ときには校歌を斉唱したい
- とりとめないわ 第12話
- とりとめないわ 門田陽
和也と達也が減ったなぁ。というのが今年の夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)の印象です。
ここ数年ずいぶん少なくなってきたと感じていましたが、今年は和也と達也(竜也等含む)を合わせても8人(全882選手)で1チーム(9人)も作れなくなりました。同じくピンチなのが大輔(大介等含む)で、こちらは今年は10人。ギリギリ何とか1チームはできます。大輔は多い年は各チームに一人はいたので50人近い年もあったはずです。そんな中、今年多いなと思ったのが「陸」の字と「海」の字が付いた選手達。特に海。陸軍11人に対して海軍はなんと24人。流石島国ですが誰かの影響でしょうか?ちょっと思い浮かびません。あとわりと多いと感じたのが虎の字と龍の字です。虎軍(寅含む)7人に対して龍軍(竜含む)13人。ドラマ「タイガー&ドラゴン」がヒットしたのが2005年なのであと4~5年後の甲子園は虎と龍が大暴れする予感がします。と、ここまでは選手の名前の話。
さて、次は校歌です。職業柄なのか単なるクセなのか歌詞が気になってしまうのです。出場49校の校歌の歌詞(一番のみ)を全て文節で区切りさらに単語に細分化して、どんなコトバが多く使われているかを手作業で調べてみました。最も多かったのは「われら(我が、も含む)」が35校で計45回。これが断トツ。強豪智弁学園に至っては一番だけで「われら」が5回も出てきます。以下次の通り(アナログなので集計ミスがあったらゴメン)。
1位:「われら」または「我が」 45回 2位:「おお」または「ああ」 18回 3位:「若き」または「若人」 17回 4位:「仰ぐ」 15回 5位:「校舎(まなびや)」 12回 6位:「学ぶ」 11回 7位:「輝き」 10回 8位:「花咲き」または「花咲く」 9回 8位:「光り」または「光る」 9回 10位:「希望」 7回 10位:「理想」 7回 10位:「集う」 7回 10位:「窓」 7回
これら上位のコトバやいかにも校歌っぽいフレーズを活かして架空の高校のザ・校歌を書いてみました。
架空学園校歌 仰ぐ架空山 潮の香ゆかし架空ヶ浦 希望の光輝く校舎(まなびや) 高き理想を抱く窓辺に花が咲き 集う若人学ぶ眉濃いし ああ、永遠の青春われら架空学園 おお、われらがわれらが架空学園
う~む、入れすぎるとひどいな(苦笑)
そういえば、僕が20代の後半に修行していた仲畑広告制作所にはなかなかユニークな社歌がありました。4番まであるのですが、僕は2番の歌詞が好きです。
仕事が済んだらおでん屋で おいしいちくわをたべましょう 社内恋愛だめだけど それはともかくまたあした ソレ 君と僕との合言葉 いいものだけしか作れない 仲畑広告制作所
いや~、歌ったことはありませんが(笑)なつかしい。ちなみにこの社歌の作曲は近田春夫さんです。
ところで、僕の出身校は明治35年創立ですが、まだ一度も甲子園に出たことがありません。弱いのです。「生きている間に一度でいいから甲子園で校歌を歌いてぇ!」と叫んでいたら仕事仲間のADから「いいですよね、私は女子高なので一生ありませんよ」と言われた話はまたの機会に。
Profile of 門田 陽(かどた あきら)
電通第5CRプランニング局
クリエーティヴ・ディレクター/コピーライター
1963年福岡市生まれ。
福岡大学人文学部卒業後、(株)西鉄エージェンシー、(株)仲畑広告制作所、(株)電通九州を経て現在に至る。
TCC新人賞、TCC審査委委員長賞、FCC最高賞、ACC金賞、広告電通賞他多数受賞。2015年より福岡大学広報戦略アドバイザーも務める。
趣味は、落語鑑賞と相撲観戦。チャームポイントは、くっきりとしたほうれい線。