3Dプリンターなどの新しいテクノロジーの登場により、自分で作りたいものを作れる、誰もがMakerになれる時代となりました。それだけに飽き足らずMakerたちは「何かを作りたい人のためのツールを作る」など、活動に広がりを見せ、その文化は「メイカーカルチャー」と呼ばれています。今の時代、作ったものをネット上で簡単にシェアできることもあり「メイカーカルチャー」は日本はもちろん世界的にも盛り上がっている傾向にあると思いますが、今回はNYC発のメイカーカルチャー的なモノということで「littleBits（リトルビッツ）」をご紹介したいと思います。

littleBitsは、楽しく電子回路を学びながらオリジナルの本格的な電子工作ができるモジュール。各モジュールはボタン、ライト、ブザー、モーターなどそれぞれ役割を持っており、それらを電子回路の中でつなげます。各モジュール同士はマグネットでくっつく仕組みになっているので自由度が高く、直感的に電子工作ができ、子供から大人まで楽しむことができるクリエイティブツール。モジュールのデザインがカラフルなのも、とっつきやすい感じですね。

ではこのlittleBitsを使って何ができるのか？なのですが、オリジナルのおもちゃ、ユニークな楽器、生活に役立つガジェットなど、アイディア次第で色々なものを作ることができます。ウェブサイト上でシェアされている動画では、littleBitsを使って作られた様々な発明品が公開されています。 littleBitsを使って作られたプロジェクト一覧はこちら

http://youtu.be/61TOjOepI88 http://youtu.be/SauHxFQ0qEc http://youtu.be/Kb7S06BQwjU

公開されている全ての作品には、使ったモジュールとインストラクションが掲載されているのですが、これはlittleBitsがオープンソースであるため。真似して作ってみたい！と思ったら、掲載してあるインストラクション通りにやれば自由に作れるのです。

littleBitsは、2013年のIDSA（Industrial Design Exellence Awords）において金賞を獲得する以外にも多くの賞を受賞しており、ウォールストリートジャーナルやForbesといった主要メディアでも取り上げられていて注目度がうかがえます。

モジュールはセットになったキット（ベーシック、プレミアム、デラックスの3種類）での購入もしくは、モジュール単体でも販売されています。

また、NASAとコラボレートしたスペースキットや、音楽機器メーカーKORGとコラボレートしたシンセキットなど、ユニークなキットも販売されています。

  http://youtu.be/WrywrtSnSog http://youtu.be/vDxz8bpqOMU

littleBitsの創始者でありCEOのアヤ・ブデール氏はTEDの講演で「電子機器の基本構成要素が専門家だけのものになっているという点が納得できなかったので、それを変えてやろう」（※「」部分は日本語訳からの抜粋）と思ったところからlittleBitsが生まれたと言っています。電子回路についての基本原理は学校で習ったかもしれませんが、確かに、私たちの身の回りにある電子機器がどうやって動いているのか、一般の人で詳しく説明できる人はなかなかいないかもしれませんね。

littleBitsはそういった電子機器の仕組みや原理を学び、それを使ってどういったものが作れるのかを考え、実際に手を動かして何かを作り、作ることの喜びを知り、シェアすることの楽しさを覚える、テクノロジーとクリエイティブの世界を両方体験できるもの。一部の専門家のものだった電子回路の世界がlittleBitsを通して、一般の人々にも広く浸透していっているがわかります。

新しいテクノロジーやウェブサービスの進化によって、これからもMakerが増えていくでしょうし、今後、そのMakerたちによって作られる、littleBitsのようなクリエイティブで知的好奇心を満たしてくれるプロダクトが出てくることを心待ちにしています！

■littleBits　http://littlebits.cc/ ■リトルビッツ日本語サイト　http://jp.littlebits.com/