コラム最終回、10年半の振り返り
突然ですが、本コラムは今回で最終回となりました。2008年の11月に第一回を開始して以来、10年半に渡って書き続けて来られたことをフェローズの皆さん、そして読んでくださっている方々に心より感謝したいと思います。 最終回ということで、僭越ながら、過去に書いたコラム内容を振り返りさせて頂ければと思います。
ニューヨークの5つの地区の中でも、洗練され、大きく様変わりしているブルックリン。そのブルックリンの中でもオシャレなエリアである、DUMBO(ダンボ)で行われたアートフェスティバルについて取り上げました。残念ながらこのアートフェスティバルは2014年に終了。時代の流れを感じます。
2009年5月:第7回 クリエイティブ&楽しい言葉の世界(NYのコピーライター)
ニューヨークで活躍しているコピーライターさんを紹介しました。この時日本ではまだ馴染みのなかったTwitter、Facebook、Linkedinについて書いています。調べてみると、日本国内でTwitterの利用者数が増え始めたのは2010年、爆発的に増えたのは東日本大震災直後の2011年3月、Facebookに至っては2011年に入ってから増え始めたようです。総務省 平成24年情報通信白書より
2010年8月:第22回 日常にユーモアを…「地下鉄でパンツを脱ぐ」
「No Pants Subway Ride(パンツなしでの地下鉄乗車)」を始めとして、公共の場所でいたずらを仕掛けるニューヨークのコメディグループ、Improv Everywhereについて取り上げました。昨年(2018年)の時点ではまだ活動は続いているようです。こういう面白いことが公共の場でできてしまうのがニューヨークの良さです。
2012年5月:第43回 世界で最もクリエイティブな国、日本。アメリカは?
アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本を調査対象に行われた、クリエイティブについてのレポートと、そのレポートの内容についてアメリカ人クリエイター側からの見解を取り上げました。対象国から「日本、東京が最もクリエイティブ」と思われている点は日本人として誇りに思えますよね。今読み返しても、非常に興味深いレポートです。
2015年11月:第85回 Magic Leapが見せるワクワクな将来!
AR・MRデバイス開発会社Magic Leapを取り上げました。この時、私自身もARに馴染みがなかったので、結構調べたことを記憶しています(ちなみに2016年がAR・VR元年だそうです)。Magic Leapですが、昨年、会社として初めての製品であるMagic Leap OneというMRヘッドセットを2,295ドル(約26万円)で発売しています。
2016年4月:第90回 AIがミーティングをスケジュール??その名はAmy♡
AIがミーティングなどスケジューリングをしてくれるAmy(エイミー)というサービスについて取り上げています。2016年もしくは2017年がAI元年と言われているようなので、紹介するタイミングとしてはよかったなと思います。これからは益々AIが爆発しそうですね。ちなみに、この時はベータ版でしたが、現在は月8ドル〜のプランが用意されていて、ビジネスとして機能しているようです。
2017年3月:第101回 こんなにも政治的なメッセージが盛り込まれた年はなかった、今年のスーパーボウルコマーシャル
スーパーボウルのコマーシャル特集は2014年から始めました。歴代のコラムの中で、最もいいね!の数を獲得した回です。これを書いたのは2年前なので、現在では見られないものがありますが、最近のスーパーボウルコマーシャルの中では、2017年がベストだと思います。
2018年6月:今年のウェビー賞より:#MeTooと#NeverAgainムーブメント
ウェビー賞(毎年5月にニューヨークで授賞式が行われ、ウェブ・インターネット業界で最も権威のある賞)は、2015年より毎年取り上げていますが、昨年の、特に#MeTooムーブメントは、アメリカ以外でも社会的に大きな影響を及ぼしましたし、このムーブメントによって救われる方もいたので、インターネット、ソーシャルメディアの恩恵を実感しました。 以上、過去に書いたコラムの中から、時代を感じるものや、思い入れのある回をピックアップしてみました。
この他に、過去に好評だった回を挙げてみます。
(YouTubeセレブリティ)
NYの映像クリエイター、ケイシー・ネイスタットが開発したビデオシェアアプリ「Beme」が斬新過ぎる!(2015年9月)
ビューティー&ファッション界のYouTubeセレブリティ&デジタル・パイオニア「ミッシェル・ファン」(2016年1月)
(政治とクリエイティブ)
アメリカ大統領選、候補者達のキャンペーンロゴ(2015年12月)
マテル社の新キャンペーンとウーマンズマーチ、そしてトランプ大統領のアメリカ(2017年2月)
(音楽・エンタメとクリエイティブ)
メーカー?パフォーマー?ミュージシャン?OK Goの新作ビデオがバイラルに。(2016年12月)
ハービー・ハンコックからジャズを、ダスティン・ホフマンから演技が学べるオンラインコースMasterClass(2017年8月)
お気づきかもしれませんが、2013年、2014年のコラムがここで挙げられていません。2010年代前半は、Vine、Nito、Seem、mindieなど新しく登場した、動画系スマホアプリをよく取り上げていたのですが、いずれも現在も残っているものはなく、結局、ビジネスとしては成り立たなかったようです。ケイシー・ネイスタットの開発した動画アプリBemeもありません。おそらく、その当時の流行りだったのかもしれません。 2010年代中盤〜後半になると、自分の興味のあるものが変わってきたこともあるかもしれませんが、アメリカで生まれた新しいビジネスや、政治、銃社会、LGBTといった社会的な背景とクリエイティブを絡めたネタを書くことが多くなってきたように思います。今後の流れとしては、AIと、VR・AR・MR関連がもっと進化していく感じになるでしょうね。
最後は自己満的になってしまいましたが、今まで読んでくださってありがとうございました。今回で本コラムは最終回ですが、来月からコラム名を変更して、新しいコラムを始めさせて頂きます(はい、連載は続きます〜)。 私がこれまで書いてきた、ウェブ、デザイン、アート、テクノロジーのジャンルでクリエイティブに関連するもの、その中から、自分が気になるもの、好きなもの、今問題となっているものを紹介するという点は変わりませんが、少し今までとは角度を変えてお伝えできたら、と思っています。 来月からもよろしくお願いいたします。
(参考)
Adobe State of Create Study 2016
x.ai – AI Personal Assistant Who Schedules Meeting For You