WEB・モバイル2020.11.11

「運」と「縁」を大切にしながら、お客さまの望みをホームページで具現化した

京都
株式会社リアライズ 代表取締役
Hideki Sakajiri
坂尻 秀樹

京都を拠点に、ホームページの企画制作やメンテナンスからECサイト構築、CMS(コンテンツ管理システム)導入、SEO(検索エンジン最適化)コンサルティング、Webシステム開発などを手掛ける、株式会社リアライズ。「お客様の望んでいることを実現させる」ことをモットーに、ホームページ制作をトータルにサポートしています。

これまで営業活動を一切行っていないにも関わらず、大手企業をはじめさまざまな業種の顧客と取引に至り、長年良好な関係が続いているのはなぜでしょうか。代表取締役の坂尻 秀樹(さかじり ひでき)さんにこれまでの歩みや仕事への思い、今後の展望について伺いました。

異業種での仕事と兼務で制作したのが独立のきっかけに

Webの世界に入られたきっかけをお聞かせください。

高校卒業後は全然違う業界で働いていましたが、インターネットが普及しつつあった2000年頃に「これからの時代に必要だ」ということで、社内にホームページ制作の事業が立ち上がったんです。

パソコンに触ったこともない自分が、通常業務の片手間で携わることになりまして、ホームページビルダーなどのソフトを使って、クライアントや自社のホームページを自力で作っていました。ほんとに全部独学でしたね。当時はスクールも存在せず、関連書籍も限られていたので、ソフトに触って作りながら何度も試行錯誤しつつ基礎を学んでいった感じです。

その後独立されるきっかけは何でしたか。

数年後、会社が突然解散することになったんです。僕は当時結婚したばかりで、路頭に迷うわけにいかず、本格的にWebの世界で頑張っていこうと思い、32歳を迎えた2004年に個人事業主として始めました。

クライアントはどうやって獲得していきましたか?

当初は前職時代の顧客を1、2社引き継いだものの、とても食べていける金額は発生しませんでした。そこで、ビジネスマッチングサイトで見つけた発注者から仕事をもらってホームページの作成やコーディングをしていました。CMSの一種であるムーバブル・タイプ(Movable Type)やズープス(XOOPS)を組み込んだホームページもこの頃から制作しています。

それで、自社のホームページにも「XOOPSでCMS化して更新できるサイトを作ります」とか「Movable Typeを使って作ります」と記載したら、京都市内のいくつかの制作会社からお声掛けいただくようになったんです。CMSを導入したホームページを作ると大々的に書いて展開している会社が、当時は他になかったのが功を奏したと思います。

普通にコーディングするだけの会社ならば、既に他にも何社かあって、よそではやっていないことをやらないと生き残れないなと感じていましたから。駆け出しの頃は1人でやっていたので、月に1件受けたら手一杯なのが正直なところでしたが、2、3件請けて夜中も黙々と作業していましたね。

案件が多く舞い込んで、ときには断らざるを得ないこともありました。それでも、運良く自社のホームページを見つけてもらえて、仕事が途絶えることなく、制作会社から「別のクライアントの案件も手伝ってほしい」と紹介いただいたりしたのが連続して今に至っているので、本当にありがたいです。

「運」と「縁」を大切にして、クライアントからの信頼を着実に得る  

個人事業主として3年続けた後、2007年法人化に至ったのはなぜですか?

仕事の成約や事業拡大のためには、自宅でやるよりも、やはり京都の街中に拠点を設ける方が有利ではないかと感じるようになりました。実際に法人となって、最初は三条近辺に、その後社員が増えて今の四条烏丸周辺に事務所を移したら、「通り沿いで便利だから」と新規のお客さまが増えるようになったんです。

現在の事業内容と、同業他社と比べた強みをお聞かせください。

ホームページの企画制作やメンテナンス、ECサイト構築、CMS導入、SEOコンサルティング、Webシステム開発などを行っています。特に「Movable Type」やワードプレス(Wordpress)といったCMSをベースにしたホームページの制作を最も得意としています。

クライアントは主に京都市内で業種はさまざま。制作会社さまや印刷会社さま経由で紹介いただくことが多いです。事業内容は個人事業主の頃と変わっていません。今は「Wordpress」が主流ですが、個人でやっていた頃から15年くらいお付き合いのあるクライアントは、いまだに同じ「Movable Type」の仕事で頼っていただくことが多いです。

僕より後に立ち上げて規模がめちゃくちゃ大きくなっている同業他社はいくつかありますが、同じことをやるなら他社よりもローコストで仕上げられるのがうちの強みです。人数が少ない分小回りがききやすいところ、対応にスピード感があることや、社長自らお客さまのところへ出向くので安心感があると評価いただいているのかなと思います。

確かに、社長自ら親身になって考えてくださると、「ここにお願いしよう!」という気持ちになりますね!

そうですね。僕は今まで「運」と「縁」でここまで続けて来れたなと思っているんです。営業をかけていないのに、たまたま「運」良くうちのホームページを見ていただいたのをきっかけに仕事でつながり、それがまた別のお客さまや仕事に結びつく。特に個人でやっていた時代のお客さまとは今もつながっています。保守などの取引先も、皆離れていないんです。そういう意味ですごく「縁」を感じています。

15年以上の取引先が多いとはすごいですね。京都という土地柄もあるのでしょうか?

いったん懐に入り込めば、その後も良い関係が長く続く風土があるんじゃないでしょうか。僕は長年の取引先とゴルフや飲みに行っています。新たな仕事に直接結びつくことはあまりありませんが、こうしたコミュニケーションもまた「縁」になります。

社内体制が整った先に見据える「サテライトラボ」

今は社員4人とのことですが、どのような業務体制でしょうか?

自分が商談やディレクションをメインで担当して、デザイナー1人とコーダー3人に分かれて制作を進めて、全員で仕上がりをチェックして納品する流れです。コピーや撮影などで外部ブレーンと協働することはありますが、基本的には内製です。

社員の方が僕の考えやクライアントの思いをくみ取ってくれるからです。ヒアリングしてきた内容を伝えても外部だとやり取りにどうしても時間がかかりますし、ソースコードも人によりバラバラになる。社内なら必要なルールを作って統一させやすいですから。

新規案件は月4~5件、メンテナンスはかなりの件数があって、皆かけ持ちでこなしていますが、スタッフには基本的に定時で帰ってもらっています。クライアントから聞いた内容を受けて僕が単刀直入に伝えたことを形にするのは、働いている時間の中でやるべきことで、残業をしてまで納品をスピードアップさせるのは違うと思うんです。

会社としての今後の展望についてお聞かせください。

今の事務所は4人だとスペースにまだ余裕があるので、10人ぐらいまで社員を増やしたいですね。デザイナーやコーダーはもちろんですが、営業やディレクションを担う人材も必要と感じています。コロナ禍で仕事がピタッと止まった際は「これからどうなるか分からない」と、本当に危機感を覚えました。問い合わせの数が増えてきた現在は僕が対応していますが、どうしてもスピードが遅れてしまう。

営業を立てれば、すぐに案件が取れるように対応できるし、僕以外にもディレクターがいれば、それだけ案件の分母が大きくなって、さらに制作できる人を増やせる。案件が増えてもお客さまの要望に素早く応えられるよう、スピードが落ちない社内体制をしっかり整備したいです。

ゆくゆくは今の社員にもディレクションを担当してもらいたいですが、ノウハウを持っていないと務まらない。スキルを得るには経験することが一番だと思いますので、日々の業務と勉強を大切にしてほしいです。

そして社内体制が整ったあかつきには、京都以外の地方で新規案件を請けられるように、サテライトラボのようなものを作りたいなと。京都の事務所を誰かに任せられるぐらいうまく回るようになったら考えたいです。

Webクリエイターを目指す人にメッセージをお願いします。

どんな仕事もそうですが、「好き」になれるかが大きいと思います。「好き」がないと、いろんな必要情報を積極的にキャッチできない。そのため、「トレンドの仕事だからやってみたい」という動機だけでは長続きしないと思います。スタッフにも言っていますが、特に業界未経験の人は日々の業務もさることながら、自主的にWebの勉強も頑張ってほしいです。

「何を、どうやって学べば良いか?」を見つけてくるのも自分次第ですが、好きじゃないと身につかないですから。僕自身がかつて先生も教材もないなか、自力で試行錯誤をしながらページを制作してきた経験から、これは間違いなく言えることですね。

取材日:2020年9月3日 ライター:小田原 衣利

株式会社リアライズ

  • 代表者名:代表取締役 坂尻秀樹
  • 設立年月:2007年12月
  • 資本金:100万円
  • 事業内容:ホームページの企画・制作、ホームページのメンテナンス・保守管理、SEO、アクセスアップに関するコンサルティング、CMSの導入、システム開発
  • 所在地:〒604-8225 京都府京都市中京区西洞院四条上る蟷螂山町481 京染会館302号
  • 電話番号:075-254-8710
  • URL:https://www.realize-web.jp/
  • お問い合わせ:上記ホームページの「お問い合わせフォーム」より

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