シンガポールのデザイン業界における採用のリアルとは?展望や事例についてご紹介!

Vol.50
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
Junya Oishi
大石 隼矢

Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.代表の大石隼矢(おおいしじゅんや)です。いつもコラムをお読みいただきありがとうございます。

記念すべき50回目!今回は、シンガポールのデザイン業界における採用のリアルについてお話ししたいと思います!

 

目次

1.はじめに

2.シンガポールのデザイン業界の現状

3.デザイン関連職の採用で求められるスキルセット

4.日本企業が直面しがちな課題と、採用成功のポイント

5.大石が感じたシンガポール採用市場のリアル

6.まとめ

 

 

1. はじめに

シンガポールは東南アジアのクリエイティブハブとして発展を続けており、多くのデザイン会社や広告代理店が拠点を構えています。デジタル化の進展やグローバルな市場競争の激化に伴い、デザイン関連職の需要は高まり続けていますが、日本企業が現地で採用を成功させるためには、シンガポール特有の採用市場を理解することが不可欠です。

2. シンガポールのデザイン業界の現状

シンガポールのデザイン業界は、日本同様に広告・ブランディング、UI/UXデザイン、パッケージデザイン、映像制作など多岐にわたります。特に、デジタル化がとても進んでいて、UI/UXデザイナーやデジタルマーケティング関連のポジションの需要が急増しているように感じています。加えて、多民族・多文化社会であるため、グローバル市場を意識したデザインが求められ、ローカルだけでなく海外のデザイナーも多く活躍しています。

3. デザイン関連職の採用で求められるスキルセット

以前、「日本人クリエイターがシンガポールで仕事をゲットするためのアクションプランと大事な意識」でもお伝えしましたが、シンガポールの企業がデザイン関連人材に求めるスキルは、日本に比べてより実務的で即戦力を重視する傾向があります。以下に代表的な要素を挙げますが、具体的な要件は企業ごとに異なります。

例えば…

ポートフォリオの充実:実績を具体的に示すことが必須
・ソフトウェアスキル:Adobe Creative Suite(Illustrator、Photoshop、XD)、Figma などの使用経験
・UI/UXの知識:ユーザー中心設計(UCD)やデザイン思考の理解
・コミュニケーション能力:多国籍な環境の中で円滑に意思疎通できる英語力
・プロジェクト管理スキル:デザインだけでなく、マーケティングやクライアントワークの経験が評価される

などなど、職種によっても必要になるスキルは変わります。

4.日本企業が直面しがちな課題と、採用成功のポイント

私がシンガポールにある日本企業の支援をしてきた中で、特に日本企業がシンガポールでデザイン関連人材を採用する際に直面しがちな課題には、以下のようなものがあります。

・給与・待遇のギャップ:シンガポールのデザイン関連職は日本よりも給与が高めに設定されることが多く、日系企業の給与水準が見劣りするケースがある。
・英語での面接・評価:英語を母語としない日本企業の面接官が、適切に候補者のスキルを評価できないことがある。
・文化的な違い:日本企業は長期的な雇用を重視する傾向があるが、シンガポールでは転職が一般的であり、柔軟なキャリアパスを求める人材が多い。
・ブランディングの不足:日本国内では有名な企業でも、シンガポール市場では知名度が低く、応募者が集まりにくいことがある。

以上を踏まえたうえで、シンガポールでデザイン人材を採用する際には、以下のポイントを押さえることが重要です。

・競争力のある給与と福利厚生の提示:シンガポールの給与水準をリサーチし、現地の相場に合わせた条件を提示する。
・スキル重視の採用プロセス:ポートフォリオやスキルテストを重視し、実務能力をしっかり評価する。
・柔軟な働き方の提案:リモートワークやフレックスタイム制を導入し、求職者のニーズに対応する。
・現地での認知度向上:SNSやクリエイティブ系のイベントを活用し、企業ブランドを現地市場に浸透させる。

5. 私が感じたシンガポールでのデザイン関連職の採用のリアル

私自身がシンガポールで採用支援をしていて最も強く感じるのは、「候補者の意識の高さ」です。シンガポールのデザイン職は、自己ブランディングが上手く、自らの市場価値を常に意識しています。また勉強熱心で、他国のデザインに関しての勉強も積極的に行いながら汎用性とオリジナリティを意識している方が多いです。そのため、採用企業側も単なる「雇用主」ではなく、「彼らのキャリアにどのような価値を提供できるか」を示してあげることができると、他社よりも一歩リードできる可能性があります。

最近、弊社が取り組んだTDS Global様のデザイン関連職の採用事例を弊社ノートに公開しました。シンガポールでデザイン経験と営業経験のある人材という「そんな人いないよな」と思ってしまうような難しい採用でした。

TDS Global 鈴木さん(左)と大石(右)

6.まとめ

シンガポールのデザイン業界で人材を採用する際は、日本とは異なる市場環境や求職者の価値観を理解することが不可欠です。給与水準やスキルセットの違いを把握し、柔軟な採用戦略を取ることで、優秀なデザイン人材を確保することができるでしょう。

 

弊社の活動について

私たち Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.は、ここシンガポールや東南アジアを拠点としているクリエイティブ人材やプロフェッショナル人材と多くのネットワークを持っています。この記事を読んでくださる企業の皆様には、Fellows Creative Staff Singapore PTE. LTD.をぜひ課題解決や新たな取り組みに活用していただければと思います!ぜひプロフィールよりお気軽にご相談ください。

プロフィール
Fellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd. 代表
大石 隼矢
1990年 静岡県焼津市生まれ。2012年 京都外国語大学 卒。2010年カナダ・ウエスタンオンタリオ大学へ交換留学。2012年株式会社フェローズ入社。2020年4月にフェローズ初の海外拠点であるFellows Creative Staff Singapore Pte. Ltd.の責任者に就任。シンガポール国内のクリエイティブ人材や専門職人材に特化した人材マネジメントサービスを提供している。
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