日本人の平均年齢と人口と未来

番長プロデューサーの世直しコラムVol.88
番長プロデューサーの世直しコラム 櫻木光

なにかのデータを見てびっくりしたんですが 2014年の今の時点で、日本人の平均年齢は約45歳だそうです。 なんの比較対象も無く、その話をみて、えー!と思いました。 すげえ年寄りな国なんだなあ。と。 俺の年は平均じゃん。そんなに年食ってないんだ俺。とは思いませんでした。

調べてみると、現時点で、世界各国の平均年齢は、ざっくり言うと アメリカ37歳 イギリス40歳 ロシア 38歳 中 国 36歳 ブラジル30歳 インド 26歳 という感じみたいです。 ※ http://esa.un.org/unpd/wpp/Excel-Data/population.htm

日本の平均年齢は世界第一位、ほぼ同率で、ドイツ、イタリアと続くそうです。 一番若いのはニジェール共和国で15歳。どんだけ若いんじゃい。まあ、あんまり長生きはしてないんでしょうけど。

日本人は、古来から求められていた「不老長寿」の長寿だけ手に入れる事に成功して困っているんでしょう。

日本の戦後の平均年令は27歳だったそうです。 オイルショックの時は31歳。 45歳の今、大きな国難を乗り越えられるか。そういう問題もおきてきます。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズの運営するホームページ 2030年の「働く」を考える『国内人口推移が、2030年の「働く」にどのような影響を及ぼすか』という、おもしろい記事がありました。 (以下、イタリック文字部分は抜粋)

人口学では、65歳以上の高齢者率が人口全体の7%を超えると「高齢化社会」、14%超を「高齢社会」と呼ぶが、日本が高齢化社会になったのは1970年、高齢社会を迎えたのは1994年だ。たった24年しかかかっていない。 平均年齢なんか、実はそんなに急速に変わったりしないんだろうから、ちょっと異常なスピードで日本は年を取っている事になりますね。

ドイツは40年、イギリスは46年、アメリカは72年、フランスは126年かかっている。韓国(18年)や中国(25年)は日本より速いかあるいは同程度だが、どちらも2010年の時点では14%を超えておらず、問題は表面化していない。先進国のほとんどは高齢者が増える傾向にあるが、その先頭を突き進んでいるのが日本なのである。 というわけで、日本は急速に老人化している社会ですね。

僕が田舎から東京に出てきた時はバブルの真っ最中で、人がいっぱいいて、しかもギラギラしてて、夜中の渋谷の交差点なんか平日でも佐賀のお祭りの日みたいでした。 今はそうでもないですね。乗れないタクシーもないし。 当時はもっと若い人がいっぱい居た様な気がしていましたが、気のせいではなかったようです。1990年の日本人の平均年齢は37歳だったそうですから。

ついでに言うと、日本の人口もこれからは減少していき、2040年過ぎには、人口は1億人を切り、その後、急速に減少に向かい、2090年には、現在の人口の半分くらいの6,100万人強まで、半減すると予測されているそうです。

そんな事実の中、もう一回経済発展をさせようと言っている人はアホにみえますね。この事実はもうずいぶん前から解っていたんだから。でも、そんな先の事は、どうせ死んでるんだろうから関係ないけれど、あと、20~30年先の事までくらいは今考えておかなきゃいけないんでしょう。

なにがどうなって行くのか、学者さんたちの予想みたいな本を読んでいるとどれにも書いてある事がある。 「量的な拡大の技術は行き詰まり、質的充実の技術が進展していくだろう」 「価値観は多様化してまとまりのない社会になるだろう」 「そして日本の未来は確実に暗い」 などなど。。。 具体的にはなんなんだよ、具体的に言えよ。と思う。 そういう事の想像がいまいちつかない人間の集まりが日本らしくもありますが。現状の分析しかできない学者なんてそんなもんでしょう。もう、漠然とした事を偉そうに書いたり言ったりするのはやめようぜ、ご老人。と思うのです。

で、考えました。

自分が老人になったときに一番欲しいもの。 それは「ロボット」です。パーソナルモビリティ、介護・福祉ロボット、産業用ロボット、防災ロボット、そういう物が少しずつ開発されてきているようですが、まさにそれ。

腰が痛くなったり、膝が痛くなったときに歩行を補助してくれるような下半身用のウエアラブルロボット。重たい物を平気で運べる様な上半身に着るロボット。年を取ったらまずこれが欲しいかもしれません。

アメリカではこの分野がずいぶん発達していて、Amazonの配達もこれでやる的なデモンストレーションをされている無人の飛行機「ドローン」なんかも、とっても魅力的ですね。軍事的な使い方ばかり取りざたされていますが、偵察ばっかりしてないでもっと平和的な利用法がいっぱいあるかなあと。 http://youtu.be/98BIu9dpwHU

今の農業は、フルオートメーション化し始めているという事実も驚くべき物があります。ビニルハウスのような建物がガラスでできていて、ガラスハウス。その中は衛生管理を厳しくしてある。ベルトコンベアの上に鉢植えが並んでいて、土ではなく、なんかのフィルムに養分と水分が満たされている。虫一匹いない工場の中なのでで普通に無農薬。気温や採光ですらコンピューター管理されていて、同じ大きさのトマトが確実にできる様な農業。それをほんの数人で運営して莫大な利益を上げたりしているそうです。

そういうのを見て行くと、老人になった僕たちが、ロボットの力を借りて、フルオートメーションの農業をやる。できたトマトやレタスを無人機で消費者に運ばせる。みたいな事が、案外現実的なのかもしれないなあ。と思ったりします。

そういう技術に関しては、日本は一歩リードしている分野ではあるらしいので、はやく物にして外国に売りまくるというのも一つの手だと思われます。リニアモーターカー売るより手っ取り早いんじゃないでしょうか。

少子高齢化。人が少なくなり老人化する社会。日本人の平均年齢と自分の実年齢が同じだった事にショックをうけて、真面目に考えてしまいました。数十年後に国境なんてものがあるかどうかすらわかりませんが、日本の未来は暗いと断言するより、他に考える事があるだろう。と思うのです。ドラえもんのように。

Profile of 櫻木光 (CMプロデューサー)

プロデューサーと言ってもいろんなタイプがいると思いますが、矢面に立つのは当たり前と仕事をしていたら、ついたあだ名が「番長」でした。


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