2017年ウェビー賞発表、Apple、Uber、Airbnbが受賞!さてその内容は?
- Vol.103
- Dig it! NYC 藤井さゆり
先日、ウェブ・インターネット業界で最も権威ある賞と言われる「ウェビー賞(Webby Awards)」の2017年度の受賞者が発表されました。
ウェビー賞には、「スペシャルアチーブメント(特別業績)」、「ウェブ」、「オンラインフィルムとビデオ」、「広告とメディア」、「モバイルサイトとアプリ」、「ソーシャル」、そして今年から新設の「ポッドキャストとデジタルオーディオ」という7つのカテゴリーがあり、その中からさらに業界別やテーマ別に分けられて賞が与えられます。
賞の選出は、期間中エントリーされたものの中から、国際デジタルサイエンスアカデミー(IADAS)によって各部門ごとにノミネートが選ばれ、最終的にノミネートの中から、アカデミーによって選ばれるWebby Award Winnerと、一般投票によって選ばれるPeople’s Voiceの2種類の受賞があります(スペシャルアチーブメント以外)。今年のウェビー賞へのエントリーは、70カ国から13,000件にも及んだとのことです。
それでは以下、受賞したものの中から個人的に気になったものをご紹介していきます。
スペシャルアチーブメント
ウェビーソーシャルムーブメントオブザイヤー
スペシャルアチーブメント(特別業績)では、Weeby Social Movemnt of the Yearとして、過去のコラム「マテル社の新キャンペーンとウーマンズマーチ、そしてトランプ大統領のアメリカ」で紹介した「ウーマンズマーチ」が受賞。ウーマンズマーチは、女性や人々の権利が脅かされるトランプ大統領の政策や発言に反対する女性たちが中心となったデモグループ。元々はハワイにいる一人の女性がFacebookに投稿したことによって始まったものですが、今や世界中に広がる巨大なムーブメントになっています。
ウェブ
ベストナビゲーション・ストラクチャー(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
ナビゲーションとサイト構造を通して、優れたユーザーエクスペリエンスが提供できているものが対象。情報アーキテクチャのみの審査。
ウェブ
ベストユーズオブ ビデオ or ムービングイメージ(Pople’s Voice)
The Hidden Worlds of the NATIONAL PARKS
ユーザーエクスペリエンスを高め、エンゲージメントを生み出すビデオや動画を組み込んだものが対象。ビデオと動画のみの審査。
ウェブ
ベストユーザーエクスペリエンス(Pople’s Voice)
革新的なデザインと優れた機能性を通し、ベストなユーザーエクスペリエンスを提供しているものが対象。
ウェブ
ベストビジュアルデザイン 美的カテゴリー(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
ビジュアルデザインのみの審査。感覚にアピールし、美しく、情緒的にビジュアルデザインされているものが対象。
ウェブ
ベストビジュアルデザイン 機能性カテゴリー(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
ビジュアルデザインのみの審査。機能的なユーザーエクスペリエンスを基にビジュアルデザインされているものが対象。
オンラインフィルムとビデオ
VR:ゲーミング・インタラクティブ・リアルタイム(Pople’s Voice)
VRを体験できる優れたオンラインフィルムかビデオが対象。カテゴリーはゲーミングかインタラクティブもしくはリアルタイムのもの。
オンラインフィルムとビデオ
VR:ゲーミング・インタラクティブ・リアルタイム(Branded)(Webby Award Winner)
VRを体験できる優れたオンラインフィルムかビデオが対象。カテゴリーはゲーミング、インタラクティブもしくはリアルタイムのもの、商業目的等でプロモートされたもの。
広告とメディア
ベストユーズオブアニメーション or モーショングラフィックス(Webby Award Winner)
EVERYONE, 30 ROTATIONS, A NIGHT
ユーザーエクスペリエンスを高める、シームレスで優れたアニメーションとモーショングラフィックスが用いられたものが対象。アニメーションとモーショングラフィックスのみの審査。
広告とメディア
ベストユーズオブビデオ or ムービングイメージ(Pople’s Voice)
ユーザーエクスペリエンスを高め、エンゲージメントを生み出すビデオや動画を組み込んだものが対象。ビデオと動画のみの審査。
広告とメディア
バイラルマーケティング(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
バイラルマーケティングを有効に使った広告が対象。ウェブサイト、モバイルアプリ、ビデオベースの広告でいずれも対象となります。
モバイルサイトとアプリ
ベストユーズオブGPS or ロケーションテクノロジー(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
革新的で、クリエイティブ、有用かつ機能的なGPS、ロケーションテクノロジー、ジオタグを使ったモバイルサイトもしくはアプリが対象。GPS、ロケーションテクノロジー部分のみの審査。
モバイルサイトとアプリ
ベストユーズオブモバイルカメラ(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
革新的で、クリエイティブ、有用かつ機能的な画像もしくはビデオキャプチャを提供するモバイルサイトもしくはアプリが対象。
モバイルサイトとアプリ
接続型製品とウェアラブル(Webby Award Winner・Pople’s Voice)
DOT - The First Braille Smartwatch
現実世界での経験を提供するために、インターネットに接続して使う製品やデバイス。健康器具、ホームオートメーション、交通手段デバイス、もしくは身につけて使用するものも含む。
モバイルサイトとアプリ
文化教育機関(Webby Award Winner)
美術館、公園、動物園、水族館など文化的意義のある教育機関のモバイルサイトもしくはアプリが対象。
ソーシャル
ベストユーズオブビデオ(Webby Award Winner)
Airbnb’s National Parks Backyards
ビデオ(アート、ファッション、スポーツなど)を効果的に使ったソーシャルメディアが対象。
ソーシャル
フードとドリンク(Webby Award Winner)
フードやドリンク全般、シェフ、レストランプロフィール、料理の歴史、レビューがテーマであるソーシャルメディアが対象。
407件の受賞の中から抜き出したので少し長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。(「ポッドキャストとデジタルオーディオ」のカテゴリーは、基本的に英語オーディオなので割愛させて頂きました。)
私が特に興味深いなと思ったのが、VIRRY VRとFrankfurt Zoo – Holoquariumです。VIRRY VRを使って、間近では見られない動物たちの様子をVR環境のもと至近距離で見てみたいです。残念ながらPlayStation VRでのみ利用可能なので、買う予定もない私には観るチャンスはなさそうですが……。
Frankfurt Zoo – Holoquariumは、「hologram(ホログラム)」と「Aquarium(水族館)」を合わせた言葉で、ドイツにあるフランクフルト動物園の水族館コーナーを雑誌広告で訴求するために考案されたのだそうです。ビデオを見ていただけるとわかると思いますが、ホログラムで浮かび上がった熱帯魚がスマホから映し出されてとてもリアルですよね。
また、今月5月16日(火)には、YouTube上で受賞式が放映されます。現在、ウェビー賞のYouTubeチャンネルには、21st Annual Webby Winning Videosとして、今年ウェビー賞を受賞したビデオが一纏めになって見られるようになっていますので、ぜひご覧ください!
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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