アニメーターはキャラクターを描き動きを付けて命を吹き込む!

Vol.7
株式会社フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー シニアプロデューサー
映像業界40年 おやじプロデューサーのひとり言
関田 有應

こんにちは。
フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー
シニアプロデューサー 関田有應(せきたゆうおう)です。

まず先にお知らせです!
株式会社フェローズは今年のアニメジャパン2020・メインエリアに初出展いたします。
パブリックディの3月21日(土)22日(日)の2日間です。
2日間私も会場におりますので是非ともブースにお立ち寄り下さい。
Anime Japan2020

7回目のコラムは「アニメーターはキャラクターを描き動きを付けて命を吹き込む!」です。

前回、通常テレビシリーズのアニメは平均で300カット・3500枚の作画で構成されているとおはなしをさせて頂きました。
その中でアニメーターは、キャラクターの動きを1枚づつ絵に描く作業、作画が仕事です。

テレビ番組・ドラマ・CMなどの実写表現の世界では、役者に演じてもらいますが、アニメ表現では、アニメーターがキャラクターを1枚づつ絵で描き動きを付けて演技をさせます。
役者に演技をゆだねる訳では無く、アニメーターが全ての演技を絵で描いて自分の思い通りの演技を表現します。
これが実写表現とアニメ表現の違いです。
今回は、アニメ業界におけるアニメーターの役割を紹介しながら、アニメでしか表現出来ない映像技法、キャラクターの絵を描いて動かし、演技をさせる楽しさをご紹介させて頂きながら、新人のアニメーターの皆様が最初に行う動画マンのおはなしを中心にさせて頂きます。

アニメーターの業務は、大きく分けると「原画マン」「動画マン」に分ける事が出来ます。

原画マンは動きのポイントになる絵、たとえば「キャラクターが顔を横に振る」この動きを1カットで表現する場合「動きの初めと終わり」の絵を描くのが原画マンです。

動画マンは、原画マンの描いた原画と原画の間の動きを付ける絵を描くのが仕事です。
動画マンは原画マンが決めた枚数(中わり)指示に従って動きが繋がるように絵を描いていきます。
原画マンの描いた絵をトレスしながら行う作業です。

そんなアニメーターに求められるスキルは、「画力」と「スピード」です。
「画力」は言うまでもなく絵を描く力で有り、キャラクターの動きや表情を動かしながら表現するための絵を描く能力です。
初心者のアニメーターは、原画を元に、中わりの絵を描き、何千枚という絵を描いて腕を磨いていきます。

ちなみに、アニメーターはキャラクターの色は塗りません。
アニメは分業制ですので仕上げというパートで別のスタッフが行います。

「スピード」もアニメーターに求められる大きな能力です。
例えば、同じキャラクターの絵を描くのにA さんは60分、Bさんは120分かかった 場合、作業効率はAさんはBさんの2倍のスピードで絵を描く事が出来る。画力は同じくらい。
その場合、Aさんの方がスキルが高いアニメーターと評価されます。
このスピードの差は、本人の努力、たくさんの絵を描く事で克服出来ます。
多くの枚数の絵を描く事で、アニメーターは自分のスキルを上げる事が出来ます。
アニメーターを目指す新人の方の描かれた絵を見ると、どの位の枚数の絵を描いているかだいたいわかります。

アニメーターになる。
その想いに、拘りをもって挑む新人アニメーターの皆さんの精神力の高さが、キャラクターがまるで生きているような、生き生きとした動きの有る絵を描き上げます。
キャラクターをアニメーターが絵で描き、自分の思い通りの演技をさせる。
実写のように、役者にゆだねることなくキャラクターを自分の思いのままに演技をさせる事が出来ます。

「アニメーターはキャラクターを描き動きを付けて命を吹き込む!」

アニメーターの仕事の醍醐味・喜びでありアニメーターの熱い思いです。

日本のアニメ監督は、元はアニメーターだった方が大変多くいらっしゃいます。
皆さんが良くご存じの劇場版アニメ作品の多くは、アニメーター出身の監督です。

基本的に初心者のアニメーターは、動画マンから原画マンを目指しますが、それ以外に動画チェックから動画チーフ、もしくは作画監督、キャラクターデザイナー、メカデザイナー、作画監督、監督、プロデューサーというキャリアプランがあります。

AJA(一般社団法人 日本動画協会) 人材育成委員会制作の、「アニメ業界キャリアパスマップ・アニメ創りの世界」を「おやじ一押し」で、ご紹介させて頂きますので参考にして頂ければ幸いです。

若手PM君。
アニメーターは、紙と鉛筆でキャラクターの絵を何枚も描いて動かす事という映像表現でオリジナルの世界を創り出しています。
地道な作業ですが、日本が映像表現で唯一全世界と戦える映像コンテンツであるアニメを支えているのもアニメーターです。
自分たちでキャラクターを描き起こし、演技をさせる!
それがアニメーターの誇りであり、やりがいであり、喜びです。

被写体の無い世界で無から有を生み出す。 これがアニメ制作の醍醐味です。

アニメという映像表現にもっと興味を持つと、違う世界が見えてきます。
たくさんの事に興味を持ち、志を高く持ち素敵なプロデューサーになって下さい。
「がんぱれ」
先輩シニアプロデューサーとして心より願う事です。

「おやじ一押し!アニメ業界キャリアパスマップ「アニメ創りの世界」

■ AJA(一般社団法人 日本動画協会) 人材育成委員会
・アニメ業界キャリアパスマップ「アニメ創りの世界」

*ちなみに私は出資会社・製作委員会構成企業でエブゼクティブプロデューサー・製作プロデューサーの業務を行っていました。

『使える小ワザ』

いつでもノートと鉛筆を持ち歩き、暇さえあれば絵を描きましょう。
落書きでもスケッチでも思いつく事をたくさん描いて下さい。
描けば描くほど上手くなります。
これです!

日本動画協会が推奨レイアウト用紙をDL出来るサービスを行っています。
是非利用して下さい。

□ AJA推奨レイアウト用紙規格
https://aja.gr.jp/jigyou/chousa/aja_layout

ここまで読んで頂き有難うございました。
それではまた次回。
*株式会社フェローズは日本動画協会の会員です。

プロフィール
株式会社フェローズ マーケティング セクション 兼 アニメセクション アドバイザー シニアプロデューサー
関田 有應
(せきた ゆうおう)大学を卒業後、テレビ局直系制作会社に入社。 企画、番組制作、イベント映像、PV、VP制作を行い、その後CM制作を中心に実写業界でのキャリアを積み、大手出版社グループでデジタルコンテンツ系の映像・音楽制作。 子供向けアニメ作品を中心とした、テレビシリーズ・OVA・劇場版・音楽制作・マーチャンダイジングと、キャラクタービジネスの世界で製作プロデューサーを行う。代表作は、平成の名物キャラと言われる主人公がハムスターのアニメ作品 株式会社フェローズにて アニメセクションの立ち上げを行い、現在はマーケティングセクションにて全国の映像系学校でのセミナー講師やキャリアアドバイザーを行っている。 息子も大手広告代理店直系の制作プロダククションのPM「親子鷹」である。※無類の音楽好きで、40年ぶりに大学時代のバンドを復活。活動中。

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