「ハウルの動く城」に出てくるあのメニューを再現!登録者数767万を誇るニューヨーク発YouTubeフードチャンネル
おうち時間が長くなると、ついつい見てしまうのがYouTube。私は食べることが大好きなので、レシピ動画などのフード系チャンネルはよく見ています。
その中でも、今回は、私がよく見るYouTubeチャンネル、Binging with Babish(ビンジング・ウィズ・バビッシュ)をご紹介したいと思います。Binging with Babishは、ニューヨーク・ブルックリン在住のアンドリュー・レイさんによるチャンネルで、映画やテレビ番組に出てくる料理を再現することをメインコンテンツとしています。
2020年8月現在で、チャンネル登録者は767万人、トップフードユーチューバーとしては上位にランクインするチャンネルです。
Binging with Babish: Channel Trailer
Binging with Babish – YouTube
早速ですが、みなさんが興味を持ってくれそうな動画をいくつかご紹介したいと思います。(レイさんによる英語のナレーションがわからなくても、映像のみで楽しめると思いますが、ナレーションの内容を日本語で知りたい方は、YouTubeの設定アイコンをクリックして、自動翻訳で日本語字幕をオンにして視聴してみてください)
Binging with Babish: Breakfast from Howl’s Moving Castle
Binging with Babish – YouTube
ジブリアニメ「ハウルの動く城」からの厚切りベーコン&エッグ。日本でも、同じものを作っているユーチューブ動画が多数ありますが、Binging with Babishではベーコンをスクラッチから作ります。工程が圧巻。
Binging with Babish: Tampopo Ramen
Binging with Babish – YouTube
伊丹十三監督の映画「タンポポ」に登場するラーメンを再現。鶏肉を煮込んでスープを作るところから始まり、煮干しや鰹節で出汁を取って、きちんと粉から麺を作るほどのこだわりようです。
Binging with Babish: Ratatouille (Confit Byaldi) from Ratatouille
Binging with Babish – YouTube
ピクサーによるアニメ映画「レミーのおいしいレストラン」に出てくるラタトゥイユを再現。映像そのままの完成度に思わず唸ってしまいます。Binging with Babishの中でも人気動画のようで、2000万回再生されています。
Binging with Babish: Brock’s Onigiri from Pokémon
Binging with Babish – YouTube
ポケモンから、メインキャラクターの一人である、タケシが作ったおにぎりを再現。英語版ポケモンでは、サトシはAsh、タケシはBrockという名前であるため、タイトルが“Brock’s Onigiri‘’となっています。
最初、レイさんはおにぎりをドーナツだと思い、これより先に、タケシが作ったドーナツを再現した動画(Binging with Babish: Brock’s Donuts from Pokémon)を作って公開していたようですが、あとで、実はドーナツではなく、おにぎりだったという間違いに気づき、本物のおにぎりを作って、改めてこの動画を公開したようです。英語版のポケモンでは、おにぎりをドーナツと訳されていたため、おにぎりではなく「おにぎり形のドーナツ」を作ってしまったというわけですね。
Binging with Babish: Grey Stuff from Beauty and the Beast
Binging with Babish – YouTube
ディズニーアニメ「美女と野獣」に出てくるメニュー「Grey Stuff(グレーのもの)」を再現。Grey Stuffが出てくるアニメのワンシーンを見ながら、「おそらくこれはフォアグラだろう」とか「この謎のサンドイッチの中身は、イチヂクのジャムとゴートチーズだろう」と材料を予想しているのですが、これは日頃の料理経験と知識がないとできないところ。そして、やはり再現したもののクオリティの高さに驚きます。
また、別コンテンツ「Basic with Babish」として、映画やテレビ番組とは関係なく、基本の料理を作る動画も数多く公開されています。
Pasta | Basics with Babish
Binging with Babish – YouTube
Burgers | Basics with Babish
Binging with Babish – YouTube
Salad | Basics with Babish
Binging with Babish – YouTube
Pies | Basics with Babish
Binging with Babish – YouTube
レイさんは、2016年にBinging with Babishをスタート。動画では数々の素晴らしい料理の腕前を披露していますが、料理は100%独学とのこと。YouTubeチャンネル開設してから3年以内で2冊の料理本を出版しています。
Binging With Babish@bingingwithbabish – Instagram
YouTubeにフードチャンネルは星の数ほどありますが、なぜレイさんのチャンネルがここまで人気を誇っているかというと、
- 料理のクオリティが高いのはもちろんのこと、料理方法や素材へのこだわりが見え、料理工程や出来上がった料理の見せ方も素晴らしく、美味しさが映像で伝わってくるという点。
- 動画内では、基本的に、料理中に顔出しはしておらず(冒頭で顔出ししているものもある)、あくまでも「料理工程と料理そのものを見せる」ことにフォーカスして作られている点。
- 再現レシピの分析など付随した演出があり、単なる再現レシピ動画に留まらず、エンターテイメントとなっている点。
- 全ての動画のナレーションをレイさん自身が行っていること、また、時たま交えられるユーモアにより、レイさんのパーソナリティが垣間見ることができ、視聴者は親しみが湧くという点。
- 音楽のチョイスだったり、編集や撮影チームのセンスや技術も高いのもあるとは思いますが、料理だけではなく全ての要素によりBinging with Babishの世界観やストーリーが表現されている点。
こういった点が、フードチャンネルによくあるレシピ動画との違いだったり、キャラクターの濃いアメリカの料理専門家が出てくる料理番組との違いであり、Binging with Babishが人気である理由でしょう。
ちなみに、動画内で料理中に顔出ししていない理由についてですが、レイさんは以下のように説明しています。
「Binging with Babishを制作する意図としては、何よりもまず食べ物に重きを置くことでした。それは、実際に動画をクリックして確認した内容(方法、レシピ、お皿に盛られた湯気が立っている素晴らしいショット)よりも、パーソナリティやVログ、おふざけが優先されたYouTubeのクッキングチャンネルにうんざりしていたから。美味しそうなビデオと伝統的な料理番組の中間にある何か、個性とエンターテイメントを背景に、情報が豊富で食べ物中心の何かを作りたかったのです。」
まさに、希望通りのチャンネルを運営されていますし、視聴者もその意図を理解して視聴していると思います。
レイさんがユーチューバーになる前の履歴を調べてみたところ、大学で映像を学んだ後、ニューヨークのテクノロジー会社でビジュアルエフェクトアーティストとして勤務していたようです。動画制作のセンスは前職で磨かれた部分もあるかもしれませんね。
動画は毎週一本投稿されるので、今後もどんなレシピが公開されるのか私の日常の楽しみとなっています。他にも「餅アイスクリーム」や「お好み焼き」など日本のものも作っているので、ぜひチェックしてみてください!
(参考)
Binging with Babish YouTube チャンネル