グローバル人材の採用がうまくいかない理由とは?失敗しないための3つのポイントを、原因と解決策に分けて解説!【企業向け】

Vol.48
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
Junya Oishi
大石 隼矢

Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.代表の大石隼矢(おおいしじゅんや)です。
いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。

前回の記事では、多国籍な文化と急成長する経済国シンガポールで働くメリットや具体的な仕事の内容、移住を成功させるためのヒントについてまとめましたが、今回は採用する側の話についてまとめてみました !

シンガポールにおいて弊社が採用支援をする中で実際に直面した課題を具体例に、グローバル人材を採用したい企業が陥るポイントについて、原因と解決策をご紹介します。

 

目次

1. グローバル採用がうまくいかない理由その①:現地特有の採用市場の理解不足
2. グローバル採用がうまくいかない理由その②:日本語スキルの有無を必須条件にしている
3. グローバル採用がうまくいかない理由その③:採用活動のスピードが遅い!
4.まとめ

グローバル採用がうまくいかない理由その①:現地特有の採用市場の理解不足

当たり前ですが、国や地域ごとに採用市場の特性は大きく異なります。しかし、その特性を十分に理解せず、日本国内と同様の採用方法や基準を適用すると、採用が難航することがあります。

たとえばシンガポールでは、年間を通して転職市場の繁忙期と閑散期があります。12月は賞与支給、1月から2月は旧正月のシーズンで転職市場が動きにくいことが挙げられます。

またビザにまつわる法規制やシンガポール国民の転職トレンドの把握が重要です。シンガポールで活躍してきた日本人の採用をしたい企業にとっては、就労ビザの要件はボトルネックになっており、事前に把握しておかなければ選考を進めた後に採用できないという事態におちいったりします。

■参照記事
シンガポールで働く~駐在員と現地採用とはどう違うの?~

このように、日本とは異なる採用市場を理解せずして、日本と同じような感覚で採用活動を進めてしまう企業が少なくありません。

解決策としては、

・現地の人材需要や給与相場などをオンライン調査し、採用計画に反映させる。
・採用市場や動向を理解している現地のエージェントから情報収集する。

といった策が挙げられます。事前の調査・情報収集・分析をしっかり行い、まずは「日本と海外は違う」という認識を強く持つようにしましょう。

グローバル採用がうまくいかない理由その②:日本語スキルの有無を必須条件にしている

海外市場には多様な人材がいますが、採用するにあたり、高いレベルの日本語スキルを必須条件として設定することで、候補者の数を極端に減らしてしまうことがよくあります。これにより優秀な人材を見逃してしまうケースをよく見かけます。

シンガポールは親日国とよく言われますが、それでも日本語を話せる人は限られています。そのため日本語スキルを必須とすることで、本来求めているスキルセットを持つ人材が採用要件から外れてしまい、数少ない候補者の中から選考をすることになりかねません。

解決策としては

・日本語スキルの有無を「必須」ではなく「歓迎」条件にする(日本語スキルが最優先される職場ではない場合)

という方法が考えられます。

弊社では「日本語スキルを必須にしてしまい、いい人材が採用できない」という悩みをお持ちの企業様に、高い日本語スキルが本当に必要なのかを再検討を依頼し、必須条件か歓迎条件かを確認しています。職務遂行に本当に日本語が必要な場合もあるでしょうし、そうでない場合もあると思います。無闇に必須要件に盛り込むのではなく歓迎要件にし、日本語で日常会話ができる日本企業の就業経験がある候補者に目を向けることで、言語力以外のスキルやポテンシャルに目を向けることができ、候補者の母数が増えます。

グローバル採用がうまくいかない理由その③:採用活動のスピードが遅い!

日本企業の採用プロセスは慎重で時間をかける傾向がありますが、海外市場ではスピーディーな意思決定が求められることが多く、この「スピード感の違い」が採用成功の鍵を握ります。候補者の動きが速い現地では、選考の遅れが原因で他社に優秀な人材を取られてしまうリスクが高まります。

以下の表にもある通り、日本企業が採用までに最短3週間かかるのに対し、シンガポール市場ではおよそ、1~2週間で採用が決まっています。市場の競争率は非常に激しく、いかにスピード感をもって対応するかがカギになります。

特にシンガポールでは、候補者が転職時に複数の企業から同時にオファーを受けることが一般的です。そのため、選考期間が長引いたり、最終的な採用決定が遅れたりすると、候補者は待つことなく他企業を選ぶ傾向があります。

こうした課題への解決策として、以下のアプローチが効果的です:

・現地の採用市場における一般的な選考期間や面接回数を把握する
・採用プロセスを明確にし、短期間集中型に設定する
・採用の最終決定権を日本本社ではなく現地法人に委任し、迅速な意思決定を可能にする

スピード感を意識した採用体制を整えることで、優秀な候補者の離脱を防ぎ、競争の激しい現地市場においても採用成功率を大きく高めることができます。

まとめ

今回は、シンガポールを例に、グローバル人材を採用したい日系企業の採用がうまくいかない原因とその解決策をご紹介しました。最も大事な部分は「日本とは異なる転職市場」だということをあらかじめ認識しておくことです。日本の感覚でグローバル人材を採用しようとして失敗してきた企業を数多くみてきました。 採用をしたい企業ごとに採用選考の要件やフローを見直し、最適化していくことも大切です。

弊社では、シンガポールに集まる優秀なグローバル人材の採用支援を行っております。
「採用がうまくいかない」「原因が分からない」という方はお気軽にご相談ください。
弊社での知見を共有し、解決策までご提案させていただきます。

 

弊社の活動について

私たちFellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.は、ここシンガポールや東南アジアを拠点としているクリエイティブ人材やプロフェッショナル人材と多くのネットワークを持っています。

この記事を読んでくださる企業の皆様には、フェローズシンガポールをぜひ課題解決や新たな取り組みに活用していただければと思います!ぜひプロフィールよりお気軽にご相談ください。

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
大石 隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。2012年 京都外国語大学 卒。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。シンガポール国内のクリエイティブ人材や専門職人材に特化した人材マネジメントサービスを提供している。
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