こんにちは。 フェローズマーケティングセクション・シニアプロデューサー関田有應（せきたゆうおう）です。
第３回目のコラムは「場を観る！空気を読む！タイミングを見計らう力！」です。

PMの役割は、スケジュール通りに撮影を行えるように進行させる事とお話をさせて頂きました。
そのような中でも、特に神経を使う事が有ります。

食事を挟むタイミングです！

撮影がスケジュール通りに進んでいれば、予定の食事・休憩時間で対応すれば良いのですが予定通りには進まないのが撮影現場です。
ではどのタイミングで食事を入れるか！
全体進行が円滑に行くタイミングを見図って食事時間を決めなくてはなりません。
このタイミングの見極めは、難しさの極みです。
ディレクターは次のカットまで撮りたい！
キャストさんはお腹が空いている（メイクさん情報！！）
子役さんが飽き初めている！（これもメイクさん情報！）
などなど、現場は常に変化しています。
如何に情報を集めて判断するか。
全体進行を考え、スタッフさん、キャストさんの状況を把握した上で、タイミングを見計らい食事を挟む。
簡単そうに見えますが、実は高い能力を求められます。
何百という撮影現場で制作を行ってきた私も一番神経を使う所でした。

食事の時間は大切です。
キャストさん、スタッフさんが緊張から解放され、しばしの休息を取る大切なひと時です。
また唯一の楽しみでも有ります。
全体の進行管理、志気を高め、現場のテンションを維持する事がPMに求められるスキルで有り能力です。
規模が大きくなれば100名を超える大所帯です。
香盤を読み、進行スケジュールの管理を行いながら、食事を入れるタイミングを掴む。

「場を観る！空気を読む！タイミングを見計らう力！」です。

スタジオ撮影の場合、サイズが広い絵（引き絵）カットから撮影を行い、サイズが小さい絵（寄り絵）の順で撮影香盤・段取りを組みます。
絵コンテのカットナンバー順に撮影は行いません。
しかし例外も有ります。
それは、子役出演の場合です。
子役は流れで演技をしますので、絵コンテの順番に撮影を行わないと演技がつながらなくなります。
子役の撮影では大人だけの撮影以上に気を使い、神経を尖らせます。

PMは食事の挟むタイミングを制作同士で話し合って決めます。
プロデューサーはクライアント対応をしていますので、制作側で判断します。
撮影後、ディレクターチェックでOKが出た事を確認し、食事・休憩を入れることを オールスタッフに大きな声で伝え、早々に食事の準備を始めます。
全員にお弁当や飲み物を配り終え、最終確認を取り、始めてPMは食事を取ります。
それも、

「誰よりも後に食べ始め、誰よりも早く食べ終わる」

なぜなら、PMは現場の制作進行で有り、次の仕込みを行うためです。
これが鉄則です。
自信が無いPMは、お弁当を食べません。
誰よりも後に食べ始め、誰よりも早く食べ終わる。
キャストさんスタッフさんの容器の回収や後片づけを行い現状復帰。
そして次の撮影の仕込みに入ります。

余談ですが、私は未だに食べる、飲むスピードが速く家族と食事の時に妻から 「もっとゆっくり食べて」と今でも言われます。
生活習慣ならぬ職業習慣 未だ抜けずでしょうか。

何が起きるか解らないのが撮影現場です。
何度も言いますが、ＰＭは撮影現場のペースメーカーです。
限られた撮影時間の中で、キャストさん、スタッフさんに気持ちよく仕事をして頂くための 努力を惜しまない。
「場を観る！空気を読む！タイミングを見計らう力！」です。
その力を発揮して初めて1人前のPMです。
モノつくりへの熱い想いと拘り。
最近、食べるスピードが速くなってきた若手ＰＭくん。
沢山の経験から学び、素敵なプロデューサーになって下さい。
「がんぱれ」
先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。

前回の「先を読む力」のお話をさせて頂きましたところ、関係各位様から色々な感想を頂戴いたしました。

・PMって生半可じゃない！（２０代男性）
・本物のプロデューサーには簡単にはなれない！（30代女性）
・現場の凄さを思い知った（40代男性）
・映像の現場はそれが当たり前（50代男性）

色々なご意見を頂戴し、またここまで読んで頂き有難うございました。
それでは次回。