WEB・モバイル2014.04.02

スティーブ・ジョブズよりすごい人?!イーロン・マスク

Dig It! NYC Vol.66
Dig It! NYC 藤井さゆり

3月21日付のウォールストリートジャーナルによれば、Facebookの創始者のマーク・ザッカーバーグ、俳優のアシュトン・カッチャー、起業家のイーロン・マスクが、人口知能開発を行っている企業へ4000万ドル投資するんだそうです。何でもその企業は「ヒトのように考えるコンピューターの開発」を目指しているとか。

Elon Musk

Elon Musk

さて、この投資に参加したイーロン・マスク。日本での知名度はそんなに高くはないかもしれませんが、スティーブ・ジョブズよりすごい?!とも言われている人物。経歴を簡単に説明すると、PayPalの前身を作り、電気自動車メーカーのTesla Motors、ロケットと宇宙船の開発・打ち上げを行うSpaceX、太陽光発電会社SolarCityを立ち上げており、Forbesによれば86億ドルという資産を保有(http://www.forbes.com/profile/elon-musk/)、2013年のFortuneビジネスパーソンオブザイヤーでナンバー1 (http://money.cnn.com/gallery/leadership/2013/11/21/business-person-year.fortune/)にも選ばれています。南アフリカ出身(現在はアメリカ市民権を所持)で、なんとまだ42歳という若さ。

Tesla Motorsは、スタイリッシュな電気自動車を開発生産しており、トヨタ自動車とは電気自動車を共同開発するため、資本・業務提携しています。カリフォルニア州に本社があり、東京都の青山に直営店があります。現時点で販売されている車体価格が800万円以上~ですから、今のところ一般庶民向けの物ではないのですが、車のデザインがカッコイイ!です。ぜひウェブサイト(http://www.teslamotors.com/jp/)でチェックしてみてください。

そして、宇宙事業を行っているSpaceX。民間企業では世界初、宇宙船を打ち上げ、地球に帰還させることに成功。なんと宇宙船の開発の一部をNASAとも契約しています。

SolarCityはソーラーパネルのリースを主な事業としているようですが、太陽光発電は再生可能エネルギーとしてとても注目されている分野。

2013年はTesla Motors、SolarCityの株価上昇、SpaceXの成功など、彼にとって最も飛躍した年であり、以降さらに注目度が上がったようです。

この経歴だけでもすごい人物ということがわかります。・・・ですが、自動車、宇宙、太陽光発電、と、全く毛色の違う事業を手がけていることと、そのスケールの大きさに、すごいを超え、疑問が涌きます。彼の意図は何なのか?頭の中はどうなっているのか?!

その疑問の答えが、TEDでのインタビューにありました。自動車、宇宙、太陽光発電、彼の中でこの3つには共通点があったのです。このインタビュー、クリエイターさんにはとても刺激になると思うので、ぜひ見てみてください。サイト上でSubtitlesの日本語字幕を選ぶか、ページ上で日本語の翻訳文を見ることができます。

※以下太字部分は日本語訳からの引用。 世界の未来、人類の将来を考えたときに、持続可能な輸送手段と持続可能なエネルギー生成が必要になるという思いから、電気自動車を作り、太陽光発電の会社を立ち上げる、という流れだったようですね。太陽光発電に関しては、20年後には他の電力源よりも主力になると信じています。これは大変興味深いですし、個人的にもそうなることを期待しています。

また、宇宙事業であるSpaceX。これは先の事業とかけ離れているように思われますが、現在は全て使い捨てで打ち上げに莫大なコストがかかるロケットを「再利用可能にする」という点で共通項があります。インタビュー中で、ロケットが着陸地に戻ってきた実験映像にもあった通り、すでに再利用に関しては大きな前進があったとのこと。そしてなんと、人類が火星に行くことを本気で考えているようです。この点、人類の将来という面でも共通項があります。

インタビュアーが最後に「なぜあなたはこんなことができるのか?」と質問したところ、イーロンには明確な答えがなかったようなので、インタビュアーが仮説を立てています。その仮説とはデザイン、テクノロジー、ビジネスをひとまとめにして、わずかな人にしか出来ないような仕方で総合することができる。そしてここが肝心なんですが、そのまとめ上げたものにすごく自信を持っていて、とんでもなく大きなリスクも負うことができるからと。とても納得。

イーロンのようにデザインやテクノロジーの知識、そしてたぐいまれなビジネスセンスがなければ、ここまでのスケールの事業を行うことは難しいでしょう。まさにやっていることが宇宙規模!彼が今後どんなことをやってくれるのか、非常に楽しみです。そして、人類が火星に行く日、太陽光発電が主力になる日は、そう遠くはないように思います。

ちなみにイーロンは、自身の慈善団体であるマスク財団を通じ、津波・震災被害を受けた福島県の相馬市へ、太陽光発電プロジェクトの資金として25万ドルを寄付しています。

■イーロン・マスク(英語) http://elonmusk.com ■SpaceX(英語) http://www.spacex.com ■テスラモーターズ http://www.teslamotors.com/jp/ ■SolarCity(英語)http://www.solarcity.com

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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