シンガポールではたらくひと #7:Michelle Yeoさん

クリエイターインタビュー
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
Junya Oishi
大石 隼矢

Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.代表の大石隼矢(おおいしじゅんや)です。

いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。
今回のコラムは、シリーズ「シンガポールではたらくひと」。

〇関連記事:前回の「シンガポールではたらくひと」はコチラ!

今回取材したクリエイターは、シンガポール人のMichelle Yeoさん。私と彼女の出会いは遡ること約3年前。彼女が前職のSansan Globalで働いていた時に、私から声をかけたことがきっかけでした。Raffles Placeのカフェでコーヒーを飲みながら、シンガポールに来たばかりで現地の仕事環境や彼女の専門であるマーケティングに関していろいろ質問する私に、親切に色々と教えてくれたことを覚えています。そして時を経て現在、ひょんな再会から複数のお仕事を弊社から彼女へ依頼する間柄になりました。

私は小さい頃から日本の文化や言葉にとても興味があったんです

まず初めに、これまでのキャリアについて教えてください。

私のキャリアは、シンガポールにある企業でのマーケティングインターンからスタートしました。CHARLES & KEITH GROUPやThe American Club Singaporeで経験を積み、その後、日本のクリエイティブエージェンシーであるQueserser & Company Singaporeでセールス&マーケティングエグゼクティブとして活躍しました。その後、Sansan Global PTE. LTD.では3年以上にわたりマーケティングマネージャーを務め、さらに前職のKINSLABO SINGAPOREでは国際的なビジネス開発に貢献。現在はフリーランスとしてMico +(ミコプラス)という自分の会社を立ち上げ、主に日本企業やスタートアップのマーケティングとPRを中心に幅広いサポートをしています。

日本の企業でお仕事をする機会が多かったんですね

そうですね、私は小さい頃から日本の文化や言葉にとても興味があったんです。これは両親の影響が大きかったですね。大学ではマーケティングを学んで、その後シンガポールの企業でインターンを経験しました。インターンを終えた後、Queserser & Company Singaporeという日系のクリエイティブエージェンシーに就職しましたが、そこでの経験が本当に大きかったです。この会社は日本からシンガポールに進出したクリエイティブエージェンシーで日本の働き方や習慣についても深く学ぶことができました。周りの人たちからたくさんの刺激を受けて、自分のスキルを磨くことができました。日本語は難しいってよく言われるけど、私にとっては子供の頃から親しんでいたものだったので、独学で学ぶことも苦じゃなかったんです。それが今、自信にもつながっています。

主に日本企業やスタートアップのマーケティングとPRを中心に幅広いサポートをしています

Michelleさんはこれまでどのようなお仕事をされてきたんですか?

私は、日本のスタートアップや企業がシンガポールで成功するために全力を尽くしています。具体的には、日本のクライアントが現地市場に合ったビジネス展開をできるよう、マーケティングやPRを通じてサポートしています。必要に応じてデザインワークも受託し、私のチームでコンテンツ制作も行います。シンガポールの現地チームと日本本社の間で、スムーズな連携が取れるようにするのも私の重要な役割です。

キャリアを通してさまざまな業界で日本企業と仕事をしてきたことで、彼らのビジネスが直面する独特の課題を理解することができました。特に、ローカライズの壁を越えて、現地市場にしっかりと根付くためのお手伝いをすることにやりがいを感じています。

私は、日本とシンガポールの企業がより密接に繋がり、共に成長できるようサポートすることを自分の使命だと思っています。そのため、クライアントがどんなに小さな悩みでも相談できるよう、信頼関係を築くことを大切にしています。私の仕事は単なるマーケティングやPRに留まらず、日本企業がシンガポールで新しいステップを踏み出せるよう、全力でサポートすることです。

 

日本企業との仕事でこれまで大変だったストーリーをおしえてください

まず、時間の使い方の違いですね。日本企業は細かい計画を立て、慎重に進めることが多いです。一方で、シンガポールの現地チームはスピード感を重視する傾向があります。あるプロジェクトでは、現地市場に迅速に対応する必要があったのですが、日本本社との調整が難しく、結局時間がかかってしまい、見直しになったケースもありました。

次に、コミュニケーションのスタイルの違いです。日本では、間接的な表現や曖昧な表現が好まれることがありますが、シンガポールではもっと直接的に話すことが一般的です。例えば、新商品のマーケティング戦略を決める際に、日本側からのフィードバックが非常に曖昧で、具体的な行動に移すまでに時間がかかりました。現地チームにその内容を伝えるのに苦労し、何度も確認作業が必要でした。

また、文化的な違いも大きな挑戦でした。シンガポールでは、フラットな組織文化が一般的で、どのレベルの社員も意見を言いやすい雰囲気があります。しかし、日本企業では、上司への「報連相」が重要視されることが多く、意見を提案する際には慎重さが求められます。ある会議では、現地チームが積極的にアイデアを出したものの、日本本社ではその提案があまり受け入れられず、議論が進まないことがありました。文化の違いを理解し、橋渡しをすることの難しさを痛感しました。

 

なるほど!これは日本人の仕事のスタイルを客観的に言語化してくれていますね!

シンガポールと日本の橋渡し役として、今後もサポートしていきたい。

数々の日本企業との仕事を経て、今後のキャリアはどのように考えていますか?

今後もぜひ日本企業と一緒に仕事を続けていきたいと思っています。これまでの経験を通じて、日本企業が抱える特有の課題や文化的な違いを理解することができました。それを活かして、さらに効果的なサポートができると感じています。

今後は、単にマーケティングやPRだけでなく、もっと広い視点で日本企業がシンガポール市場で成功するための戦略立案やビジネス開発に関わっていきたいです。たとえば、現地市場のリサーチを基にした新規事業の提案や、日本本社と現地チームのコミュニケーションをより円滑にするためのプロジェクトにも積極的に取り組みたいと考えています。

また、日本企業がシンガポールだけでなく、東南アジア全体での展開を目指す際にも、地域ごとの文化や市場特性に応じたカスタマイズされた戦略を提案できるようになりたいです。このような挑戦を通じて、日本企業の成長をサポートし、共に新しいステージへ進んでいきたいと強く思っています。

まとめ

今回はMichelle Yeoさんにお話を聞きました。笑顔が素敵なMichelleさんはとても優しい雰囲気をまとっていますが、仕事になると彼女の知見を生かした意見をズバッと言ってくれる頼れるマーケターです。シンガポール進出を考えている日本企業はぜひ彼女のような人材を登用し、その一歩目を踏み出して欲しいですね。

私たちフェローズシンガポールは、彼女のようなシンガポールを拠点としているクリエイティブな人材と多くのネットワークを持っています。

この記事を読んでくださる企業の皆様には、フェローズシンガポールをぜひ課題解決や新たな取り組みに活用していただければと思います!ぜひプロフィールよりお気軽にご相談ください。

Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.では、フリーランスのクリエイターがリモートワークでプロジェクトを受注できるようなサービスをはじめました。その名も「Fellows Creators」。例えば日本人がシンガポールの案件を、シンガポール人が日本の案件を、といった形でクロスボーダー(越境)に案件の受発注ができるようなエージェントサービスを目指しています。

https://fellow-s.com.sg/fellows-creators/

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
大石 隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。2012年 京都外国語大学 卒。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。シンガポール国内のクリエイティブ人材や専門職人材に特化した人材マネジメントサービスを提供している。
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