ノンアル・アペリティフGhia、成功の鍵はブランドの世界観

Vol. 66
FIND IT. LOVE IT.
Sayuri Fujii
藤井さゆり

日本で「ノンアル」と言えば、主にビールのことになると思いますが、今回私がご紹介したいのは「ノンアル・アペリティフ」のGhia(ギア)というドリンクです。

 

 
 
 
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最近、ニューヨークではノンアルカクテル専用の「モクテル」バーも見られますし、ウィスキー、ジン、テキーラの代替品スピリッツも出てきました。ノンアルの需要が高くなっているのが感じられます。

 

アペリティフはフランス語で食前酒の意味で、ヨーロッパでは食事の前に家族や友人とお酒を飲む習慣があります。

 

Ghiaを作ったメラニー・マサリンさんはフランス生まれで、フランス人とイタリア人の両親のもと幼少期の夏を地中海の近くで過ごしています。その時に、メラニーさんのお母さんとおばあさんがたくさんのリモンチェッロ(南イタリア発祥のレモンの皮を使ったリキュール)を作りアペリティフとして飲んでいて、その思い出からインスピレーションを得て作られたのがGhiaです。

 

 
 
 
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ベストセラーとなっているGhiaのオリジナルアペリティフは、味はイタリアのアマーロというリキュールに似ており、飲むと甘く、日本の柚子の爽やかな香りと、リラックス効果のあるハーブであるレモンバーム、オレンジ、ローズマリーのエキスの爽やかな香りがあり、わずかに苦くて風味豊かな後味が特徴。砂糖やカフェイン、人工香料は含まれていません。

 

その他にも、苦みのないBerryアペリティフや、炭酸のLe Fizz、Ghiaソーダ、Ghiaジンジャー、ライムソルト、辛口なスマック&チリといった商品も取り揃えており、これらにも同様に砂糖やカフェイン、人工香料は含まれていません。

 

 
 
 
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Berryアペリティフ

 

 
 
 
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Le Fizz

 

 
 
 
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Ghiaソーダ、Ghiaジンジャー、ライムソルト、スマック&チリ

 

Ghiaの美しいブランドの世界観は、メラニーさんのインスピレーションが基になっています。そのインスピレーションとは、古いアペリティフのラベル、ハーブ・ルバーリンと革新的なフォント、1970年代、車のデザイン。メラニーさんいわくGhiaのブランドは「エレガントだけど遊び心があり、アルコールブランドのモックバージョン(模倣版)のように感じさせたくなかった」のだそう。

 

Ghiaのインスタグラムには、商品画像の投稿の合間に1950〜1970年代のインテリアやポスターの画像が投稿されていて、伝えたいブランドの世界観をより感じられます。

 

 
 
 
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ハーブ・ルバーリンは、Avant GardeやEROSなどの雑誌のタイポグラフィーや多岐にわたるデザインで著名なアメリカのグラフィックデザイナーです。

 

 

Ghiaのボトルやロゴ、パッケージデザインは、リアーナのスーパーボウルハーフタイムショーや、キム・カーダシアンの下着ブランドSKIMSの路面店などを手がけた、ロサンゼルスのデザインスタジオPerron-Roettingerが手がけています。ちなみにGhiaの本社もロサンゼルスにあります。

 

メラニーさんがGhiaのアイディアを思いついたのは、ニューヨークでスキンケアブランドのGlossierに勤めていた時。その時にはお酒を飲むのをやめており、人と食事をする度に「なぜお酒を飲まないのか」と質問されるのにうんざりしていたそう。ある時、友人とランチをしていた時に、お酒を飲まない人にとって、誰かとお祝いする時に乾杯するのにふさわしい、クールで気持ちを高めてくれるおいしいノンアルコールの選択肢が欲しいと話していた瞬間、「ノンアル・アペリティフを作るというプロジェクトに真っ向から取り組む時が来た!」と悟ったそうです。

 

こうしてメラニーさんは2019年にGhiaをスタート。2020年6月には最初の商品、Ghiaのオリジナルアペリティフを売り出します。発売から一年も経たないうちに、Ghiaは350以上の小売店での販路を拡大、同社はDry January(新年が始まる一月に、お酒を控えて体内のアルコールを乾かそうというイギリス発祥のキャンペーン)で顧客数が40%増加、35%の顧客リピート率を維持しました。

 

 
 
 
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二番目の商品として売り出された苦味のないBerryアペリティフも好調で、Dry Januaryの最初の数週間で5,500個以上の注文があり、小売売上高は昨年比132%増加。Berryアペリティフは成分を重視し、砂糖を加えずに複雑かつドライな味わいで、既存の顧客を遠ざけることのない製品を作ることを目指したのだそうです。

 

 
 
 
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Ghiaはサスティナビリティについても真剣に取り組んでいます。

 

義務付けられているアペリティフボトルのキャップシール(未開封を確認するためにガラス瓶の口部に着ける熱収縮フィルム)を除けば、Ghia製品には使い捨てプラスチックは一切使用されていません。缶のアルミニウム露出デザインにより、すべての缶が適切に処置されてリサイクルされることが保証されています。パッケージは100%紙と自然環境で分解される生分解性インクを使用しており、ボトルはアップサイクルできます。

 

また昨年、未使用の素材や漂白剤を一切使用しないようにパッケージも刷新。Ghiaの梱包ボックスはすべて100%リサイクルで作られており、かつ、再利用可能になりました。

 

いかがでしたでしょうか。

 

Ghiaのインスタグラムにはたくさんのアレンジレシピが投稿されていて見ていて楽しいです。ぜひチェックしてみてください!

 

 
 
 
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Ghia San-Ghia Punch

 

 
 
 
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Ghia beadlets

 

 

Island Creek Oysters with Ghia Blood Orange Mignonette

 

(参考)

drinkghia.com

Perron-Roettinger

Founder Melanie Masarin Wants To Take The Word ‘Drinking’ From Alcohol, With Non-Alcoholic Brand Ghia – Forbes

How Mélanie Masarin Went From Dig Inn to Glossier to Starting Ghia – ELLE

Ghia Continues Its Dramatic Growth In The Non-Alcoholic Market – Forbes

プロフィール
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藤井さゆり
東京生まれ、2008年ニューヨークに移住。 公益法人に勤務の傍ら、仲間内で企画したクラブイベントのフライヤーデザインをしたことから、デザインの面白さに目覚め転職。 転職後は、都内商業施設のウェブサイトの販促用ページ企画と取材、ライティングを経験。 ニューヨーク移住後は、ウェブマーケティングを企業にて経験、ウェブデザインをフリーランスで行う。 現在は、日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」のオーナー兼デザイナーを務める。
foxylilly.com
Instagram: @foxylilly

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