コカコーラ、ナイキ…VRとARを使った企業マーケティング・キャンペーン事例
- Dig It! NYC Vol.97
- Dig It! NYC 藤井さゆり
プレイステーションVRが先月発売になりましたね。私はゲーマーではないのですが、360度の視界でそのゲームの世界にどっぷり嵌るという経験をぜひしてみたいです。
一方で、今年の7月にサービスを開始し、爆発的な人気を見せたポケモンGO。プレイステーションVR(Vertual Reality-仮想現実)に対し、ポケモンGOはAR(Augmented Realityー拡張現実)なんですよね。ARについては、第85回の「Magic Leapが見せるワクワな将来!」で取り上げましたが、簡単に言うとVRは現実のように作られた空間、それに対しARは現実世界にデジタル情報を重ねた空間のことを言います。
2016年はVRの年などと言われているのを記事で目にしますが、プレイステーションVRの発売はその中でも目玉とも言えそうです。それとともにARも、Snapchatの自撮り画像に「犬顔」や「虹」などのデジタル加工をして楽しむ機能「Lenses」を始め、Facebookも同様のサービス「Mask」を開始するなど、見聞きすることも多くなりました。
ゲーム、ソーシャルアプリを始めとして、身近になっているVRとARですが、企業広告やキャンペーン、マーケティングではどのように使われているのでしょうか。調べてみみたところかなり事例があったので、ここでは個人的に興味深いと思ったものをいくつかご紹介します。
Microsoft HoloLens - Transform your world with holograms Microsoft
Microsoft のARヘッドマウントディスプレイ、HoloLensのプロモーションビデオなので、ARが使われている事例とはちょっと違うかもしれませんが、ARヘッドセットを着けた際の見え方がわかりやすく、ARがどのように生活に溶け込むのかを見せてくれています。
The New IKEA Catalog App: Create Your Space IKEA USA
ARを使ったマーケティングの中でも取り分けわかりやすくかつ機能的な事例。アプリをダウンロードし、気に入った家具のカタログページをスキャンすると、スマートフォンやタブレットを通して、自分の部屋にその家具を置いた時のイメージが見られるので、購買に結びつきやすくなるというもの。最近、日本でもアプリの提供を開始したようです。
Starbucks - Christmas Cup Magic Blast Radius
ちょっと古い事例にはなりますが、Starbucksのクリスマスシーズンキャンペーン。コーヒー1杯とスマートフォンだけで手軽にARの世界観を堪能でき、シェアしたい!と思わせてくれます。グラフィックも美しくまさに“Christmas Cup Magic"という雰囲気。
Lowe's Innovation Labs: The Next-Generation Lowe's Holoroom Lowe's Home Improvement
こちらはアメリカの大型生活家電チェーンLowe'sが開発した、Oculus Rift(オキュラスリフト)というヘッドマウントディスプレイを装着し、HoloroomというVR空間で自分の理想のバスルームやキッチンデザインができるというもの。Oculus Riftを使わなくても、Googleカードボードで場所を問わず同じような体験が可能だそうです。
Coca Cola Virtual Reality Campaign Lemonorange.pl
昨年ポーランドで行われた、コカコーラのクリスマスシーズンキャンペーン。こちらもOculus Riftを使い、360度の視界でソリを走らせているサンタクロース目線を体験できるというもの。実際に体験できなくても、美しい映像と臨場感、世界観に子供ではなくともワクワクさせられるキャンペーンです。
Nike Hypervenom II - The Neymar Jr. Effect, A Virtual Reality Nike Football
今年のウェビー賞で、ONLINE FILM & VIDEOカテゴリーにあるVR: Gaming, Interactive, or Real-time (Branded)部門にてノミネートされたビデオ。ブラジルのサッカー選手であるネイマールの目線が360度の視界で体験できるVRビデオとなっています。視聴する場合は、最新のYouTubeアプリ使用か、デスクトップの場合はGoogleクロームが必要です。
Absolut Reality Event Recap | Bob Moses in 360° Absolut
昨年の夏、ウォッカメーカーのAbsolutが立ち上げたVRキャンペーンAbsolut Reality。キャンペーンでは、ニューヨークのブルックリンで演奏するアーティストBob MosesによるVRライブ映像のストリーミングが行われました。ライブはドローンと高度な撮影技術により配信され、リアルな雰囲気を感じられる映像となっています。視聴する場合は、最新のYouTubeアプリ使用か、デスクトップの場合はGoogleクロームが必要です。
いかがでしたでしょうか。CNBCによると、2020年までにVR広告とAR広告に使われる120億ドルが使われると予測、ARによってさらに大きく拡大すると言っています。
今後さらに技術も高度になるでしょうし、それによってますますVR広告、AR広告の幅も広がっていくでしょう。近い将来、どんなふうに進化を遂げるのか楽しみに待ちたいと思います。
引用元: Rick Mathieson: GENWOW "Top 10 Best Augmented Reality Campaigns 2015” Mbryonic "The 10 Best Uses of Virtual Reality in Marketing Video" YouVisit "The 10 Best Virtual Reality Marketing Campaigns"
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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