プロゴルファー兄弟が起業したエスペロは、クリエイティブの力でゴルフ業界に 革命を起こす!
兄の松尾洋輝(まつお ひろき)さん、弟の勇輝(ゆうき)さんは、共に4年間のプロゴルファー生活から、2020年1月に動画制作を中心としたクリエイティブ会社を起業。拠点は宮城県の仙台市。現在は福島県飯舘村の地域おこし協力隊として、福島第一原発事故からの復興を後押しする地域活性化プロジェクトにも携わっています。
おふたりが「合同会社Espero(エスペロ)」を起業するまでの経緯や現在注力している事業、今後の展望について、「ゴルフ界のクリエイティブディレクター」を目指したいという、兄の洋輝さんにお聞きしました。
プロゴルファー兄弟がクリエイティブ会社を起業。きっかけは自身のYouTuber活動
代表社員の松尾洋輝さんと勇輝さんはおふたりともプロゴルファーなんですか?
はい、2017年に兄弟ともにプロテストに合格しました。9歳からゴルフを始めているので、約16年間のゴルフ歴になります。仙台市の東北高校のゴルフ部出身です。
小学生の頃からゴルフ場へ行けば、両親や学校の先生以外の様々な大人の方たちと触れ合う機会が多かったので、子供ながらに大人の価値観に触れることができ、同世代とは違った視点を持てたのがよかったです。人と話すのが苦手だった性格もゴルフのおかげで克服できました。
「エスペロ」を起業される前は何をされていましたか?
起業前、ゴルフレッスンの仕事を本業にしていましたが、生計が立てられなくなるくらい厳しい状況になったときに、転職をしようか、プロを辞めようかと考えた時期がありました。しかしそれでもゴルフ業界に変化を起こしたいという気持ちが根底にあり、自分たちにしかできないものを追及していこうと、未経験の業界にチャレンジしていくことを決意しました。
そんなときに今の仕事となる動画制作のきっかけになったのはYouTubeでした。数あるメディアの中で触れてきた時間が一番長かったのは動画で。YouTubeの魅力にハマった私たちは、自前のチャンネルを開設し、YouTuberとしてゴルフの楽しさを日々発信し続けました。
YouTube配信が動画制作のお仕事につながったきっかけは?
当時、ゴルフのイメージを変えていきたい、ほかの業界との接点をつくりたいと、若者が集まるイベントなどに積極的に参加しながら、とにかくたくさんの人との出会いを広げていたところ、その中で私たちのYouTubeを見た人から「動画の編集できますか?」と初めて動画のお仕事の依頼を受けました。
そこから「結婚式のオープニング動画をつくってもらえないか?」と知人から連絡をもらうなど、徐々に動画の撮影や編集の依頼を受けるようになりました。
動画制作を通して、誰かのサポートができていると実感し、これを「仕事にできたら嬉しいな」と考えてきたとき、映像制作をしている先輩から「会社をつくってみたらいいんじゃない?」とアドバイスいただいたのが起業のきっかけでした。
ゴルフで培ったビジネスマインドと企画力を武器に。新しい価値を生み出すクリエイティブディレクターへ!
動画制作以外にもECサイトでの珈琲販売、音楽活動と幅広く活動されているのはなぜですか?
ゴルフをまだ知らない人たちと触れ合う機会を多くつくりたいからです。それはゴルフをやること自体ではないのです。
ゴルフはビジネスの付き合いで仕方なくやるもの、高貴で紳士のスポーツであるというような偏ったイメージがある世界。ただ本来は子供から大人まで気軽に楽しめるスポーツであることを広めていきたいと思っています。
ほかにも2021年から福島県飯館村の地域おこし協力隊として活動されています。どのようなお仕事をしているのですか?
現在は、アーティストやクリエイターの活動拠点をつくり、村内外の人々の交流拠点を創り出していくプロジェクト「BoundforIITATE」に参画しています。移住者の視点で動画撮影、YouTube配信を通じて、飯館村の自然の素晴らしさや、村で暮らす人々の魅力を多くの人に伝え、村の魅力を伝える情報発信のお手伝いをしています。
これに応募したのは、クリエイティブという親和性と、地元の仙台じゃなくても私たちの持っているリソースを活かして社会貢献ができると思ったからです。今は動画編集・配信がメインですが、これからコロナの状況を見ながら、珈琲ショップをひらくなどのイベントをしていきたいと考えています。
今までの動画制作の実績を教えてください。
飲食店、スポーツイベントなどのプロモーション動画、弦楽器職人、モデルさんのドキュメンタリー動画、地元企業の採用動画などを制作しました。また女子プロゴルファー、ダンサーのYouTubeチャンネル内容のプロデュースなどです。
ずばり「エスペロ」の強みとは?
企画力だと思っています。今は動画クリエイターでしかないと思われるかもしれませんが、動画はあくまで手段のひとつで、エスペロは企画屋で、私はクリエイティブディレクター。パートナーさまの課題解決のために一緒に方向性を模索しながら、“世の中にいい変化を起こすきっかけ”の設計を進めていくパートナー的な役割を担っていきたいです。
先方の声をもとに、今と未来にどうアクセスしていくのか? を考えながらつくるのが基本なので、自己満足にならないよう心がけてます。
何度も“対話”を重ねながら、イメージを膨らませ、
まだ言語化されてない欲望を見つけ、それを価値化していくプロセスを大切にしています。
結果、仕上がった企画を見てもらって、「笑顔」になってもらいたいですね。
仕事をしている中でゴルフの経験が活かされていると感じるときは?
ゴルフはいろんな力が必要です。物事を俯瞰してみる力、忍耐力や想像力。楽観的な視点もそうですし、ゴールから逆算し、行動する力が身につきました。
ゴルフも仕事もうまくいかないことばかりで、どんなにピンチの連続だったとしても、途中で逃げ出すわけにはいかないですよね。最後まで目標やゴールは一緒で、カップに届くまでのプロセスの中で、自分ができる最大限の努力をし続けなくてはならない。ボールが林木の中に入ってしまっても、ここからうまく打つにはどうしたらいいんだろうと想像をしたり、そこから逆算して自分ができる選択肢を広げてみたり、常にこういった思考のプロセスを行うようになりました。
プロゴルファーのセカンドキャリアとして、新たなロールモデルをつくりたい
今後の「エスペロ」の展望は?
クリエイティブディレクターの役割は、これからもっと活動の幅や可能性が広がるでしょう。私のことを必要としてくれる方がいて、チャンスがあれば、どこへでも行きますし何にでも挑戦させてほしいです。
活動の軸として大切にしていることは、クリエイティブ力で、世の中や未来に対しいい変化をおこすキッカケをつくり続けるということです。この軸に付随することは、全てチャレンジしていきたいと思っております。
そして、近々リリース予定なのですが、
まだない未来をつくる、クリエイティブチーム『Oh.』というチーム結成に向けて動いています! 軸がクリエイティブなので、様々な専門家が集まってきて欲しいと思っています!
どんな人たちと一緒に仕事をしていきたいですか?
クリエイティブチームなので、それぞれのクリエイティブ技術に特化した人たちを集めていきたいですね。コピーライター、デザイナー、インフォグラフィックスなどを得意としているような。その人たちの個性や能力を活かせる環境づくりをしていけるようになりたいです。
あと、自分の軸や個性がありつつも、相手のことを受け入れて尊重でき、お互い協力しながら歩める方と仕事したいですね。難しいことかもしれないですが、きちんと対話をしながら進んでいきたいと思っております。
最後に「ゴルフ界のクリエイティブディレクター」としての主張をお願いします!
クリエイティブディレクターになるにも相当な努力が必要だと思います。
そして、私が考える「クリエイティブディレクター」とは、“意味を生み出し、価値をつくる。アイデアと企画でいい変化を起こす専門家である”と定義しています。
ですから将来は、松尾洋輝といえば「プロゴルファー/クリエイティブディレクター」だと言われたいですね。
繰り返しになりますが、ほかの業界との接点を増やしながら、いろんな人を巻き込んでいき、ゴルフ業界の常識を変えていきたいのが根底にあるので。
例えば今まではビジネスの一環だったゴルフを、子供の頃から遊べる家族のスポーツにしたり、若者がもっとカジュアルにゴルフを楽しんでできる場所をつくったり。
別のルールでゴルフを楽しむ環境を増やしていきたいですね。
取材日:2021年2月24日 ライター:佐藤 えり
合同会社Espero(エスペロ)
- 代表者名:松尾洋輝(まつお ひろき)
- 設立年月:2020年1月22日
- 資本金:8万円
- 事業内容:クリエイティブ事業、ゴルフ事業、コーヒー事業、音楽事業、イベント事業
- 所在地:〒981-3212 仙台市泉区長命ヶ丘2-12-4
- URL:https://www.espero.co.jp/
- お問い合わせ先:上記サイト「お問い合わせ」より。またお急ぎの場合は「090-7938-3315」までお電話ください。