日常生活が進化するボタン「アマゾンダッシュボタンとDroplet」
- Dig It! NYC Vol.79
- Dig It! NYC 藤井さゆり
先日、アメリカAmazon.comが「アマゾンダッシュボタン」なるものを発表しました。
アマゾンダッシュボタンはボタン付きの小型デバイスで、ボタンを押すだけでAmazon.comからの物品の購入、配送がされるというもの。トイレットペーパーやカミソリといった消耗品など、常にストックしておきたいものを繰り返しオーダーする場合に使います。使い方としては、ストックが置いてある棚の内側などに付けておき、少なくなってきたらボタンを押すと、後日物が届けられるという流れ。時間も手間もかからず、また、ストックがなくなって慌てることもありません。
初期設定も簡単で、アプリをスマートフォンにインストールし、自宅のWi-Fi環境でオーダーしたい商品を選ぶだけ。一旦ボタンを押すとスマートフォンに通知される仕組みになっていて、キャンセルしたい場合にはその時点で可能です。
今のところアマゾンダッシュボタンの利用は「プライムメンバー」のみとなっており、利用したい場合にはAmazon.comへのリクエストが必要となります。
ウェブサイトやスマートフォンからオーダーする必要もなく、ボタン1つで必要な物がすぐに届けられる、というのは現時点では先進的な買い物の方法と言えそうです。
そしてもう1つ。ボタンタイプのスマートリマインダー、Droplet(ドロップレット)。現在Kickstarterで資金を募っているため、まだ商品化はされていませんが、アマゾンダッシュボタンと同時期に出てきて機能的にも似ています。fastcodesign.comより
アマゾンダッシュボタンはAmazon.comでの物品購入に直結したものですが、Dropletは日常行うタスクをスマートフォンからリマインダーしてくれると同時に、Dropletを使うことで効果が上がるものとなっています。
たとえば「毎朝食後にサプリメントを飲む」「花に水をやる」「毎朝6時に起きてジョギング」といった日常的に行う必要があるけれど怠ってしまいがち、スマートフォンのスケジューラーに入れるまでもない、もしくは入れてあってもついつい忘れてしまがいちなタスク。ありませんか?Dropletはこのようなタスクをこなすために後押ししてくれるもの。
例えば「毎朝食後にサプリメントを飲む」というタスクがある場合。Dropletをサプリメントのふたに付けておき、スマートフォンでDropletアプリを使いあらかじめ設定をしておきます。時間が来るとスマートフォンからリマインダーしてくれるので、サプリメントを飲むタスクが完了したらDropletを押します。そうするとDropletから「タスク完了」の情報がスマートフォンに送られる、という仕組みになっています。その情報が記録として残るので、「昨日、飲んだっけ?」と曖昧な記憶に頼ることなく、日々自分がきちんとこなしているかどうかをスマートフォンで確認することができます。
また、アマゾンダッシュボタンのような使い方もできます。消耗品などのストックが置いてある棚にDropletを付けておき、なくなってきたらDropletを押します。あらかじめアプリで「Amazon.comにこの商品をオーダーする」という設定をしておけば、Amazon.comへ自動でオーダーされ、物が届きます。
さらに、Droplet smart hubを使うことで、より機能的になります。スマートフォンを持っていない両親の自宅にDroplet smart hubを置いて設定をしておいても同様な使い方が可能です。
ビデオで紹介されている例ですが「自分の親が毎日定期的に薬を飲んでいるか」をDropletで確認することができます。薬ケースの外側にDropletを付けてもらい、薬服用後にDropletを押してもらうと、薬を飲んだという情報が自分のスマートフォンに通知されます。(これもあらかじめ自分のスマートフォンにそのように通知されるよう設定が必要になります。)
機能的にも大変似ているこの二つのガジェット。Dropletはアマゾンダッシュボタンの機能も盛り込んでありますし、色々な面で応用が利くという点でこちらのほうがよいような気がします。コストの面で言うと「アマゾンダッシュボタン」を利用するのにコストはかかりません(プライムメンバーになる必要はあります)Dropletは商品化がされていないので確実な値段ではないですが、Kickstarterに載っている金額には1つ19ドルとあります。
Amazon.comにおいては、今後、アマゾンダッシュボタン以上に画期的な機能や用途を持ったサービスやデバイスを開発するでしょう。Amazon.comが人々の買い物の仕方を根本的に変えてしまったように。未来にAmazon.comがどんな展開をしていくのか、また、Dropletのようなベンチャーがどんなものを生み出すのか考えるととてもワクワクします。
▼ Amazon Dash Button ▼ Droplet
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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