長らく熾烈な戦いを続けて来たアメリカ大統領選挙。この記事が出る頃には、次期アメリカ大統領が決まっているワケなんですが、民主党のオバマ大統領が続投か、共和党のロムニー候補か、どちらがなっているのでしょう！

両候補にとって最も重要な最後の討論会が行われた2012年10月22日、ニューヨークのダウンタウン、グーグルの本社が入っているビルの一角で、面白いイベントが行われました。インターネットによるライブ配信を行っているLivestream社と第33回のコラムで紹介したTumblr（タンブラー）社、この2つのテクノロジーカンパニーが「LIVE-GIFFING THE 2012 DEBATE」と題し、討論会ウォッチパーティーをしながら、大統領選に関するGIFアニメーションを即興で作ってリアルタイムに公開していく（＝LIVE GIFFING）というイベントを開催したのです。

パーティーへの参加は招待客のみでしたが、実際の討論会のライブ配信とイベントの模様が、TumblrとLivestreamによる特設ページ「Final Presidential Debate」で公開されました。

イベント会場には、LIVE-GIFFINGのパフォーマーである、6人の有名なGIFアニメクリエイターが集結。まじめな討論会と同時に、彼らがGIFアニメを制作する模様もライブ配信されました。出来上がったGIFアニメ作品は特設ページとgifwich.comにて公開。GIFアニメを作ったならばgifwich.comにて誰でも投稿可能。2012年11月6日現在、305個のGIFアニメが公開され、たくさんの人が自分のタンブラーブログで「スキ！」登録や「リブログ」したり、ツイッターやフェイスブックで共有しています。

パーティー好きなアメリカ人がよくする「討論会ウォッチパーティー」といったイベントは、この日、国中のあちこちで開催されたと思いますが、このイベントは「ウォッチパーティーだけではなく、何か違うことをしたい」というTumblr側の提案よって決まったものだそうです。ライブ配信の運営がメインであるLivestreamと人気のブログサービスで多くのシェアがあるTumblrとで、お互いのウリを存分に出しつつ、討論会ウォッチパーティーでしかも“LIVE-GIFFING”をやるという、なんともテクノロジー好きな若いニューヨーカーたちが起こしたイベントです。

アメリカでは若い人も政治にかなり関心があり、特にニューヨークは政治指向としてはリベラルで、テクノロジーにかけては強者が多くいます。また「大統領選の討論会」と書くと堅苦しいイメージですが、討論会はスポーツ観戦みたいなノリもあるとか。日本だと政治とこういうイベントを絡めるっておそらくないですよね。不真面目だって怒られそう…。

何かを仕掛けたり、普通のことを面白くしたり、そういうことにかけては、アメリカはすごいと思います。いや、この場合マーケティングがうまい、と言うべきでしょうか。基本的には「楽しもう！」かつ「他と同じじゃイヤ」感がありそうです。さすがハロウィンがあれだけ盛り上がる国です。

話が逸れましたが、本イベントの主催者であるLivestream。ユーストリームと同様、ライブストリーミングの番組ネットワークを多数持っており、設立は2007年と若い会社ですが、ニューヨークタイムズ、フェイスブック、ワーナーブラザーズレコードなど大企業が顧客となっています。ちなみにLivestreamのCEOであるMax Haotさんはベルギー人でまだ30代後半といううわさ。最近、ニューヨーク市のチーフデジタルオフィサーを務めるRachel Haotさんと結婚されました。テクノロジーつながりの美男美女カップルです。

Livestreamのユーザーになると、写真、ビデオ、文字、ライブビデオの投稿ができ、1ヶ月間のイベントアーカイブ付きの無料プランの他、ベーシック、プレミアムのプランがあります。日本ではまだ認知度は高くありませんが、今後要チェックかもしれません！

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• Livestream livestream.com