無駄ゼロのライフスタイルを実践、オシャレニューヨーカーのインスタグラム
- Vol.109
- Dig it! NYC 藤井さゆり
もうすぐクリスマスですね。ニューヨークのクリスマスのイルミネーションなど、ワクワクするこの季節。アメリカではクリスマスに家族が集まるので、家族全員分のクリスマスプレゼントを買ったり、また、友人、同僚、学校の先生などにもプレゼントをしますので、毎年、クリスマスプレゼントが大量に購入されます。「今年もまたこの季節がやってきたな?」と考えていたある日、あるインスタグラムの投稿が目に止まりました。
Instagram - Trash is for Tossers
This holiday season, instead of buying gifts for people that aren't necessary, ask yourself, do I have any items that I own that I can gift to my friends? My bff @katherinekartis gifted me a pair of her old jeans and a dress that I cherish.
“ギフトを贈るこのシーズン、自分自身に聞いてみて。人が必要としていないギフトを賈う代わりに、自分が持っているもので友人にギフトとして贈れるものがないか。大親友がくれたお気に入りの古いジーンズとドレス。これらを大切にしているのは、ただ気に入っているからだけではなく、もともとは彼女のものだったから。(以下省略)”
この投稿を見て「新しく何かを購入するのではなく、自分が持っている物をプレゼントする」という考え方が新鮮でしたし、感銘を受けました。
これは、Trash is for Tossers(ゴミは愚かな人たちのもの)というZero Waste lifestyle(無駄ゼロのライフスタイル)を試みている、Lauren Singerさんの投稿。彼女が運営するウェブサイトTrash is for Tossersでは、住まいであるニューヨークのブルックリンで、環境のためにゴミを出さない無駄ゼロ生活を紹介、また、ブログやソーシャルメディアを通して、それを実践するための事例を紹介しています。
その他、Lauren Singerさんはpackagefreeshopというウェブショップも運営しており、そこでは、ステンレススチールのタンブラーやガラスのボトル、竹のストローなど、プラスチックを使用していないものもしくは100%リサイクルできるもので作られた環境に優しい製品の販売を行っています。製品を配送する際も同様に、プラスチックを使用せずリサイクルで作られた箱やテープでの梱包を行うなどの徹底ぶりです。
この他にも、オーガニックのビーガン洗濯洗剤を扱うThe Simple Co., という会社も運営しています。
何年か前に、日本のメディアでも彼女を取り上げた「女子大生が2年間で出したゴミの量はガラスのジャー1つ」という記事が出ていたので、ご存知の方もいるかもしれません。私もその時記事を目にしており「すごいな?」と思った記憶があります。
そして昨年、友人から彼女がニューヨーク在住ということを教えてもらい、インスタグラムをオススメされてフォローし始めたのですが、今まで気にしたことはなかったのに、目に留まったのはこの投稿が初めてでした。
以下がその「Four Years of Trash: One Jar. What's in Lauren Singer's Mason Jar?」という、4年間のゴミ:ジャー1つ。Lauren Singerのメイソンジャーには何が入っている?というタイトルのビデオ。4年間で出したガラスのジャー1個に収まるゴミの内容を説明してくれています。こんなクリーンなゴミ、見たことがありません…
Four Years of Trash: One Jar. What's in Lauren Singer's Mason Jar?
Youtube - Trash is for Tossers
私が特に興味深いと思ったのが、Trash is for TossersのYouTubeチャンネル。彼女が実践している「無駄ゼロのライフスタイル」をどうやって実践しているかを紹介していたり、「トイレットペーパーはどうしている?」などのQ&Aに答えているビデオが見られます。いくつかご紹介します。
Zero Waste Shopping: How to Buy Liquids Package Free
Youtube - Trash is for Tossers
お店でコンディショナーをパッケージゼロで購入する方法。コンディショナーを量り売りしているお店にガラスのジャーを持っていき、自分でそこに入れます。レシートはメールで送るようにしてもらうのだそうです。
How to Shop at the Farmers Market Without Producing Waste
Youtube - Trash is for Tossers
地元のファーマーズマーケットでの、無駄ゼロの買い物方法。野菜は持参した大小のバッグに、卵を買う時はパッケージを再利用しています。このビデオで肉類を買う場面がありませんが、肉類は100%パッケージングしてあるためおそらく買わないのですね。
How to Compost Anywhere
Youtube - Trash is for Tossers
ブルックリンにある自宅のアパートで行うコンポスト、堆肥化の方法を紹介。野菜や果物の皮や不要な部分は、まとめて大きなボールに入れ、冷凍庫で凍らせて起き、二週間おきにファーマーズマーケットに持って行って堆肥化してもらうのだそうです。
FAQ: What do you do about toilet paper?
Youtube - Trash is for Tossers
トイレットペーパーはどうしているか?についてのQ&A。トイレットペーパーは、10個などまとめて売られているものや包装にプラスチックを使用しているものは買わず、包装まで再生紙でできており、個別に包まれているものを1つずつ購入するそうです。
Zero Waste ToothbrushesZero Waste Toothbrushes
Youtube - Trash is for Tossers
歯ブラシについてはどうしているか?についてのQ&A。100%コンポストできる全てが竹でできた歯ブラシを使用しているそうです。ダメになった歯ブラシは、眉毛を整えたり、お風呂のタイルの溝洗い、ジューサーの細かい部分などに使用しており、「ダメになっても捨てないで!」と言っています。
FAQ: How do you have a ZERO WASTE period?
Youtube - Trash is for Tossers
生理用品についてはどうしているか?についてのQ&A。タンポンやナプキンはゴミになるため、繰り返し洗って使える月経カップを使用しているそうです。月経カップに抵抗がある人向けには、洗って何度も使用できるオーガニックコットンの布ナプキンをオススメしています。
いかがでしたでしょうか。
Trash is for Tossersが提唱する「無駄ゼロのライフスタイル」は、環境によく、サスティナブルであり、かつ、節約にもなるというもの。Laurenさんはこういう生活をしているからなのか美しいですよね。ビデオで見られる自宅のブルックリンのアパートもシンプルで素敵です。
それに、「ゴミを出さない生活」を実施していても、Laurenさんはオシャレ!ハロウィンの衣裳は、毎年新しくコスチュームを買うことはなく、古着屋さんでうまく見つければ、映画「あの頃ペニー・レインと」に出てくるケイト・ハドソンっぽくもなれます、という方法を紹介していて、これが本当にオシャレなんです。
Instagram - Trash is for Tossers
Trash is for Tossersのコンテンツが基本的に素晴らしいというのもありますが、ブログ、インスタグラム、YouTubeなどソーシャルメディアを上手に活用していますし、ビジネスとしてもかなり機能していることがわかります。
昨今、トランプ大統領が、地球温暖化対策についての国際的ルールである「パリ協定」からアメリカの脱退を表明し、世界中から大ブーイングを受けたわけですが、アメリカでも個々のレベルでは、環境問題についてきちんと理解している人が多いことも事実です。
さて、やってくるクリスマス。全く無駄ゼロのクリスマス、ということはできないけれど、ラッピングだけはゴミの山にならないようなもの、もしくは再生紙などで工夫してみようかな、と考えているところです。みなさんも素敵なクリスマスを、そして、よいお年をお迎えください!
instagram.com/trashisfortossers
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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