMについても大変注目が集まるのです。なんとスーパーボールCMの広告料は、30秒スポットだけでも、およそ4百万ドル(日本円で約4億円)!そのハンパない広告料の高さにより、有名企業が多く名を連ねますが、それだけにCMのクオリティの高さにも目を見張るものがあります。スーパーボールのCMはアメリカ最大のCMの祭典でもあるのです。 そこで今回は、スーパーボール中継で放映されたCMも含めて、アメリカ(海外)で放映されたクリエイティブなCMをご紹介したいと思います。
Sony
※こちらの動画は公開が終了しています。 http://www.youtube.com/watch?v=xyokM38u0U0
ソニーの企業CM。「アーティストとエンジニアが一緒に何かを作れば、素晴らしいものが生み出される」という、ソニーのルーツが表現されている秀逸な1本。改めて、ソニーという企業、そして、ソニーのエンジニアたちが成し遂げて来た偉業に気付かされます。アメリカ国内では、これまた多くの人たちが見ているゴールデングローブ、グラミー賞の放映中に流れたCMということで、大変話題になり、これまでのソニーのCMの中で一番いい、というコメントも多々見られます。
P&G
※こちらの動画は公開が終了しています。 http://www.youtube.com/watch?v=57e4t-fhXDs
2014年ソチオリンピック中に流れたP&Gの企業CM。お母さんをメインターゲットにし、自社製品とうまく絡めつつ、アスリートの成長の影にはいつも母がいた、的なドラマチックな仕上がり。子供がだんだんと成長を遂げる数々のシーンをつなげた編集も素晴らしく、特にお子さんのいる方は涙腺がゆるむCMでしょう。「泣ける」というコメント多々。日本でも羽生選手、高橋選手を起用して「お母さん」というテーマでCMが放映されていたようですが、クリエイティブさで言うと、断然こちらのバージョンに軍配が上がります。
Microsoft
http://www.youtube.com/watch?v=qaOvHKG0Tio
スーパーボール中継用に作られたマイクロソフトのCM。Empowering(人に力を与えること)というテーマで、マイクロソフトのテクノロジーによって力を与えられ、不可能を可能にした人々にスポットを当てています。6つのストーリーの断片を1本のCMにして編集して見せているのですが、それぞれのストーリーの本編がウェブサイトにて見られます。ドキュメンタリーフィルム的な仕上がりとなっており、感動を誘います。
Chrysler
http://www.youtube.com/watch?v=KlSn8Isv-3M
こちらもスーパーボール中継用に作られた、アメリカの自動車会社、クライスラーの企業CM。映像、ストーリー、メッセージ性の強さなど、CMのクオリティとしても高いのはもちろん、過去にクリント・イーストウッドや、エミネムを起用していることもあって毎年注目を集めています。今年起用されたのはボブ・ディラン。毎回スーパーボール用のクライスラーのCMは、全面的に「アメリカ」を打ち出しているものとなっているのですが、長年フォークロックの重鎮として活躍し、アメリカを代表するアーティストである彼の起用は、なかなかよかったと思います。
Louis Vuitton
http://www.youtube.com/watch?v=GpTwgRk2aUU
最後はルイ・ヴィトンの企業CM。イタリアのベニスを舞台にして作られていて、映像が大変美しいです。仮面舞踏会のシーンがあるのですが、映画のワンシーンのようで一瞬見入ってしまうほど。そして何よりこのCMの目玉は70歳に近いデビット・ボウイが出演しているところでしょう。この世界観に見事にはまっています。このCM、女性ラッパーM.I.A.のBorn FreeやBad Girls、Jay Z & Kanye WestのNo church in the wildなどのミュージックビデオを監督したRomain Gavrasというギリシャ出身の映像作家が手がけています。
いかがでしたか?CMは限られた短い時間の中で表現し、人にアピールしないといけないわけですから、それに関わる様々な人たちの苦労、そしてクリエイティビティが集結されて作られているんですよね。素晴らしいCMを見ると大変刺激を受けますし、制作しているクリエイターさんにはかなりリスペクトです。そして、自分が気に入ったCMがネットで好きなときに見られる時代に生まれてきてよかったなーと実感しています。
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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