WEB・モバイル2020.10.14

「Buddy = 相棒」として、ECサイトをまだ見ぬ高みへ

名古屋
株式会社エーピーテック 代表取締役
Yoshihiro Kondo
近藤 恵広

ECサイトの販売サポートをあらゆる面から行う「株式会社エーピーテック」。独自の分析方法を基に、期待以上の成果を上げる「ECのプロ集団」を作り上げた近藤恵広(こんどう よしひろ)さんに、起業のきっかけや同社の強み、今後の展望などを伺いました。

起業、挫折、そしてエーピーテック設立へ

起業の夢は、子供時代から抱かれていましたか?

ごく普通のサラリーマン家庭に生まれ、普通の少年、青年時代を過ごしていたので「将来も普通にサラリーマンとして働くんだろうなぁ…」と漠然と思っていました。

経営者になったいきさつを教えてください。

大学在学中にフジテレビの「踊る大捜査線」というドラマを見て「あ! 僕は警察官になるんだ」と感じ、導かれるように警察試験を受けたんです。しかし勉強もせずに受験したため不合格に。

そこから就職もせずフラフラしていた頃に、アルバイト先の同僚から「近藤君は将来どうするつもりなの? うちの弟がフリーでシステム開発の仕事をしているから紹介してあげる」と会わせていただいたのが、総合IT企業「株式会社エイチーム」を個人事業主「エイチーム」として活動していた林高生(はやし たかお)さんだったんです。

初めは岐阜県の多治見に通ってシステム開発について教わっていたのですが、1年ほどして林さんにひっぱられるように副社長としてエイチームを起業。そこでビジネスのいろはを学び、10年後にWebシステム開発を行う「株式会社オーバーテイク」を起業しました。

ビジネスはスムーズに進みましたか?

起業して2~3年は順調に推移したのですが、その後、売り上げが下がるなどの壁にぶつかり、スタッフ全員を解雇しなくてはならなくなりました。当時はうまくいくイメージしかなかったので、気分は地獄。

経営の難しさを思い知らされ、1人ぼっちでオーバーテイクの再生をしている中、弊社設立のきっかけとなる美容・健康商品メーカーの「株式会社アメイズプラス」山田忠和(やまだ ただかず)社長との出会いがあったんです。

どのようなきっかけで山田社長と出会い、エーピーテック設立に至ったのでしょうか?

出会いは、経営者の勉強会でした。お互い人見知りで積極的に話し掛けにいくタイプではなかったので、出会ってから、3-4年は、そこまで親しくもなかったんですが、ある日、山田社長から、相談を受けたんです。アメイズプラスは美容・健康商品を中心にヒットを連発している会社ですが、当時はEC領域では売り上げがほとんどありませんでした。そこで売上のほとんどなかった楽天ショップの運営を任せていただきました。せっかくの誘いでしたので、時間も忘れて、本気でのめりこみました。

その後、楽天での売り上げが急速に伸びていき、月商8000万円を達成。今後の発展を見据えて、アメイズプラスのグループ会社として、共同出資でエーピーテックを設立したんです。

「運命共同体」でサイト改善を進めていく

エーピーテックの社名の由来を教えていただけますか?

「AP」はアメイズプラスの頭文字、「TECH」はテクノロジーを意味します。EC事業の技術において「名古屋一」「愛知一」「東海一」「日本一」と言われる会社になれるといいなと思っています。

エーピーテックが手掛けている事業を教えてください。

僕は「ECコンサルティング事業」と呼んでいるのですが、ECに関わるすべての悩みを解決するのが私たちのミッションです。現在は自社運営のECサイトは持っておらず、アメイズプラスやその他メーカーのサイト制作や運営のお手伝いをしています。

御社の特徴や強みなどをお聞かせください。

当社はクリエイターやシステム開発者が集う技術者集団です。現在、営業職は一人もいません。また、ECサイトは完成したところがスタートラインのため、さらに売れるサイトにするための日々の改善も担当しています。「運営」という永久に続く改善を、お客さんと一緒に進めていくのが僕たちのスタイルです。

お客さんから見て「取引先」になるのではなく、「Buddy = 相棒」になることを目標に動いています。強みについては、楽天ショップ運営の強固なノウハウを有している所です。

楽天サイトを得意とする理由は?

これまでに楽天サイトの相談が最も多かったため、自然とノウハウが蓄積していきました。ECサイトは楽天、ヤフー、アマゾンなどの「モール」と呼ばれる大手ECサイトと自社ECサイトに別れるのですが、楽天のシステムは他に比べてショップ運営者に公開される情報が少ないと感じます。当社では独自のツールを駆使してデータを見える化することで、サイト改善に役立てています。

また、現在ではどんなECサイトでもサポートできる体制が整っています。すべてのモールに出店し、自社サイトも運営するのが最近のトレンドですので、その流れに対応することで安心して任せていただいています。

近藤社長が大切にされている「Buddy」への思いを聞かせてください。

学生時代はずっと野球をして、皆で目標を達成することの楽しさ、感動を味わってきました。仕事でも、この快感を体現したいと考えています。

そして「Buddy」という言葉はNHKの「海猿」というドラマで知りました。人命救助にあたる海上保安庁の潜水士は、必ず2人1組でどんなことがあっても協力して救助を行います。もし1人の酸素ボンベにトラブルが発生したら、残り1本のボンベを分け合う、まさに運命共同体です。きっと、そういった部分に感動しちゃったんですね(笑)。

当社ではコンサルティングを行うディレクターと、デザインを改善するデザイナーがペアを組んでECサイトの運営に取り組んでいます。さらに、お客さんと僕たちも「Buddy」の関係です。互いの信頼関係がない限り、売り上げを伸ばすのは難しいんです。

その他、大切にしていることはありますか?

「ありがとう」の気持ちを持つことを大切にしています。また、その気持ちをしっかりと言葉にすることを心掛けています。当社ではパソコンを見つめて黙々と仕事をしている時間が長いため、声をかけそびれるときがあります。だからこそ、感謝の気持ちを声に出すよう努めています。

少なくとも、現在の10倍の規模に

今後の展望や未来のビジョンを教えてください。

「永続的に続く会社の基盤を作りたい」今はそう考えています。最初に起業した頃は「お金持ちになりたい」「いいクルマに乗りたい」「モテたい」など、自分がどうなりたいのかが先行していました。

しかし、エーピーテックで若い仲間たちと働くうちに、この世代が安心して挑戦し続けることができる「いい会社」にしたいという思いが強まってきました。この会社が好きで、継承してくれる文化を生み出したい。そのために、少なくとも10倍以上の規模の会社に成長させて、ちょっとのことでは傾かないビジネスモデルの構築に向けて進んでいます。

今までの人生で忘れられない経験はありますか?

28歳で経験したバイク事故です。自動車と衝突し、1週間ほど集中治療室で生死をさまよいました。記憶にはないのですが、あまりの痛みに暴れたので、鎮静剤を打ちながら治療してもらったそうです。

事故を通じて「生きていることはあたりまえじゃない」と気付けました。意識が戻り、人工呼吸器を外した後に「今日も生きている」ことを毎朝実感し、「ありがたい」と心から感じました。「親孝行をしなくちゃ」とか、「ご縁を大切にしよう」とも考えました。20代に人生を深く考えるきっかけを得ることができたのは貴重だと思っています。

最後にクリエイターへのメッセージをお願いします。

僕がスタッフのデザイナーに常に伝えているのは「もっと売れるデザイナーになる!」です。僕たちの仕事は、お客さまの希望のデザインを作ることだけでは、ありません。作ったデザインを通じて、売り上げを伸ばすという目標に向かって自分の頭で考え、売れるためのアイデアを実現化できるデザイナーに成長してほしいと思います。

「売れるデザイン」には、撮影やコピーライティングの要素にまで踏み込んでも全然いいと思ってます。決められた枠にとらわれず、決められた就労時間にもしばられず、常にクリエイターとして世の中にアンテナを張り巡らせて、チャンスは必ずつかみとり、さらに高みを目指してください!

取材日:2020年8月18日

株式会社エーピーテック(aptech)

  • 代表者名:近藤 恵広
  • 設立年月:2017年12月
  • 資本金:1000万円
  • 事業内容:Eコマース支援事業
  • 所在地:〒453-0801 愛知県名古屋市中村区太閤3-1-18名古屋KSビル4F
  • 電話番号:(052)433-5130
  • URL:https://www.ap-tc.co.jp
  • お問い合わせ先:上記URLの「Contact」より

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