「遊び」は、新しいことを生み出すきっかけ。横浜駅直通の複合型体験エンターテインメントビル「アソビル」に迫る!
多種多様なワクワクするコンテンツが詰め込まれた「アソビル」が、2019年3月に横浜駅前にオープンしてから半年あまり。長期休暇や土日は今も行列が絶えないほどの人気を集めています。そこで今回は、クリエイターにとっても、最先端のクリエイティブに触れられる場所である「アソビル」をプロデュースした、株式会社アカツキライブエンターテインメントの正嵜亨執行役員にインタビュー!「アソビル」のコンセプトや今後の展開などについて、お話を伺いました。
好奇心旺盛な人にピッタリ!「遊べる駅近ビル」
「アソビル」のコンセプト、概要を教えてください。
「アソビル」とは、「遊べる駅近ビル」から名付けています。今まで駅から近い商業ビルは、ファッションや雑貨などモノを売るビルでしたが、「アソビル」は体験を売る商業施設です。全部で6フロアあり、地下1階はバーラウンジ、2階はイベント、3階はハンドメイド、4階はキッズテーマパークなど、それぞれコンセプトが決まっています。各フロアにはそれぞれプロデューサーがいて、各自で企画・運営をしているので、多種多様なコンテンツが集まっていて、ちょっとカオスなんですけど(笑)、その雰囲気も狙い通りです。あるひとつのコンテンツを目的に来た人も、他のフロアで別のコンテンツに触れて、新しい好奇心に出会えるような場を目指しています。
2019年の3月に開業し、当初は年間200万人の来場を目標としていましたが、半年で200万人来場を達成しました。想定よりも倍のスピードで、「遊べる駅近ビル」が求められていたことを実感しています。
ターゲット層の設定は?
ターゲットの軸に置いているのは「好奇心旺盛な人」です。新しいことに触れたい、今までにない自分に気づきたい、と期待して来場されるお客様に満足していただけるコンテンツを提供しています。
そのため、ターゲットの年代や性別はあまりこだわっていません。子どもからお年寄りまで、ワクワクしたい人のための施設です。子ども連れのファミリー、カップル、友だち同士など、どんなシチュエーションでも楽しめると思います。
「アソビル」が誕生した経緯は?
「アソビル」は、もともと横浜中央郵便局の別館だったのですが、長らく使用されていませんでした。一方、弊社は前身会社のASOBIBAを立ち上げた6年前からサバイバルゲームを、合併した株式会社アプトはレストラン、パーティースペースを運営してきました。施設の活用法を探していたビルのオーナーである日本郵政さんと、個店で運営してきた“遊び場”をすべて詰め込んだ施設を作りたかった弊社の考えが一致して、体験型エンターテイメント施設にリノベーションすることになりました。
通常、商業ビルを運営するとなると、テナントを入れるのが当たり前の手法なのですが、「アソビル」ではすべて企画段階からコンテンツを考えて、ひとつひとつ作っています。
キラーコンテンツをキッカケに新しい好奇心に出会える場所。
現在の一番人気のコンテンツは?
この9月までは「うんこミュージアム」が人気でしたね!「うんこミュージアム」は、幅広いお客様が呼べるんですよ。子どもはうんこが大好きなのでファミリー層には大受けですし、インスタ映えを気にする女性にも面白い写真が撮れるので人気です。「うんこミュージアム」は固定観念を覆すパワーがあるので、入る前と入った後では、価値観が変わって違う自分に出会えると評判なんです(笑)。オープン当時はもちろん、終了する直前まで土日は行列が途絶えなかったですね。「うんこビル」と呼ばれるくらい(笑)、アソビル開業時のキラーコンテンツでした。
「うんこミュージアム」はユニークなクリエイティブを作ることで定評のある面白法人カヤックとの共同開発プロジェクトでしたが、10月からは、プロジェクションマッピングなどで注目を集めている株式会社ネイキッドがプロデュースする「OCEAN BY NAKED 光の深海展」がスタートしました。先に開催された中国の上海では連日行列ができるほどの人気を集めたコンテンツです。
オススメの「アソビル」の楽しみ方は?
「アソビル」に初めて来る人のお目当ては、9月までは「うんこミュージアム」、10月からは「光の深海展」が多いと思うのですが、ひとつのコンテンツだけでなく、他のコンテンツに出会ってほしいです。ファミリーなら、4階のキッズテーマパークや3階のワークショップに立ち寄ってほしいですね。カップルや友だち同士なら、リアルな謎解きゲームや脱出ゲームのコンテンツもあるので、一緒に楽しんでください。
新しい体験をするために予約をしたり、わざわざ移動したりするのはハードルが高いものですが、「アソビル」に来れば、隣に新しい体験があるので、ちょっとやってみよう!と気軽に遊んでください。そこで新たな発見をして、次は新たに出会ったコンテンツを目的に来てもらえると、とても嬉しいです!
「新たな発見」という意味では、基本的に内装はシンプルにしているんですけど、館内のあちこちに現代アートを取り入れています。美術館にわざわざ行く人は少数派だと思いますし、現代アートに触れる機会は少ないと思うので、「アソビル」で少しでも現代アートの空気を感じてもらえればと思います。
アソビルは新コンテンツのショールーム。 「うんこミュージアム」はアソビルから世界へ!
開業してわずか半年ですが、次々とワクワクするコンテンツが登場していますよね!「アソビル」は、今後どのように進化していくのでしょうか?
「うんこミュージアム」のような新しいコンテンツを生み出していく実験場のようにしたいと考えています。新コンテンツをまず「アソビル」というショールームに出し、お客様の反応を見る。課題があれば改善してアップデートし、もっと多くのお客様に喜んでいただけるものができたと確信できたら、「アソビル」を飛び出して日本各地や世界中に展開していく。そんな流れが理想ですね。
すでに「うんこミュージアム」は、その流れに乗っているんですよね?
はい、国内外から引き合いがたくさん来ています。まず、8月にお台場に「うんこミュージアム TOKYO」をオープンしたのですが、これは世界に出すための旗艦店の意味合いがあります。お台場はインバウンド市場の中心、とも言える街なので、外国の方にたくさん体験していただいくことで世界中に噂が広がっていくことを狙っています。そしてついに海外初進出として中国は上海に「うんこミュージアム SHANGHAI」が10月にオープンします。
なかなか「うんこミュージアム」のようなスーパーコンテンツを生み出すのは難しいのですが、やり続けない限り生まれないので、これからもどんどん新しいコンテンツを「アソビル」で展開していきます。3ヶ月や半年のスパンでコンテンツを変えていくので、いつ来ても新しい発見がありますよ。
遊びが感性をアップデート。遊びが上手な人が、尊敬される時代に。
若手クリエイターにとって、「アソビル」ではどんな発見や気づきがあるでしょうか?
今まで体験しなかったこと、触れてこなかったことが、「アソビル」には必ずあります。新たな体験は、感性がアップデートされますよね。寿命が伸びているこの時代、これから20年、30年、もしくはそれ以上働いていかなければなりません。そうなると、感性をアップデートしていかないと、クリエイターとして通用しなくなります。「遊び」という体験を通して、新しい引き出しを作ってください。
「遊び」は、仕事をする上でも、生きていく上でも重要なことなんですね。
すごく重要だと思います!ITが発達して、単純労働はすべてAIに取られると言われていますが、新しいことを生み出すのは人間にしかできないこと。そのキッカケは遊びから始まると思うんです。楽しさを何とかして共有したい、こうすればもっと楽しい、そんな思いから新しいことは生まれますよね。
また、日本人は遊びが下手と言われますが、これからは遊びが上手な人が尊敬されるような価値観に変わっていくと思います。遊びを通じたコミュニケーションは、よけいな皮をかぶらない人間同士のコミュニケーションなので、それが自然にできている人は“陽”の気をまとっているので、引き寄せられます。「アソビル」も“陽”をまとった場所なので、ぜひ遊びに来てポジティブな気持ちになってください。
取材日:2019年9月18日 ライター:植松 織江
アソビル:ASOBUILD
横浜駅直通のエンターテインメントビル。 様々なテーマで、新感覚のエンターテインメントコンテンツを体験することが出来る複合型体験エンタメ施設です。横浜中央郵便局の別館部分をリノベーションし、全く新しいエンターテインメント施設をプロデュースします。
最新テクノロジー、ものづくり、キッズなどフロアごとに異なるテーマを設定し、既存のエンターテインメントを“カルチャー、クリエイティブ、テクノロジー”によってリデザインすることで、お客様にとって新しい体験を提供し、より多くの人の人生をカラフルに彩っていきたいと考えています。