「不可能を可能に!アポストロフィーは医療関係者のお悩みを、あらゆる角度からサポート」
医療経営者のあらゆる困りごとを解決するパートナー企業、apostrophe(アポストロフィー)株式会社。
事業内容はWebサイトやパンフレット、PR動画制作をはじめ、採用戦略、従業員との面談代行、覆面調査など多岐にわたり、患者様へよりよいサービスや治療を提供するために医療機関をトータルでサポートしています。
今回は、代表取締役の神﨑 玲郎(かんざき れお)さんに、起業のきっかけや医療コンサル会社ならではの業界の話、今後の展望などを伺いました。
クリニック経営に悩む院長たちをバックアップ
これまでのキャリアを教えてください
元々独立志向があるほうだったんですが、学生の頃にずっと飲食店でアルバイトをしていて、当時の夢は自分の飲食店を持つことでした。色んな店を展開する会社を経営したいと、漠然と思っていたんです。でも当時、お付き合いしていた彼女のご両親がお堅い方だったので、就職しないと安心してもらえないというのがあって、飲食店の夢は保留にしてITのベンチャー企業に就職しました。ネット販売の促進事業だったんですが、働き出して1年半位経った頃に、独立して医療機関のWebコンサルティングの会社を作るという上司にヘッドハンティングされました。そこでは全国の主要都市を回って色んな経験をし、最終的には執行役員になりました。そこで約10年働く中で、学生の頃の夢よりも、もっと大きなことをやりたいと思うようになって、医療機関のWebコンサルティングの分野で独立することにしました。
その会社での経験が現在につながっているわけですね
そうですね。今、医療機関の経営者さまの困りごとを解決するためにいろいろと支援させてもらっていますが、前職で平社員、中間管理職、支店長とあらゆる立場を経験したことで、それぞれの立場のつらさや苦労が分かるようになりました。それは今の仕事に大変役立っていると思います。前職から合わせると、約3000件の医療機関を訪問しましたが、成功も失敗も積み重ねてきたノウハウを生かして「人、物、金」の観点から支援をさせてもらっています。
たくさんの医療機関を訪問して、どんなことが見えてきましたか
我々が取引させていだだくのは総合病院ではなくクリニックが中心なんですが、クリニックは院長を含めて10人以下で運営されているところが多いんですね。院長はスタッフの採用、育成、日々の診療、広告、集患、売上…と、やることがいっぱいあって。当初「こういうクリニックにしていきたい」と思っていたことがあっても「理想にはほど遠い」「難しい」「不可能」と思われている方が結構いらっしゃることが分かりました。社名は、そういったお困りごとをサポートしたいという思いを込めて名付けたんです。
社名の由来はなんでしょうか?
オードリー・ヘプバーンの言葉がヒントになったんです。Impossible(インポッシブル=不可能)のIの後ろに「‘(アポストロフィー)」を付けると、I’m possible(アイムポッシブル)になると。つまり「私は可能」や「私は出来る」といった意味合いに代わるんですね。我々が加わることによって、院長が難しいと思っていたことが実現していくようお手伝いをしていきたいという思いで、社名を「アポストロフィー」にしました。
現在の仕事の軸になっているのは?
現状の取引は歯科医院が8割ですね。その多くが、スタッフの囲い込みや育成という課題をお持ちです。歯科衛生士の採用が非常に難しくて、養成学校は大半が定員割れしている状況で。あるデータによると、福岡県はいち診療所あたりの歯科衛生士の割り当て数はだいたい1.69人で、2人いればまだいいほうなんですね。就業率は49%で、看護師の72%、保育士の68%と比べてみても低いことが分かります。そんな中でも歯科医院は増加していて、一般的にコンビニの3倍あると言われています。福岡県だけでも今、約3000件はありますね。
歯科医院は増えているのに歯科衛生士が不足しているとなると、スタッフの獲得は本当に大変なことですね
ハローワークに募集を出せば、面接に何人か来てくれて決まっていく時代がずっと続いていたんですよ。ですから、残念ながら情報の打ち出し方が分かっていない先生が多いんです。今、求人の媒体に歯科衛生士の募集が載っている内容を見ても圧倒的に情報量が少ないところが多くて、他の企業の求人に比べると簡易的なんです。例えば、給与と勤務時間と所在地とMAPくらいしか載っていない。でも、それを見てもらったところで、選ぶ側は給料や場所で判断するしかない。もう半年や1年、面接すら来てもらえないという歯科医院は多いです。そういったところを改善するために、例えば、今働いているスタッフの皆さんに、何が良いと思って働いているのかアンケートをとって職場の魅力的な部分や特徴を探り出したり、競合がどのような情報を出しているのか分析して、他院と差別化を図るにはどうすればいいかをご提案したりします。これらを生かして作ったものは、これまでの殺風景だった求人媒体に載せる広告よりも特徴が分かりやすくなるので、問い合わせが集まってくるんですよね。働くってすごく大事じゃないですか。働きがいを分かりやすく伝えて、院長が目指すクリニックの姿を明確化して、その目標に向かって一緒に頑張りたいと考えてくれる人材に働いてもらったほうがいいですよね。集患に関しては、すごくいいサイトを作ったからといって患者さんが来られるかというのは別問題なんです。最新のWeb動向や市場マーケティングを用いたブランディング、つまりターゲットに合わせた情報の打ち出し方に重きを置いて、Webサイトを提供しています。あとは、クリニック専用自動精算機の販売や、検索時に上位表示されるためのSEO、地図検索結果にランキングさせるMEO、口コミ対策、スタッフとの関係構築や改善などのお手伝いをしています。
働く人を幸せにする会社を増やしたい
スタッフと院長先生の間に入られる?
あくまでも中間的な立場で入らせていただくんですが、経営の勉強をされている院長は少なく、スタッフの教育に関して思うようにいかない先生は多いです。
立場が離れすぎていますよね。ドクター一強で、あとは平社員みたいなもので中間層がいるところも少ないですし、医療系はそういう部分が特殊だと思います。院長は、スタッフが辞めるのはスタッフ間のコミュニケーションが原因と思っている院長が多いんですけど。実際は院長との関係性がうまくいかなかったという理由が一番多いんです。
ですから、スタッフが院長に言いにくい点はこちらがかみ砕いてお伝えし、スタッフが院長の思いを根本的に理解されていないときはそこをうまくお伝えするようにして、調整役として入ります。業界的に求人の状況は悪いので、やっぱりスタッフを大事にして長く働いてもらえるようにしていかないといけないんですよね。
これからは一緒に働いてくれる人を大事に、幸せにしていくという概念が経営者の中にないと、いつかは衰退していく心配があります。スタッフを大切に思うところが増えていけばいいなと思います。
このお仕事はどんなところが大変でしょうか
お医者さんと接点を持つ機会を作るのが大変ですね。そして、すごく勉強されて頭がいい方が多いので、先生が不得意な分野において信頼されるくらいこちらが勉強していないといけませんし、伝える力がないといけません。前職では中小企業に営業していましたが、そのときは社長さんに「おもしろい」「こいつ、いい奴そうだ」と思っていただけたら受注が取れることも多かったんです。でも医療系はそういうのは一切なくて、信頼を得るまでに時間がかかりますね。
経営の大変さは自らを高める糧に
会社経営のご苦労は?
大変ですね(笑)起業して最初の1、2年目は、思っていたほどうまくいかなかったというのがあります。でも逆に、そういう時代があったからこそ良かった、ポンポンポンと順調にいかなくて良かったと思います。ある程度の規模の組織を回すほうが向いていたのか、小さなところを大きくしていくほうが向いているのかを考えたら、前者のほうが自分には合っていたかもしれないと思うことはあります。ただ会社を興してからの経験は、僕の人生にプラスになっていると思うので、独立してよかったですね。
今後の展望を教えてください
会社の方向性としては、歯科医院に特化していこうと思っています。全ての物は口から入ってくるわけですよね。歯って体の中ですごく重要なポジションなのに、日本人は歯科医院に定期的に行く方も少ないですし、歯周病の方が多いんです。今後は医療費の負担が大きくなっていくでしょうし、自分で病気を予防する必要性があると思うので、そういう意味でもいい歯科医院が増えてほしいんです。そのためには、働くスタッフが幸せじゃないと業界も盛り上がっていかないので、支援をしていきたいなと思います。いずれは自分の会社でも、歯科医院の運営をしていきたいと考えています。
どんな会社でありたいですか?
従業員とその家族がいろいろな意味で豊かになれる会社を作りたいと思っています。給料の面でもそうですけど、心の豊かさの部分も気遣って大事にしていきたいですね。「神崎君のところのスタッフさんは素敵な人が多いよね」と言っていただけるような会社でありたいと思っています!
取材日:2021年2月22日 ライター:中島 敬子
apostrophe株式会社
- 代表者名:神﨑 玲郎
- 設立年月:2020年3月
- 事業内容:医療機関のWEBサイト制作、PR動画、採用戦略の企画提案、クリニック自動精算機の販売、従業員面談代行、覆面調査など
- 所在地:〒810-0013 福岡市中央区大宮2丁目5-5 ニチエイ大宮ビル2F
- URL:https://apostrophe.website/
- お問い合わせ先:上記ホームページの「お問い合わせ」より