独特のフレーバー、低カロリー、インスタ映えデザインで、Z世代から注目を集める炭酸飲料ブランド
夏の暑い日と言えば、炭酸飲料で喉を潤したくなりますよね。
アメリカで炭酸飲料と言うとコーラやスプライトなどが代表的ですが、今、Z世代やその次世代のアルファ世代から注目を集める、新しい炭酸飲料ブランドがたくさん出てきています。
その中でもカラフルで、インスタ映えしそうな缶のデザインがひときわ目を引く、炭酸飲料ブランドがUnited Sodas of America。
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United Sodas of Americaの炭酸飲料には、チェリーポップ、ストロベリーバジル、エクストラピーチ、オレンジネクタリン、ヤングマンゴー、レモンバーベナ、ペアーエルダーフラワー、ジンジャリーエール、サワーブルーベリー、トーストココナッツ、ホワイトグレープ、ブラックベリージャムと12種類のユニークなフレーバーがあり、それぞれのフレーバーによって缶の色が違います。すべて30〜35カロリー、オーガニック甘味料を使用し、人工香料は不使用、カフェインフリーです。
フレーバーは自然の果物や野菜が原材料で、果物の果汁や野菜の糖分が除去され、フレーバーのみが抽出されています。United Sodas of Americaでは、複数のフレーバーを混ぜ合わせてオリジナルのフレーバーを作り出しています。
飲料の色付けについても、人工着色料は使用されておらず、果物や野菜などのすべて自然のものから付けられています。
ちなみに、United Sodas of America一缶は355mlなので、コカコーラの一缶355mlと比べてみると、コカコーラのカロリーは140カロリー、カフェインは35g、コーヒーに含まれているカフェインの1/6の量が含まれています。
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会社設立は2019年とコロナ禍の中でスタートし、ブランドとしてはまだ5年ほどしか経っていません。本社はニューヨークのブルックリンにあり、2023年9月にシードラウンドとして430万ドルの資金を調達しています。
United Sodas of Americaの創始者の一人であるマリサ・ズパンさんは、コカ・コーラ、ネスレなどの企業でブランドおよびマーケティングストラテジストとして働いた経験があり、ブランド設立の経緯を以下のように語ります。(以下太字部分、Reimagining Soda for a New Era with the Co-Founder and CEO of United Sodas Marisa Zupan – Force Brandsより引用)
炭酸飲料は私にとってとても魅力的でした。なぜなら炭酸飲料は、アメリカと非常に深い関係を持っていましたが、私たちはそれが衰退するのを何年も見てきたからです。新しい時代に向けて炭酸飲料を再考するというアイデアは、非常識で刺激的な挑戦のように思え、そこからユナイテッドソーダが誕生しました。
(すでに競争が激しく、飽和状態にある炭酸飲料という業界に製品を投入したきっかけは何ですか?の質問に対して)
私のキャリアの中で、また飲料愛好家として、スポーツドリンクを始めとしたドリンク類が健康的なものに進化している一方で、(コーラやスプライトといったソーダと呼ばれる)炭酸飲料は依然として世間の敵であることに気づきました。誰も正当な理由で炭酸飲料に注目していませんでした。オーガニックで天然の原料、豊かな風味、種類の多さ、思慮深いデザイン、誠実さなど、今日の人々のニーズに応える製品を作ることで、この状況を変えるチャンスがあることに気づきました。
ブランドの構想段階でフォーカス・グループを行っていたとき、多くの人がその伝統的で不健康な特性を理由に炭酸飲料を避ける一方で、炭酸飲料というカテゴリーには人々の心の中に常に根付いた楽しい思い出(映画、ロードトリップ等)があります。私たちは、人々が新しい瞬間を生み出すことができる炭酸飲料を作りたかったのです。
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創始者のマリサ・ズパンさん。
United Sodas of Americaのブランディングは、ニューヨークのブルックリンにあるブランディング・デザイン会社であるCenterが手がけています。United Sodas of AmericaからCenterへのオーダーは「新しいアメリカを代表するモダンな炭酸飲料ブランドを作る」ことでした。
長い間、炭酸飲料と言えば、コカコーラ、ペプシコーラの赤と青が代表的でしたが、新しく生まれたパッケージデザインは、力強く無駄を省いたタイポグラフィーと、12種類のユニークなフレーバーを統一する鮮やかな色彩を組み合わせたものが出来上がりました。
多様性が団結(United)のきっかけになると信じていたUnited Sodas of America側は、このパッケージデザインについて、政治的立場※に関係なく、すべてのアメリカ人をうまく代表していると感じ「最も大胆でありながら、最もミニマルだった」というフィードバックがあったそう。※政治的立場というのは、アメリカの二大政党である共和党が赤、民主党が青というキーカラーを使っていることを示しています。
カラフルな缶のデザインに、アメリカの多様性が表現されていますよね。
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パッケージがカラフルなことでインスタ映えは確実です。United Sodas of Americaのインスタではフレーバーごとのカラーに合わせたイメージの投稿をしています。
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フレーバーのカラーに合わせた洋服のコーディネートがおしゃれですよね。
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缶と同じ色のチェリーをたくさん入れて、チェリーポップのフレーバーを使った、ノンアルカクテル「シャーリーテンプル」の出来上がり!
その他にも、色をキーカラーにした目にも鮮やかなドリンクレシピやパーティーアイディアが投稿されています。
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実際の値段はと言うと、12缶入りの全種類入ったバラエティパックが34.99ドル(約5,400円)。一缶で計算すると2.9ドル、日本円でなんと約450円!(2024年6月現在)バドワイザーの350mlの缶ビール12缶入りが14.49ドルで売られていますので、その二倍以上の金額です。
お値段も挑戦的だなと思いましたが、マリサ・ズパンさんによると、お金をどこに使うかを気にしていて、ブランドとのつながりを望んでいる消費者をターゲットとしている、ということなので、ブランドの価値がわかる消費者に飲んでほしいということなのでしょう。
(参考)
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