ウェディング会場という非日常空間で観るショートフィルム「T&G Films」
- Vol.162
- 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 新規事業開発部 宮﨑 いづみ 氏
一軒家貸し切りのハウスウエディング会場で ドリンク片手にショートフィルムを堪能。
「T&G Films」とは、どのようなイベントですか?
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)は、主にウエディングのプロデュースを行う婚礼会社です。一軒家貸し切りのハウスウエディングをメインにプロデュースしていますが、ウエディングは主に休日に行われるので、平日はあまり稼働していないんですね。この稼働してない時間を有効活用して、ドリンク片手にゆったりとショートフィルムを見ていただけるイベントが「T&G Films」です。毎月、テーマに合わせて3〜4本のショートフィルムを全国のハウスウエディング会場で上映しています。
「T&G Films」を始めたキッカケは?
T&Gでは年間約2万組ものカップルに婚礼を挙げていただいているのですが、結婚式が終わると接点がなくなってしまいます。弊社で婚礼を挙げていただいた方々のその後の人生にも寄り添っていきたい、接点を増やしていきたい、との課題がありました。
また、ハウスウエディング会場は一軒家ですが、平日はあまり使われていないので、地域の人にとってはよくわからない未知の存在でした。もっとオープンな場所として地域の人に認知してもらいたい、地域に貢献していきたい、との思いもありました。
一方で、国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF&ASIA)は、ショートフィルムを上映する場を探していました。スマートフォンやタブレットでも気軽に映画を見られる時代ですが、日々の雑音とは遮断された空間で、大きなスクリーンと高品質な音響で見ると、映画の世界観にのめり込むことができて、映画が持つ魅力をじっくり味わうことができます。そんな場を探していたSSFF&ASIAと、弊社の思いが一致して、非日常的な空間であるハウスウエディング会場でショートフィルムを上映するイベントを実施することになりました。
気軽に異国の文化、空気感に触れられることがショートフィルムの魅力
ショートフィルムならではの魅力は?
いろいろな国の文化に気軽に触れることができます。映画館で上映される外国の長編映画は、アメリカ制作のものが圧倒的に多いですが、ショートフィルムはヨーロッパ、アジア、南米、アフリカをはじめ、ロードショーではめったに上映されない国の映画を気軽に見ることができます。南米やアフリカなど文化や生活をよく知らない国の作品は、長編映画を見るのはなかなか気が重いですよね。ですが、10〜15分程度ならば「見てみようかな」と思えるのではないでしょうか。 1回の上映で、3〜4本、トータル1時間程度です。この1時間で、いろいろな異文化に触れることができて、世界旅行をしているような体験ができます。また、気に入ったショートフィルムを制作した国の長編映画で見てみよう、ネットで文化や生活を調べてみよう、次の海外旅行の候補先に加えてみようなど、視野が広がるキッカケにもなると思います。 また、ショートフィルムは低予算で作られていることがほとんどです。それは決してマイナスではなくて、予算が少ない分、場面転換が少なく、シンプルな人間模様が描かれている作品が多いです。風景、音楽、ファッションなどに「今」が表現され、ごく日常の風景を切り取っているので、制作国の現代の生活感、空気感が感じられるのも魅力です。
上映するショートフィルムは、どのような基準で選んでいるのでしょうか?
まず大前提として、結婚式場で上映される映画なので、ハッピーな気持ちになれるもの。例えばラブストーリーなら、ドロドロした恋愛模様よりは爽やかでキュンとするストーリーで、最後に笑顔で終われるものを選んでいます。また、わかりやすいものを選ぶことも心がけています。ストーリーを無理なく追うことができて、共感するポイントや笑えるポイントがあるものを選んでいます。 毎月、季節性やイベント性などを考えてテーマを決め、それに合わせてSSFF&ASIAから候補作品を挙げていただき、試写会を行って決めています。本当に良い作品が多いので、選ぶのが大変です!2月はバレンタインデーにちなんで、「For You」というテーマで、ギフトや贈り物がストーリーに登場する作品を選びました。
ウエディング会場ならではの高いクオリティでおもてなし。 会社帰りにフラッと寄って、リフレッシュ!
ハウスウエディング会場ならではの楽しみ方はありますか?
ハウスウエディング会場は結婚式という特別なご縁があった方だけが訪れるので、ほとんどの方が訪れたことがないと思います。隠れ家のように存在しているので、まずそんな稀有な場所を訪れるということだけでも、ちょっと気分を上げていただけるのではないでしょうか(笑)。 そして、ウエディング会場に一歩入ると、その美しさ、可憐さに驚かれると思います。スマートフォンを取り出して写真を撮られる方が多いのですが、写真に残しておきたくなるような非日常空間になっています。また、ウエディングと同じサービススタッフが、高いクオリティでおもてなしいたします。 ウエディング会場は、人生最良の日を彩るための細やかな気配りが行き届いているので、とても気持ちよく過ごしていただけます。グラスを片手にゆったりと映画を見るなかなか体験できないスペシャルな時間ではないでしょうか。「リフレッシュできる」との声を多くいただき、リピーターの方も増えているんですよ。
とても素敵な時間を過ごせそうで、ぜひ体験してみたいと思いました!何を着ていけば良いのか、ちょっと迷ってしまいますが(笑)。
もちろん、結婚式に行くような服は必要はありません(笑)。もともと、会場をもっとオープンにしたいとの思いから始まったイベントです。平日の夜、会社帰りにフラッと寄って、ドリンクを片手にリラックスした時間をお過ごしください。 会社帰りの女性もいれば、カップルの方もいますが、おひとりで来場されるショートフィルム好きの方も多いですね。弊社のハウスウエディング会場は、ひとつひとつコンセプトが違うので、会場を回る楽しみもあります。ポイントカードを作っていて、3回ご来場いただければ4回目は無料なので、ぜひリピートしてください。
料理メディアとのコラボイベントも開催していますね。
料理動画を配信しているメディアさんは、リアルな体験の場を作りたいとのご要望があり、“場”を持っている弊社に声がかかりました。弊社は新たなお客さまとの接点を持ちたいと思っていたので、メリットが合致し、イベントを開催しました。大好評で、すでに4 回のコラボイベントを開催しています。これからも、ハウスウエディング会場という“場”を活かせるコラボイベントを模索していきたいです。
非日常のウエディング会場、ショートフィルムにはクリエイティブのヒントが詰まっている。
今後の展望について教えてください。
上映作品については、日本の作品をより多く上映したいですね。ショートフィルムを撮っている著名な監督も多いので、より「T&G Films」を身近に感じてもらえるキッカケになると思っています。 また、“場”としては、地域に貢献することを意識したいです。居心地が良く、いろいろな世代の人が集い、人と人との距離感が近くなるような場を目指しています。スタッフと顔見知りになって、街で会えばお互いに挨拶するようになると良いですね。
クリエイターにとっての「T&G Films」のオススメポイントを教えてください。
まず、ハウスウエディング会場のクリエイティブを見てほしいです。一生に一度の日を最高に美しくするために、空間設計、ライティング、花など装飾品の使い方、小物のセレクトなど、細部に至るまで計算されています。クリエイターの方には刺激になるポイントがたくさん詰まっています。また、この会場で自分ならばどんなイベントを企画するか、何ができるか、ぜひ考えてほしいと思います。素敵なアイデアが産まれたら、ぜひお話を聞かせてください! もちろん、上映作品からもクリエイティブのヒントをもらえます。ショートフィルムを通じて、これまで知らなかった国の文化、ストーリー展開、映像の構成や手法に触れることは、今までとは違う気づきがあると思いますよ。 そして、非日常空間に身を置いて、日々の雑音から離れる時間もクリエイターには必要ですよね。「T&G Films」に来ていただければ、非日常体験ができますので、ぜひ気軽にご参加いただければと思います。
取材日:1月22日 ライター:植松 織江
T&G Films
「T&G Films」は、全国の一軒家貸切のウェディング会場という非日常的な空間で、グラスを傾けながら、たった数分間で人々の心を揺さぶる「ショートフィルム」をゆったりと楽しんでいただくという新たなエンターテイメントイベントです。 「T&G Films」で上映されるショートフィルムは、日本発・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」が提供。 「T&G Films」は日本で初めて、全国規模で継続的にショートフィルムが鑑賞できる空間となり、既存の映画館では得られない体験を提供します。