WEB・モバイル2015.11.04

Magic Leapが見せるワクワクな将来!

Dig It! NYC Vol.85
Dig It! NYC 藤井さゆり

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昨年、Googleを筆頭に5億4200万ドルもの資金調達を受けて話題となった、AR(拡張現実)テクノロジー会社Magic Leapが新たな動きを見せています。以前ウェブサイトを見た時には、情報量が少なく何をやっているのかよくわからない会社だったのですが、今、チェックしてみたら、新しいことをやってくれそうなワクワクするサイトになってました。ぜひ下記リンク先をチェックしてみてください!

Magic Leapがやりたいのはこういうことでした。(http://www.magicleap.com)

上のリンク先を見て「何がすごいの?CGでしょ。」と思った方!先月、Magic Leapより発表された下記デモビデオをご覧ください。このビデオには「Magic Leapの技術を通して直接撮影したものです。特殊効果や合成はしていません。」という注意書きが入っています。

Magic Leap Demo カメラが捉えている机の下で動いているロボット、オフィスで仕事をしている女性を背景に動く太陽系は、CGなど合成で作られたものではなく、今そこに現実に見えている映像です。そう、これがMagic LeapのAR技術。SF映画で見たような世界がそこに見えているのです。

AR、拡張現実とは、現実の世界にコンピューターにより情報を付加する技術で、Augmented Realityの略。これに対しVRはVirtual Realityの略で、仮想現実のこと。ARを体験するためには、通常、Googleグラスのようなヘッドマウンテッドデバイスを体の一部に装着することが必要です。また、最近ではスマートフォンアプリにもAR技術を使ったものもあります。

さて、冒頭で紹介した、体育館でバシャーーーンと水しぶきをあげて飛び跳ねるクジラに驚喜している生徒たち。体育館に集まっている生徒たちという現実環境に、AR技術によりクジラが飛び跳ねるという情報を付加しているというわけです。しかし、ARを体験するために必要なヘッドマウンテッドデバイス、生徒たちはしていないように見えます。あの豪快なクジラの飛び跳ねシーンをどうやって生徒たちに見せているのでしょうか?

Forbes / Tech によると、Magic Leapの現時点での技術は、できるだけ軽量にすることを目的としている他のヘッドマウントデバイス、例えば Microsoft Hololens(http://www.microsoft.com/microsoft-hololens/en-usにリンク)を使ったものとは全く違うものだ、と言っています。続けて「Magic Leapの技術を体験するために、スクリーンやラップトップ、スマートフォン、スマートウォッチが必要になるか?」との問いにMagic LeapのCEOであるRony Abovitzは「必要ない」と回答。

ということは、先ほどのクジラの飛び跳ねと、机の下で動いているロボット、オフィスで動いている太陽系は、特殊なスクリーンに映し出されているわけではなく、私たちが想像するヘッドマウントデバイスやスマートフォン、スマートウォッチを使う必要もなく、Magic Leapの技術により、ほぼ裸眼に近い状態で体験できるということでしょうか。だとしたら、これはすごい技術ですよね…。しかし、それがどんな仕組みで実現されているのか明かされていないので謎ですが!

TechCrunch によると、Magic Leapの技術は私たちがイメージする従来のARではなく、もっと進化したものだそう。Rony AbovitzがMagic Leapの技術をAugmented Realityではなく、Cinematic Realityと表現している理由がわかります。

「だからどうなんだ?」って思う方、下記をご覧ください。Magic Leapの技術によって、近い将来、どんなことが可能になるのかというのを見せてくれている画像がこちら。

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クラブDJは機材が必要なくなります。

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天気予報をテレビや小さいスマホ画面でチェックする必要はありません。

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ゲームは怖いくらい超リアルに楽しめます。

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高度な手術も画期的な方法で行われます。

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彼女に聞けばいつでもこんなふうに楽しく勉強を教えてくれます。

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大画面で見たいスポーツ観戦がどこでも見られます。 (真ん中の大きなシステム全体がARですよ!)

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これまでの“シェア”の概念が変わります。

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空想ではなく、空にドラゴンを飛ばすこともできます。

以上の画像は、全てMagic Leapのウェブサイトからの画像です。近い将来、こんなことが可能になったらすごいことですよね!私はこういうことが近い将来実現されるかもしれない、と思うだけでワクワクしてきます。今はスマホに依存した生活を送っている人がほとんどだと思いますが、スマホも必要なくなる日が確実に来るんですよね。それも近い将来かも。

さて、会社について少し触れておきますと、Magic Leapはフロリダに本社があり、2011年に設立。冒頭で、昨年に5億4200万ドルの資金を調達したと書きましたが、South Florida Business Journalによると、今後、追加で10億ドルの資金を調達する可能性があるそうです。まだまだ謎な部分が多いMagic Leapですが、Googleらが多額の資金を投資したわけですから、それだけ価値のある会社だということ。今後、彼らがどんな動きを見せてくれるのか要要要チェックです!

おまけ:Magic LeapがTEDの公演をキャンセルして公開したビデオがこちら。Magic Leapの技術がこちらでも見られます。オフィスで、YouTubeやGmailのチェックからのシューティングゲーム。ちょっとオタク色が強いですが…

◼︎Magic Leap magicleap.com

Profile of 藤井さゆり

藤井さゆり

東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
Foxylilly.com
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