母親譲りの機械音痴と父親譲りの手先の不器用さで子どもの頃から残念なことばかりの僕でした。昨今もスマホやパソコンの進化には２周遅れくらいでしか付いて行けていませんが、なぜか政府推奨のキャッシュレスに関してだけは得意で、そんじょの評論家やガイドブックよりは詳しいです。

そもそも昔から財布を持ち歩いていません。最小限（コイン数枚だけ）の小銭入れはありますが、とにかくポケットがかさばるのが嫌いなのと根がそそっかしいので持てば落とすに決まっているから持ちません。もう３０年以上財布は所持していないのです。代わりに鞄の中には大きめのカード入れが二つ。一つ目はクレジットカード専用で交通系、コンビニ系、ネット通販系、銀行系の各々に別の国際ブランド（アメックス、ＶＩＳＡ、マスター、ＪＣＢ）を分けて使っています。もう一つの方は趣味のカード達。主に映画館や寄席や書店やなじみの帽子屋さんのポイントカードで今数えたらなんと４０枚もありました。
お恥ずかしい。

しかしそのカード達、特にクレジットカードはこの一年でずいぶん使う回数が減りました。理由は簡単、いわゆるペイ払いでのスマホ決済が増えたからです。この「なんちゃらペイ」も群雄割拠というか多過ぎてわかりにくいですよね。僕は主にペイペイとファミペイとｄ払いを使っています。各社自分のいいところだけは強烈にアピールしていますが使う側の実感としては大差ないです。個人的にはペイペイが気に入っています。支払ったときに鳴るあのペイペイ♪というジングルが大好きなのです。なぜと言われても困ります。
だって好きなんだもん、だからです。妙に耳につくあの音。電子マネーのエディのシャリーン♪やイオングループのワオーン♪も気になりますがペイペイ♪のかわいさには叶いません。キャッシュレス側の気持ちになると、味気ないｄ払いの電子音よりもペイペイ♪に生まれたかったに違いないと勝手に想像してしまいます。

そういえばこのお正月。港区の愛宕神社が電子マネーでお賽銭ができるキャッシュレス初詣のニュース（もう何年も前から導入しているそうです）をやっていました。僕の好きな落語家のひとり、立川こしら師匠の落語会の木戸銭もキャッシュレスが使えます。そうそう、ビックカメラのおもちゃ売り場で子供時代に憧れたあのタカラトミーの人生ゲームを見てポカンとなりました（※写真①）。令和版人生ゲームにはお札がないのです！なんとお金じゃなくてフォロワーを集めるゲームに変貌しています。ゲームのキャッチフレーズは「人生の価値はお金だけではない。」だそうです。

写真①

そんな中、僕が日々こよなく利用している家族経営のコンビニ（※写真②、当コラムの第１話で紹介）でペイペイでの支払いができるようになったのです。小躍りしました。正直最近はこのお店のためだけに現金を持ち歩いていると言っても過言ではありません。使える初日。グレーの買い物かごにペットボトルの水やらお茶やらスポーツドリンク、そして好物のどっさりみかんゼリーとチョコレートとチーカマ、さらに必要以上のカップ麵を大量に入れてレジの列に並びました。あっ！確かに新しいレジスターになっています。方式はこちら（客側）がお店のＱＲコードをスキャンして金額を打ち込むタイプです。店員さんが商品のバーコードをピッピッとやっている最中ついニヤニヤしていたのでしょう。「何かいいことありましたか？」と聞かれたほどです。いよいよ支払い！合計２,０２５円をスマホに打ち込もうとしたそのときにスマホの電源が落ちて画面が真っ黒になりました。こんなときに充電が切れてしまったのです。いや～困りました。もちろん（笑）現金は持っていません。確かにあった所持金が目の前で一瞬で消えてしまったのです。お店の人と後ろのお客さんに事情を話してすぐに家に戻ったのですが財布を忘れた場合と違って即座にはお店に引き返せません。充電時間が必要です。仕方がないので結局その日は現金で支払いました。きっと近い将来には充電を気にしなくていいスマホができることでしょうが、まだしばらくは現金も必要なようです。

写真②

ところで、財布は持たないので現金（お札）は裸でポケットに突っ込んでいて酔うたびによく落とす（そういや昨日はパスモも落とした涙）という話はまたの機会に。