WEB・モバイル2020.09.09

ユーザーの困り事に「まさにそれ」と思ってもらえる価値の高い情報を届けたい

京都
株式会社ジャストイット 代表取締役
Masanobu Tamura
田村 正伸

日頃私たちは思い思いのキーワードで検索をして、欲しい情報を探し求めますが、膨大なサイトのなかから自分が求めている情報を探し出すのに苦労することはありませんか? ユーザーに「私が探していた情報は、まさにそれ(Just it)」と思ってもらえるインターネットメディアを展開する株式会社ジャストイット。ユーザーが困ったときに、すぐに手を差し伸べられる情報を提供し続けることを使命と考え、日常を新しくする質の高いコンテンツ作りにこだわっています。

建築業界で長年勤めた異色の経歴を持つ代表取締役の田村正伸(たむら まさのぶ)さんに、ネットの世界に飛び込んだ経緯や会社のポリシー、今後の展望などについて伺いました。

建築業界で生きるつもりだったのが、ネットに出会って人生が変わった

会社立ち上げまでの経緯をお聞かせください。

高校を卒業して17年ほど、父が経営する外壁タイルの施工会社で住宅の現場監督の仕事をしていました。周囲はもちろんのこと私自身も、将来は何の疑いもなく父の跡を継いで建築業界で生きていくつもりでした。しかし、あるときに会社のホームページを作ることになったんです。

パソコンを買って自分でHTMLを勉強して作りながら、SEO(検索エンジン最適化)についても学び、ホームページや不動産の情報サイトを立ち上げたのをきっかけに、集客して広告収入が得られるアフィリエイト(成功報酬型広告)を初めて知ったんです。面白そうだなと思ってある不動産会社の広告を貼り付け、さらに100以上の情報サイトを立ち上げて記事をアップさせていたんですが、1年近くは全くお金になりませんでした。

それでも「これからはインターネットの時代だ」と確信し、いろんなセミナーに参加したり書籍で勉強して知識を深めていきました。自分と同じように本業が別にあってアフィリエイトの副業で月30~40万円の結果を出している人たちの存在が励みになり、どんどんハマっていったんです。

昼は建築の仕事、夜帰ってからは副業でアフィリエイトの生活が2年くらい続き、副業の収入が本業と同じくらいになるともう楽しくなって。この頃建築業界は右肩下がりで、仕事自体にはやりがいがありましたけれど、先行きがとにかく不安だったんです。

副業に精を出すと、体力的に大変ではありませんでしたか?

つらかったですね。副業の時間を作るのが大変で、帰宅して20時ぐらいから30分仮眠して夜通し作業することも多く、寝ずに現場に向かったことも。情報サイトの記事は当時、1日2~3本を自分で書いたり、外部ライターに書いてもらったりもしましたが、最初のうちはあがった原稿のほとんどを修正しないといけなくてゾッとしましたね。

本業が忙しくなると、「早く帰ってこっちをやりたい」とうずうずしていたほどで、最終的には月100万円と、本業をはるかに上回る収入になっていました。ですが、この頃にはもう管理しきれないくらいたくさんのサイトを運営していて、作って終わりというものも多かったですね。

その後、会社設立に至ったのはなぜでしょうか?

副業を本業にしたいとは早いうちから思っていたのですが、父に会社を辞めると伝えるまでに葛藤があってかなり時間がかかりましたね。相当悩んだ末に父に打ち明けると、意外にもすんなりと受け入れてくれました。たぶん分かっていたんじゃないですかね。既に結婚して子供もいたんですが、妻にも理解してもらえて感謝しています。

退職後の3年間は個人事業主として動きましたが、順調に業績が伸びていたので、税理士のアドバイスにより2012年1月に法人化したのです。

ユーザーの悩みに手を指し伸べる、質の高い情報にこだわる

サイトや記事コンテンツはどのような流れで作られるのですか?

まず広告代理店から「こんな案件があるんだけど…」と話が持ち込まれます。その内容をやりたいメンバーがいたら即決です。実際の記事を作る前に、そのテーマについてどんなキーワードで検索されているのか、そのキーワードで検索するのはどんな人なのか、検索によりユーザーはどんな答えを求めているのか、そしてキーワードに出てこないユーザーの深層心理を考え抜くことが大切です。

最初は一人の担当者がマインドマップに洗いざらい書き出します。その後第三者のチェックを経て要素が追加され、最終的にその中から必要な情報を精査しながら構成を考えて記事を書き始めていきます。このチェックと精査が一番時間と労力がかかりますね。

記事は書き手が興味のあるテーマで書くこともあれば、私がキーワードを指定して書いてもらう場合もあります。話の流れや伝え方、言い回しに至るまで、社員や専門家のチェックを受けてブラッシュアップを重ね、実装を経て公開となりますが、その後も結果検証を踏まえてより良い内容にアップデートをしています。

学生インターンや女性も積極的にWebライターとして採用していますね。

インターンの学生たちは素直で一生懸命ですね。ちょっとアドバイスするとやる気になってくれるし、その後自分で書いた記事が検索で10位以内に入っているのを見て感動していて。そんな姿を見るのがうれしいんです。

それに若い人たちの意見は大変貴重で参考になります。子育て中の女性もパートで活躍してもらっていて、家庭事情も考慮しています。書く能力があるのに働けず、キャリアにブランクが出るのはもったいないですからね。

現在の事業内容についてお教えください。

生活に密着したテーマを中心に、ウェブメディアを8つ運営しています。メディアを通じてユーザーが知りたい情報を提供しながら、クライアントさまの商品やサービスの魅力を、検索エンジンを介して多くの人に伝えています。「私が探していた情報は、まさにそれだ」と満足してもらえるコンテンツをユーザーに届けて、クライアントにも喜んでもらうことをモットーに、ユーザーの日常を新しくするコンテンツ作りを目指しています。

代表的なサイトとしては、海外留学を検討する方を応援する「留学マスター」就活や転職ノウハウを分かりやすく伝えるビジネスハックメディア「ビズノート」があります。他には不動産売却に関するサイト「なるほど!不動産売却」やお金に関する情報サイト「ウィズマネー」「お金借りる研究所」があります。

最近、「教えて!オンライン英会話」というオンライン英会話の情報サイトを立ち上げまして、力を入れています。ユーザーは入会を決める前に授業やサービス内容について知りたいと思っているので、英語に詳しいライターが実際にオンライン英会話を受講して、生で体験した情報を記事にしてくれています。

充実した内容の記事を制作するには、膨大なエネルギーが必要になるのではないでしょうか?

そうですね。コンテンツに関しては、他社に負けないものを作ろうと、スタッフとも常々話しています。適当に書かれた記事は生き残れないと思うんです。ユーザーの悩みに対してどんな情報が必要なのか? どんな答えの返し方が効果的なのか? 検索意図を考え抜き、必要な情報をユーザーに伝えようと突き詰めていくと、それだけ膨大な情報の記事が多くなってくるのです。これは私が手取り足取り教えるというよりは、スタッフによる日頃の鍛錬のたまものです。

常に「なぜ?」と自問自答しながら書くことが大事だと思います。相手が読んだときに疑問を残さずに伝わりますから。また検索意図は一人で考え抜くにも限界があるので、皆で話しながらアイデアを出し合うとまとまりやすいですね。

スタッフが目標達成する様子を間近で見守れるうれしさ

アフィリエイトのどこに魅力を感じますか?

広告主・ユーザー・メディア運営者の三方良しが成立しやすいことです。また検索結果は法人・個人の種別や会社規模に関係なく、有名企業によるメディアにも勝てる可能性が平等にあることも魅力だと思います。

通常、案件のやり取りは代理店と私たちのようなアフィリエイターとの間で行うだけで、クライアントと直接関わることはないのですが、ご指名でコンテンツの提案を受けたときは、クライアントからも一目置かれた存在なのだと実感でき、喜びを感じます。

仕事で大切にしていることは何ですか?

目標達成にこだわっていて、スタッフにも半年ごとに計画を立ててもらいます。今どういうスキルを持っていて何ができるかの「事実」、現状の自分の立ち位置に関する「感想」、それを受けてこの半年で何をするか「決意」を表明するのです。

また、目標を立てる際には期限を決めることが大事です。半年後までにこれをすると決めるならば、逆算して1カ月後、3カ月後にはこうしたいとか、そのために1週間後には何をする必要があるのかが見えてきますよね。期限がないとやはりズルズルしてしまいがちなので、気を付けるようにしています。

社員2人は、最初の頃は検索意図を汲み取るのに苦労していたようですが、今ではマインドマップを作るところから原稿に至るまで、ライターさんの記事のチェックやインターン生のフォローに回ってくれていて本当に頼もしく感じています。私たちはSEOにこだわることから、アクセス数とコンバージョン数(成果)が伸びていたり、担当した記事が検索で上位に来ているのが分かると、スタッフも一番モチベーションが上がっていますね。

会社としての今後の展望についてお聞かせください。

今後もウェブメディア運営を突き詰めて、まずは京都で、さらには日本でNo.1のコンテンツ作成会社になることですね。代理店やクライアントからの評価も上がってきていますので、コンテンツにはこだわり続けたい。ユーザーのためのコンテンツを追求することで売り上げは必ずついてきますから。

スタッフには、当社にいることでこんなことができるようになりたいとか、こういう生活を手に入れたいといった目標を持ってもらいたい。それを達成していく様子を横で見ているのが、私としては何よりもうれしいです。

取材日:2020年7月28日 ライター:小田原 衣利

株式会社ジャストイット

  • 代表者名:代表取締役 田村 正伸
  • 設立年月:2012年1月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:
    ・インターネット広告代理事業
    ・インターネットメディア事業
    ・インターネットコンサルティング事業
  • 所在地:〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町93 KRP6号館 412号室
  • 電話番号:075-874-1970
  • URL:https://justit.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記URLの「お問い合わせ」より

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