進化するアーバンエアモビリティ!BLADEの新サービス「マンハッタンからジョン・F・ケネディ国際空港まで5分」
- Vol.125
- Dig it! NYC 藤井さゆり
ニューヨークの空の玄関口であり、日々多くの人々が行き交うジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港。ニューヨークに来たことのある方はご存知かもしれませんが、JFKからマンハッタンへ出るにも、マンハッタンからJFKへ行くのにも、車やバスだと通常1時間くらいかかり、混んでいる時は2時間以上かかる場合もあります。
それを知った上で「マンハッタンとJFK間を5分で行ける手段がある」と聞いたら驚きますよね?そんな方法が存在するのです。
New work with @flybladenow pic.twitter.com/eONvKU3rhM
— Tyler Babin (@Tyler_Babin) 2019年3月11日
Tyler Babin @Tyler_Babin - Twitter
このビデオからも分かる通り「マンハッタンとJFK間が5分」というのは、マンハッタンとJFK間をヘリコプターで飛行するため移動が5分で可能、ということ。
マンハッタンとJFKまでは距離的に30kmとそんなに遠くなく、同じニューヨーク市内のクイーンズ地区にある空港ですが、アメリカは基本的に車社会ということもあり、JFKまでの公共交通機関が東京圏内のように便利ではないため、車や高速バスを利用する人々も多く、渋滞は日本の比ではありません。
車移動ですと、渋滞に巻き込まれてしまった場合、いつ着くのか時間が読めなかったり、動かない中、車内でじっと堪えるのは苦痛です。しかし、空の移動ですと渋滞に悩まされることはありません。
BLADE @flyblade - Instagram
この“マンハッタンとJFK間をヘリコプターで5分で送迎する”というサービスを提供しているのがBLADE(ブレイド)。このサービスが開始されたのはつい最近(2019年3月末)ですが、BLADEはこれまでに、ニューヨーク郊外にある高級リゾート地ハンプトンや、ニューヨークから気軽に行けるカジノがあるアトランティックシティなど、マンハッタンから車だと2時間以上かかる場所へ、ヘリコプターにより40分ほどで乗客を運ぶという、いわゆるアーバンエアモビリティ事業を展開して成功させているスタートアップ企業です。マイアミやロサンゼルスを始めとした西海岸にも展開しており、今後はインドに進出する動きも出ています。その他、ウェディングなどのイベント、ビジネスやプライベート用にチャーターサービスも行っています。
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マンハッタンとJFK間のヘリコプター送迎は、平日朝7時から夜7時まで行っていて、一回の乗車につき利用料金は$195(約21,000円)。乗降場所はマンハッタンの西側30丁目にあり、待合室としておしゃれなラウンジが設置されています。ラウンジにはバーテンダー付きのバーがあり、お金を払うことなくドリンクやおつまみなどが楽しめます。この利用料金が高いか安いかは個人の判断ですが、実際に、ニューヨークには金額よりも時間を優先する人々がたくさんいて、このサービスには結構ニーズがあると思います。
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ちなみに「マンハッタンとJFK間」というのは、日本の感覚ですと「東京駅周辺と成田空港間」でしょうか。距離にすると全く違いますが、車で1時間というとそんな感覚です。
BLADEの利用方法ですが、アプリをインストールして予約をするか、BLADEのウェブサイトからでも予約は可能です。
JFKに行く場合は、アプリもしくはウェブサイトからBLADEを予約したら、マンハッタンの西側30丁目にある乗降場所へ向かい、ラウンジで搭乗を待ちます。時間になったらヘリコプターに乗り込み、ニューヨークの風景を上空から楽しむこと5分、JFK近くのヘリポートに到着。そこから、BLADE専用の送迎車でJFKまで連れていってもらえます。
JFKからマンハッタンまで行く場合は、あらかじめBLADEを予約し、JFKからBLADE専用の送迎車でJFK近くのヘリポートへ移動、そこからヘリコプターに乗り込み、5分間の飛行後、マンハッタンの西側30丁目の同じラウンジに到着する、という流れです。
サービス内容からしてもそうですが、BLADEのInstagramを見てみると、圧倒的に、ターゲットとしている層が富裕層であることがわかります。以下にご紹介する「マンハッタンからJFKまで5分」のPRビデオは、オシャレなカクテルが出来上がるよりも時間がかかりません、というシャレが効いたものとなっています。
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こちらは、ニューヨーク上空からの眺め。機内には、ラウンジからワイングラス持ち込み可能のようです。
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こちらは、おそらく、夕暮れの上空からのニューヨーク。優雅ですよね…
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木曜から月曜日と祝日に運行されている、マンハッタンからマイアミへのジェット機“BLADEOne“にはフライトアテンダントがいるのですが、美し過ぎます。
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BLADEは、Warner Music GroupのCOOだったロバート・ヴィーゼンタールと、ミュージッククリエイターのためのデジタルプラットフォームを提供するSpliceの共同創設者であるスティーブ・マルトッチによって2014年に創設、本社はニューヨークにあり、これまでに5,000万ドル(約55億ドル)のベンチャーキャピタル資金を調達しています。
「渋滞を免れ、ヘリコプター送迎でマンハッタンとJFK間が5分」という便利さが一番の売りではありますが、それ以上に着目したいのが、Instagramでのイメージ戦略や、フライト前のおしゃれなラウンジで過ごすひと時、上空からニューヨークを一望できるという経験を提供している、という点です。顧客の心を引き付けますよね。
BLADE、ニューヨークにいるなら、一度は利用してみたいものです!
(参考)
Twitter - Fly BLADE @flybladenow
Techcrunch - Flying taxi startup BLADE is helping Silicon Valley CEOs bypass traffic
Profile of 藤井さゆり
東京生まれ、アメリカ在住。日本とアメリカでの職務経験あり。
東京丸の内にある公益法人にて8年間勤務の傍ら、友人が企画したクラブイベントのフライヤーや、CDジャケットのデザインを行う。
公益法人では「地方の街づくり・街おこし」支援事業の一環で、ウェブサイト業務に携わる。 公益法人退職後、2004年より4年間、都内商業施設のサイト更新・管理、販促サイトのキャンペーンページ企画と取材・撮影を含めたライティングワーク、ウェブデザインを経験。
2008年ニューヨークに移住。ニューヨークではウェブマーケティング、サイト管理を企業にて経験、それと共にウェブデザインとライティングワークをフリーランスとして行う。現在は日本の着物をインスパイアしたオリジナルTシャツブランド「Foxy Lilly」を立ち上げ、オーナー兼デザイナーを務める。
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