「AIがミーティングをスケジュール??その名はAmy ♡ 」
- Dig It! NYC Vol.90
- Dig It! NYC 藤井さゆり
日々の業務に加え、次々と入ってくるクライアントとのミーティングやプレゼンの日程調整に頭を抱えたことはないですか?特に、ミーティングに大勢が参加するといった場合には、日程調整のメールのやりとりだけでも膨大になり、それに対応だけでかなりの時間が費やされることも……。
多忙を極めるクリエイティブディレクターといった役職に就く方、あるいはベンチャー企業の社長さんであっても、お客さんへのアポイントやミーティングの日程調整など、ご自身で行う方も多いのではないでしょうか。
そんな時、スケジューリングから相手へのメール連絡をすべて行ってくれるアシスタントがいたら…と思ったことはありませんか?きっと、仕事の負担も精神的な負担も軽減するに違いありません。
そんな面倒なスケジューリング業務を行い、専属アシスタントのように仕事をしてくれるのがAmy。Amyは人ではなく、x.ai社という企業が提供するAI(Artificial Inteligenceー人工知能)により個人のスケジューリングを行ってくれるサービスのこと。フルネームはAmy Ingram(エイミー・イングラム)と言います。Amy Ingramは、AIをイニシャルとしており、Ingramはコンピュータ用語N-Gramから来ています。
こう書くと、AIを搭載したAmyと呼ばれるロボットが来てメールを出したり仕事するようなイメージが浮かびそうですね(笑)実際にはロボットが来るわけでではなく、自分用にカスタマイズされたプログラムを使っているといった感じでしょうか。
それでは、Amy Ingramはどのようなサービスで、それがどう機能しているのか、x.aiのウェブサイトからの例を引用しながら、説明していきたいと思います。
ー サービスを利用するには ー
サービスを利用するには、x.aiにアクセスし、ウェブサイトから自分のメールアドレスを送ってサインナップします。その後、x.aiからサインナップしたメールに、メールアドレスの確認依頼が来るのでクリック。クリック先で、タイムゾーンの設定、名前入力、GoogleやiCloudなど自分が使用しているカレンダーの選択(このカレンダーに入っている情報を基にAmyがスケジューリングをします)をして送信。後はx.ai側から連絡が来て使えるようになるのを待つだけです。アプリやソフトウェアのダウンロードなども全く必要ありません。
※注 : 今のところベータ版のため無料で利用できるようです(2016年3月現在)。 また現在、申し込み後すぐには利用できずウェイティングとなります。
ー 実際の利用時の流れ ー
< ビジネスミーティングの日程調整 >
1 ミーティング依頼が来る
Adweekで知り合ったメアリーから、グレッグにミーティングの依頼が来るというシナリオ。メアリーはグレッグのオフィス近くのどこかに立ち寄ると言っています。
2 依頼主へ返信、ccにAmy
グレッグはメアリー(依頼主)に「わかりました、ミーティングをしましょう」と返信。ccにはAmyのメールアドレスを入れ、Amyに「私のオフィスでの30分のミーティングの時間を見つけておいてください」と依頼しておきます。
3 Amyが依頼主に連絡
ここからAmyが日程調整に入ります。Amyからメアリー(依頼主)へ返信。Amyがグレッグのカレンダーから都合の付く時間を見つけて日程調整を依頼。ミーティングの場所であるグレッグのオフィスの住所も伝えてくれます。
メアリー(依頼主)がAmyに都合のよい時間を返信します。
メアリー(依頼主)からのリクエストをAmyが了承、メアリーに案内を送る旨を連絡。
4 Amyが自分と依頼主に案内を送信。
グレッグとメアリー(依頼主)両方にミーティングの案内が送られました。日程調整完了!
「相手からのリクエストを伺い、カレンダーを開けて、自分の都合のよい日程を確認し、再度連絡する」という一連の作業をAIであるAmyがやってくれます。この例では一対一の日程調整ですが、多人数でも同様の流れで日程調整を行ってくれます。
その他にも、Amyは下記のようなリクエストも対応してくれます。
< エイミーへスケジューリングについてのリクエスト >
1 Amyへメールで自分の意向をリクエストする
「Amy、通常、ミーティングは私のオフィス(住所)で行います。ただし、月曜日から木曜日の午前10時前と午後7時以降にはスケジュールしないでください。
毎日1時頃から昼食を取るので、そこから1時間は何もスケジュールを入れないでください。
それから、対面ミーティングの場合、ミーティングとミーティングの間は15分空けてスケジュールしてください。」
2 Amyより確認のメールが届く。
「お知らせありがとうございます。下記の通り、スケジュールをアップデートしました。
スケジューリング可能時間:
● 月曜日:午前10時〜午後1時、午後2時〜7時 ● 火曜日:午前10時〜午後1時、午後2時〜7時 ● 水曜日:午前10時〜午後1時、午後2時〜7時 ● 木曜日:午前10時〜午後1時、午後2時〜7時 ● 金曜日:(不在) ● 土曜日:(不在) ● 日曜日:(不在)
ミーティング時のバッファー
● 対面ミーティングの初期設定:15分 ● 電話ミーティングの初期設定:なし
その他、下記のように確定したミーティングのカレンダーへの書き込みも行ってくれます。
< カレンダーへの書き込み >
1 カレンダーに書き込みたい内容をAmyにメールする
「カレンダーに追加してください」
---- 転送されたメッセージ ----- (内容は電話会議の日程)
2 Amyがメールの内容を理解し、カレンダーに書き込む
Amyからカレンダーにスケジュールを書き込んだ旨のお知らせが来ました。
いかがでしたか?Amyとのメールのやりとりを見ていると、普通に人と仕事を一緒にしているような感覚ですよね。現在のところ英語対応のみとなっていますが、他言語に対応したいという希望はあるようです。日本語対応にもなると嬉しいですが……。
ちなみに、x.ai社は2014年に設立、オフィスはニューヨークにあり、マンハッタンの先端部、ウォールストリートの近くに位置しています。
ところで今回、このAmy Ingramを知ったのは、実際に友人宛でAmy Ingramからミーティングの依頼が来て、それを私に教えてくれたからなのですが、Amyがベータ版と言っても、実際に仕事の現場で使われている、ということを念のためお知らせしておきたいと思います。
■ x.ai (エックスドットエーアイ)- A personal assitant who schedules meetings for you -
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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