港町で見つけた幾何学模様?! @Stephen Lawrence Gallery
カティーサークの見えるグリニッジの町。目の前に見える優美な船はかつての紅茶輸送のための快速船、ティークリッパーとして知られるカティーサーク! ここはかつて国際的な基準時を刻んでいたグリニッジ子午線が通っている天文台のある港町グリニッジ。ユネスコの世界遺産にも登録されているロンドン南東部のこの町は平日でも観光客で賑わっています。今回はそのテムズ川南岸にたつグリニッジ大学にあるギャラリー、Stephen Lawrence Galleryからお伝えします。
グリニッジの駅を出てマーケットの立つ繁華街へ歩いて行くと、一見コンクリートで作られたかのように見える煉瓦造りのモダンな建物が出てきます。
その一階にあるガラス張りのギャラリーに早速入ってみます。
まず目に入るのはジオメトリックな立体作品で、紅白の折り紙のようですが、樹脂を型抜きしペイントしたもの。作品はZarah HusseinのHexagon Series, I 2018。
滝が落ちる音を視覚化して描いたらこんな感じになるかも?作品はPatrick Morrissey & Hanz Hancock のTQID series, 2019。二人はこのグループ展のキュレーターです。
こちらの半分立体で半分絵画の作品はLaurence Noga の Deep Red Filtered Pink, 2019。 なんだかDJのターンテーブルを彷彿させる作品です。
ジョアン・ミロの抽象画を無機的にしたらこんな感じになるのかも?作品はTim Ellis の Tomorrows Harvest, 2019。
同じくこちらもTim Ellis の作品で Goodbye Blues, 2019。両手にすっぽり収まるサイズの立体には男性の肖像が描かれており、誰かの思い出を乗せたロケットか何かのようです。
思わず積み替えたくなる等身大の積み木のような作品はStephen Jaques のProteus Series。実際のところ、作品は三つのパーツに分かれていて展示のたびにその配置を変えることができるようなっています。
幾何学模様のピラミッドというと、今年亡くなった建築家イオ・ミン・ペイのルーブル美術館のガラスピラミッドがまず思い起こされますが、こちらのアクリル画はBenet Spencer の Untitled City, 2011。
分厚い本のような形をした真っ白の立体のその背表紙側を覗いてみると!青白い電光が天の川のように無数に広がっています。作品はHans Kotter のLight Code 02 White, 2015。
ノイズ音を描いたような版画の額の右には小さなボタンがあり、左下にかけられたヘッドホンをしてそのボタンを押してみます。そこで聞こえてくるのはまさに今目の前に見えるノイズ音そのもの!あえて映像ではなく視覚と聴覚で味わう作品は、Ian Thompson のBilkova 5, generation 2 and 6, 2019。
この展示のテーマはPossible Architecture。平面、立体作品共に幾何学的な作品が集められていたせいか、視覚だけでなく音や振動を感じさせる作品も多かったのが印象的でした。駅から歩いて5分ほどの大学のキャンパス内にあるこのギャラリー、グリニッジを訪れた際は人いきれから外れ、静かなひと時を過ごすためにも是非訪れてみてはいかがでしょうか。