プロダクト2021.04.14

次世代型就職支援アプリでコケナワは採用業界の信用情報を担う存在へ。

名古屋
株式会社コケナワ 代表取締役・パッショニスト・大学教員
Yoshinori Kokenawa
苔縄 義宗
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次世代型就職支援サービス「コミットベース」のアプリ開発を中心に、世界最小クラスの携帯トイレ開発やシニアの活躍コミュニティ構築などに挑む「株式会社コケナワ」。勢いのあるベンチャー企業をマネジメントする代表の苔縄義宗(こけなわよしのり)さんに、起業までのユニークな道のりや会社の強み、今後の展望、クリエイターへのアドバイスなどを伺いました。

 

お金や地位ではなく、人の心に残る人間に

子供時代の夢を教えてください。

「大物になりたい!」というのが幼少期からの夢です。祖父が“大物”と呼ばれるような人物だったのです。彼が他界した翌日に私が産まれたので周囲からは「祖父の生まれ変わりだ」と言われて育ちました。その影響もあって、とにかく大物になるんだという気持ちをずっと抱いてきました。

どんな方だったのですか?

戦後の動乱期を生き、たたき上げで商社の支社長を務めた人物でした。仕事やプライベートを通じて他社の救済や地域の活性化にも取り組み、今でも「すごい人だったよ」と言っていただくことがあるほど。祖父のエピソードを通じて、中学生の頃には「人の心に残る人間になりたい」という思いが強くなりました。お金や見栄や地位ではなく、人々の役に立つことを一つでも多く残したいと考えるようになったんです。

社会人になるまでの道のりを教えてください。

中学3年生で挑戦した「創造アイデアロボットコンテスト」全国大会で最多特許賞を受賞し、工業高校に進学。在学中は多岐にわたるボランティア活動を行い、文科省の青少年育成活動の代表も務めて月2回ペースで東京に通っていました。卒業後はすぐに就職せず、半年ほどフリーランスのラジオパーソナリティーや司会業を行い、その後はボランティア団体の職員としてイベントプロデュースや地域活性化の提案などを行いましたね。

コケナワ起業までのいきさつも教えてください。

ボランティア団体で1年ほど経験を積んだ後に、これから社会で食べていくための基礎技術を養う目的で自動車車体メーカーに就職しました。そこで自動車設計とCADのスキルを身につけ、次のステップとして人材業界に転職しました。その会社では4年ほど働いたのですが、20代の若手としては異例の出世を果たし、所長代理を任されるまでに。そこで働きながらコケナワを立ち上げて二足のわらじを履いていました。あるときコケナワの存在が知られることとなり、社内規定に反するとトラブルになりました。社長は「苔縄君に出資したらいいのに」と味方になってくれたのですが、社内の理解が得られずで。結局その日で退職となりました。その2019年の秋から、コケナワのビジネスに集中するようになります。

 

職能教育に、ゲームで体感するような冒険や戦いを

2019年秋からの動きを教えていただけますか?

メイン事業である次世代型就職支援サービス「コミットベース」のアプリ開発をメインに、世界最小クラスの携帯トイレ「ぽけっトイレ」の開発やシニアが活躍できる場「プロシニアコミュニティ」、クリエイターがつながる「こけラボ」を通じたイベント活動や動画撮影などを行ってきました。次々に事業を立ち上げているわけではなく、それぞれの取り組みが「コミットベース」の発展につながるイメージでビジネスを組み立てています。この2021年2月に企業の人事部業務全般を支援するアプリを発表。「一発内定」を売りに求職者向け「コミットベース」アプリのベータ版が6月にリリース予定です。

コミットベース

ぽけっトイレ

「コミットベース」では転職支援にゲームを取り入れているとお聞きしました。

スキルアップの見える化のために、アプリにゲームを組み込みました。ゲームをクリアすると転職に必要なスキルレベルが向上するとともに、提携するお店で割引などのサービスも受けられるようになります。スキルが上がれば得られるものが多くなり、生活が楽になるというのは、教育の本質だと思うのです。

なぜ、ゲームを取り入れたのでしょうか?

前提として、日本は民間のビジネススクールやeラーニングの受講完了率が海外に比べて著しく低いという現実があります。これは「職能教育を受けないと仕事に全くありつけないシビアな環境が日本にない」ためだと感じています。その一方で多くの若者が、スマホゲームに夢中ですよね。中には課金までして戦闘力や守備力を強化する方も。職能教育にもゲームで体感するような冒険や戦いがあれば、もっと身近で楽しくやる気になると考えました。

貴社の強みはどんなところにありますか?

たくさんの人が集まっているところはコケナワの強みであり、維持していきたい文化でもあります。現在は社員数17名で、ビジネスを兼業でサポートしてくれる方も同じくらい、ボランティアで応援してくれる方も50名くらいですね。多くの方に支えられてビジネスが加速しているのです。組織の考え方もコケナワの強みの一つです。一般的な会社の組織図は株主・社長が上。でもコケナワの組織図はそれぞれの部門が一番上。上下ではなく独立しているのです。会社のビジョンをもとに、行動指針も社員が設定しました。

苔縄社長が日々心掛けていることを教えてください。

一番は「素直であること」です。いつでも心を開いて素直であることが、人が集まってくる理由の一つです。それが欠けた瞬間から、人は成長できなくなるでしょう。また、人に対するだけでなく自分への素直さも大切にしています。そしてもう一つが「しこりを残さないこと」。わからないことや不安なことは包み隠さず、その場で話すようにしています。もやもやが残ればお互いの心が傷つくかもしれません。ビジネス用語でCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)という言葉があります。いまアメリカではチーフ・メディカル・オフィサーという考え方も出てきているのです。これからのビジネスで重視されていくのは、心身が健康であり続けること。特に心のケアを大切に、周りと接してきました。

 

根幹技術で社会を下支えする会社にしたい

これからどんな会社にしていきたいですか?

キーエンスのような会社にしたいと考えています。キーエンスはセンサー分野などで他社にはない技術を持っています。自動運転の実現などは、キーエンスなしには叶いません。このような社会を下支えする根幹技術で貢献し、潤沢な利益を得て社員に十分な給与を還元できる会社にしたいのです。私たちが手掛けている「コミットベース」は、将来的には採用業界の信用情報を担う存在にしていく予定です。多くの人に活用いただき、社会を活性化していきたいと考えています。

ビジネスを進めるにあたって社員に望むことは何ですか?

社員・スタッフにもやはり「素直であること」を意識していほしいと伝え、ディスカッションを通じて、考えていることをできるだけ外に出すことを望んでいます。そうすることで、安心して働ける職場環境が生まれるでしょう。また、私は名刺に「パッショニスト」という肩書きを記載しました。私と接することで心のエネルギーを満タンにして、毎日を情熱的に生きてほしいのです。

最後に、世のクリエイターにアドバイスをお願いします。

いま、クリエイターの存在意義は高まっています。だから、もっと自信を持ってください。「自信」は「自己肯定感」と言い換えられますが、心理学の観点では自己肯定感に根拠は必要ないそうです。インターネットなどで発信を続ければ、必ず依頼主が現れる時代です。とにかく自分を信じ、アウトプットをどんどん行ってください!

取材日:2021年2月24日

株式会社コケナワ

  • 代表者名:苔縄 義宗
  • 設立年月:2017年1月
  • 資本金:800万円
  • 事業内容:次世代型就職支援サービス『コミットベース』、世界最小クラスの携帯トイレ『ぽけっトイレ』、シニアの活躍出来る場『プロシニアコミュニティ』、イベント活動、動画撮影など
  • 所在地:〒451-0042 愛知県名古屋市西区那古野2丁目14番1号 なごのキャンパス3-9
  • 電話番号:052-990-2752
  • URL:https://kokenawa.co.jp
  • お問い合わせ先:info_jp@commit-base.com

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