今年のウェビー賞が選んだ、COVID-19ヒーローたち
毎年この時期になると、以前のコラムで取り上げていたウェビー賞。昨年はさして興味がわかなかったので取り上げませんでしたが、今年のウェビー賞はちょっと違います。新型コロナウィルスのおかげ?により、インターネットの価値を再確認させてくれるような授賞内容となりました。
今年は授賞式はなく、2020年5月19日にWFH(Webbys From Home)として、司会進行、プレゼンターと受賞者のスピーチが自宅から行われたもようを公開。Webby Special Achievementという「特別賞」を授賞した受賞者が発表され、受賞者はそれぞれ自宅からのスピーチを行っています。
かなりの部門数があるウェビー賞の中でも、私が一番注目しているのがこのWebby Special Achievement。これは、その年にインターネット業界で偉業を成し遂げた人や組織へウェビー賞が特別に贈るものなのですが、今年は20名が受賞。この中のほとんどの受賞者が、COVID-19との関連性があり、この「コロナ時代」におけるインターネット上での功績を讃えての授賞となっていることに、賞賛せずにはいられません。
ということで今回は、Webby Special Achievementの受賞者の中でも、私が最も注目した受賞者をご紹介したいと思います。
Avi Schiffmann(アヴィ・シッフマン)
For creating https://t.co/R12C9ZhVrG to track spread of COVID-19 across the world, we’re thrilled to honor @AviSchiffmann as Webby Person of the Year https://t.co/B2UWlKmZ5Z
Experience The #Webbys Celebration & Avi’s 5-Word Speech today @ 12 pmPT| 3pmET @ https://t.co/dZiWzH4UXY pic.twitter.com/V3q5OBwszg
— The Webby Awards (@TheWebbyAwards) May 19, 2020
Twitter – The Webby Awards @TheWebbyAwards
PERSON OF THE YEARとして選ばれた、アヴィ・シッフマン。若干17歳にして、世界のCOVID-19に関するデータを追跡するウェブサイトを構築することを2019年12月より開始、なんとこれまでのウェブサイトへの訪者数は7億人。スマホでも見やすく、誰もがアクセスしやすいウェブサイトを目指したそうです。
ウェビー賞受賞者は恒例の5ワードスピーチをするのですが、彼のスピーチは“You can learn anythin online.”(何でもオンラインで習える)。世代と時代を象徴するスピーチですよね。
以下のビデオでは、彼が行ってきたことと、ウェブサイトについてのインタビューが見られます。
Avi Schiffmann | iD Tech Camper Highlight(英語のみ)
YouTube – iD Tech
アヴィ・シッフマンの構築した、COVID-19データ追跡ウェブサイト:Coronavirus Dashboard
The Swab Squad(スワブ・スクアッド)
The Special Achievement Award for The Internet Responds to COVID-19 is presented to Swab Squad @tjuh_pool
To see, go to https://t.co/JRvIAMsDle!#webbys pic.twitter.com/jB6SXUOFAg
— The Webby Awards (@TheWebbyAwards) May 19, 2020
Twitter – The Webby Awards @TheWebbyAwards
Instagram – TJUH Pool @tjuh_pool
フィラデルフィアにあるトーマスジェファーソン大学病院で、COVID-19のテストセンターで勤務する医師や看護師たちによって結成されたグループ「スワブ・スクアッド」が、一日を始める前に自分たちに力を与えるためのダンス「Level Up」をInstagramに公開。そのビデオが瞬く間にバイラルとなりました。この危機的状況の中、ダンスを通して、ウィルスと最前線で戦いながらも彼らの前向きな姿勢が今回の受賞となったそうです。
Some Good News w/ John Krasinski
(サムグッドニュース ウィズ ジョン・クラシンスキー)
A 2020 Special Achievement Award goes to Some Good News hosted by @johnkrasinski highlighting positive news stories from around the world.?https://t.co/em3PnU4cmW
Experience The #Webbys Internet Celebration today @ 12 pm PT | 3pm ET at https://t.co/dZiWzH4UXY pic.twitter.com/RqHRY1iH95
— The Webby Awards (@TheWebbyAwards) May 19, 2020
Twitter – The Webby Awards @TheWebbyAwards
「クワイエット・プレイス」や「ザ・オフィス」などで知られる映画俳優、監督のジョン・クラシンスキーが立ち上げたYouTubeチャンネル「SGN:Some Good News」が受賞。日々COVID-19が深刻化する中で、人を元気にしてくれる、明るい気持ちにさせてくれるたくさんのニュースを届けてくれました。
今年はプロム(卒業前に学校で開催されるダンスパーティー)に行けない高校生のために、ビリー・アイリッシュやジョナス・ブラザーズをサプライズでゲストに呼んでZoomでプロムを開催したり、ブラッド・ピットが自宅から天気予報をお伝えしたりと、視聴者を暖かい気持ちにさせてくれます。
ブラッド・ピットの天気予報は6:55あたりから、ビリー・アイリッシュの出演は14:31あたりから始まります。
SGN Prom with Billie Eilish, Jonas Brothers, & Chance the Rapper (Ep. 4)
YouTube – SomeGoodNews
D-Nice(ディーナイス)
View this post on Instagram???????????? I was definitely choked up. Check out my #5WordSpeech. #Webbys @thewebbyawards
Instagram – D-Nice @dnice
Webby Special Achievementに、毎年「Webby Artist of the Year」というアーティストに贈られる賞があります。今年はDJ、ラッパー、プロデューサーと多岐に渡る活動を行っているD-Niceが受賞。D-Niceは、COVID-19の危機的状況の中、自宅からのInstagramライブ#ClubQuarantineを行い、ホームスクールを創設。ClubQuarantineにはこれまで15万人以上の視聴者が参加しています。デジタルプラットフォームを使用して、自宅で自由になれる人々のコミュニティを創り出したという功績を讃え、今回の受賞となりました。
ウェビー賞のプレゼンターは、ミシェル・オバマ元大統領夫人。D-Niceは2020年4月に、ミシェル・オバマ元大統領夫人が行っている大統領選挙への投票キャンペーン「When We Vote」とチームを組んだバーチャルDJライブパーティーを開催しています。
ちなみにD-NiceのInstagramでは、子供たちがやっているDJを紹介していたりします。
Instagram – D-Nice @dnice
Dr. Tatiana Prowell, MD(ドクター タチアナ・プロウェル医学博士)
The Special Achievement Award for The Internet Responds to COVID-19 is presented to Tatiana Prowell MD @tmprowell!
To see more, go to https://t.co/JRvIAMsDle!#webbys pic.twitter.com/FxPYXOLDU8
— The Webby Awards (@TheWebbyAwards) May 19, 2020
Twitter – The Webby Awards @TheWebbyAwards
タチアナ・プロウェル医師はTwitterで血漿成分献血ドナーを探し、COVID-19患者の家族とドナーとを結びつける、大きなオンラインドライブを推進。血漿ドナーと結びつけることで、COVID-19患者の命を救ってきました。
この他にも受賞された方はたくさんいます。それぞれの方々がこの危機的状況の中、インターネットの価値を最大限に活用し、人と人を結びつけて助け合えるような機会を創り出してくれています。
それにしても、歴史は浅いのに、もう、あることが当たり前になってきていて、水や空気のように利用していますが、インターネットは今やなくてはならないものですし、パワフルなものだな、と改めて実感させられた今回のウェビー賞でした。来年の状況はどうなっているのでしょうか。様々なことがポジティブな方向に向かっていることを期待したいですね。
(参考)