WEB・モバイル2021.05.19

金融に特化したAIシステムの立案から運用まで、強みを生かすエンジニア集団

福岡
ディープリサーチ株式会社 代表取締役
Ryo Fukazawa
深澤 亮

2021年6月に創立4周年を迎える「ディープリサーチ株式会社」は、高い技術力を持つ少数精鋭が集まるエンジニア集団。AIシステム開発、アプリケーション開発、Webサイト制作、Webマーケティングなど、さまざまなニーズに高いレベルで応えてきました。

特に金融系にまつわるさまざまなコンテンツの企画、制作を得意とし、大手の経済誌のサイト制作も手掛けています。代表を務める深澤 亮(ふかざわ りょう)さんにこれまでの道のりとシステム開発への思いやこだわり、今後の展望、求める人材について話を伺いました。

 

東京で10年エンジニアの経験を積み帰福して起業

会社を立ち上げるまでの経緯を教えてください。

福岡の大学を卒業した後、東京の方で金融系のソフトウエア会社に入り、そこでエンジニアをしていたんです。

当時、副業で人工知能を使った株の自動売買システムを個人で作っていて、それと投資関係の収益を、いつかまとめようと思っていました。その時にはまだ独立したいという気持ちはありませんでしたね。10年くらいして、そろそろ地元に戻ろうと決めて、帰ってきて福岡の会社に入社しました。

福岡でも副業は続けていました。週末に時間のゆとりもあったので、3、4年経った頃に調べてみて、実は気軽に会社を作りました。

設立後はどのように事業を展開したのでしょうか。

2017年の設立当初はどんな会社にしようというはっきりしたイメージはなかったですね。正直、趣味の延長で熱い気持ちもなく(笑)。

基本的には以前からやっている株の自動売買システムを使う副業用の会社で、社員は自分一人だったし、完全に趣味でやっていました。もちろん売り上げもなかったですよ。

1年くらい経って、以前勤めていた東京の会社の上司から、「仕事を手伝ってほしい」という話が来たんです。これは継続する話になると思ったので、ついに勤めていた会社を辞めて独立したんです。

これから人数も必要になると思ったので、自分が勤務していた福岡の会社から優秀な後輩のエンジニアを2人呼びました。彼らが仕事できることもわかっていましたし、そこからは順調に進みました。スタッフも増やすことができ、現在は自分を含めて全部で4人います。

 

大手経済誌のWebサイト制作がレギュラー化

御社の現在の事業内容を教えてください。

現在、大手出版社の経済誌のWebサイトをメインで作っていて、もう3年目。制作は東京の元上司や元同僚が働いている会社と共同で作っています。

具体的に言うと、その中で証券会社のサイトを制作しています。株価やニュースがあって一銘柄に1ページあるようなサイトですね 。

約4000銘柄あり、自社で開発したプログラムを使って作ります。その他、コンサルティングやシステム開発に関しては、時々、依頼されたらスポット的に行うこともあります。

 

難易度の高い方が、やりがいがあって面白い

社名を「ディープリサーチ株式会社」にした理由は?

最初、趣味で会社をやっていたので「ディープ」は自分の名字である「深澤」の「深(ふか)」。「ブリヂストン (石橋)」的なのがいいなと思って(笑)。ただ「澤(さわ)」っていうのが英語にしてもピンと来ないので、「亮(りょう)」のRで「リサーチ」にしました。

AIの会社で「Google(グーグル)」の配下に「DeepMind(ディープマインド)」という有名な会社があるんです。囲碁のAI「Alpha Go」を作ってプロ棋士に勝ったことで世に知られた会社です。その会社でやっていることがかっこいいと以前から思っていて、そんな会社名もいいなあと(笑)。

「ディープリサーチ」という社名を聞いた人がプラスにイメージしてくれそうだと思って名付けました。それとAIでは今「ディープラーニング(深層学習)」が流行っているので、その印象を与えられたらと考えました。

御社のホームページには「金融とAIを中心とした、ソフトウェア開発のプロフェッショナル」とあります。

どこでもやれるような簡単なことは、うちはやらないんですよ。面白いこと以外はやらない。

作る側が「面白いと思えそうなシステム」や 「考え方に基づいたもの」以外は作らないということです。これは自分自身の思いでもあり、会社の思いでもあります。新しいことにチャレンジしたいんです。

その方がやりがいもありますし。もとは気軽にはじめた会社ではありますが、仕事は難易度が高くないと面白くないと私は思っています。

単純なホームページはうちは作らないです。でも「AIで分析して、売り上げをUPしょう !」となると面白くなるんです。

ある程度、難易度の高いことをやることで自分達の技術力を高めていける。金融系でも、今までにないデータ分析や数学を使うようなシステムなら、やりたいな、面白そうだなと思います。

御社では解析や分析で、どんなことをしていただけますか。

なかなかそんなに簡単には進まないので、今のところはまだ、ログを解析しているくらいですね。ただクライアントといっしょに達成感を得たり、喜んでもらえるようなこともしたいと思っていて、準備中です。

ちゃんとした分析を行っていない会社が多いような気がします。 裏付けを持っていない分析が多い。数学の知識がある程度ないと分からないと思います。図を見ても意味が分かっていないとか。

ある程度、きっちりとしたベースがある上で分析していかないとダメで、そこに関してうちは徹底していると思います。何となくの分析では意味がないので。うちが作ってうちしか見方が分からないといけないので、そこは分かりやすく作ったり、いっしょに考えたりしますよ。

例えばサイトA、サイトBのクリック数を比較するとします。 Aが10クリックでBが9クリックだった場合で、Aが素晴らしいといえるかというと、あまり変わらない。でもAが1,000クリックでBが900クリックなら、ちょっとAの方が良さそうですよね? Aが10クリックとBが9クリックだと差がなさそうでも、Aが10,000クリックとBが9,000クリックだと確率はAの方が高そうじゃないですか。ではどのくらいの数だとAが優れているといえるのか、分かりますか?

そういった、何となく10だったら良いだろうという意思決定をなくし、ちゃんと確率に根差して意思決定できるようなソフトウエアを作っていきたいなと思います。アメリカは、それができている会社が多いです。

 

優秀なブレーンによる自社コンテンツの開発を計画

自社のコンテンツを開発予定だそうですね、どのような内容か教えてもらえますか?

やっぱり、いろいろ面白いものを作っていきたいです。まだ具体的ではないのですが、例えば「積み立てNISA」のツールなどは、やりたいですね。それ自体が良い制度だと思うので、誰でもうまく「積み立てNISA」を運用できるアプリができたらいいなと思います。

ちなみに自分は証券アナリストなので「株」系は結構得意で。自分自身が欲しいものを作りたいという思いはありますね。

面白そうですね。コンテンツ開発にはこの先、新しく入るWebディレクターも関わることができますか?

はい。その時にワイヤーフレームを作れたらいいなと思います。なお、うちはエンジニアに求めるレベルは相当高いです。Webディレクターも日々、勉強してもらうことで自ずと力が付いてくるでしょう。金融系だけでなく日頃からアンテナを張って、幅広く対応してもらえたらいいですね。

 

個人が伸ばしたい能力に合わせて会社が成長をバックアップ

職場の環境づくりで大切にされていることは何でしょう。出勤体制はどのような形でしょうか。

うちは生産性を大切にしています。基本は自由度が高く、マイクロマネージメントしないので細かくは言いません。

出勤体制については、今は「コロナ禍」なので在宅の割合が多いですけど、本来は「家で1日、残りは会社」というのが基本だったんです。出社した方が生産性は絶対に高いので。

そのことは「Google」が調べているんですよ。「いいエンジニアは狭い所に押し込めて自由にさせろ」って(笑)。それに従っていますね 。Webディレクター職も出勤体制の基本は同じです。要望がある場合は相談に応じています 。例えば家で用事がある、通院するなどの理由があれば考えますし、 でも会社に来なくて良いというわけではないです。

成長する機会を設けられるなど何か工夫社内で努力や工夫されていることはありますか。

エンジニアを対象にして、 金曜日に1時間、AI系の勉強会をしています。事前に本を渡して読んでおいてもらい、分からない点を1時間で話し合っています。Webディレクターの場合はその本人がどんな方向で伸びていきたいか、何の学びを深めたいかによりますね。例えばプロジエクト管理がしたい、UIを極めたいとか。その方向によってフォローします。

あとうちでは基本的にデザインは外注するので、デザインを勉強したいと言われても私はついていけないです(笑)。

勉強のためなら本も自由に買ってOKです。役に立ちそうなセミナーに参加したい、資格が取りたいなどの場合は、費用を会社から出します。PCはMacBook ProもしくはWindowsを用意しています。ここはシェアオフィスなのですが、良い椅子を使っていますし、コーヒーなどは飲み放題です。福利厚生の方はこれからもっと充実させていきたいですね。昇給制度もちゃんとあります。

 

欲しいのはコミュニケーション能力があり全体を見通せる人

いっしょに働くスタッフの人材像を教えてください。

人と気軽に話せる明るい人だったらいいですね、うちには寡黙な人間はいっぱいいるんで(笑)。社内がわりとシーンとしているので明るい方がいいです。今いるエンジニアは30代が多いですけど、力があればもっと若くても構いません。

エンジニアはみんな理詰めで話すんです。だからといって理詰めにならなくていいです。たぶん相手にならないと思うんで(笑)。

だから逆の方向で、例えば「感性」などの強みや個性を生かした方向で活躍してもらえたらと思います。スタッフに合わせるといっても、そう深く考えなくていいですよ。

今回(※)募集している Web ディレクターの業務内容とは?

まとめ役みたいな役割の人がいたらと考えています。クライアントの意見を聞いてそれを割り振ったり、社内でコミュニケーションを図ってくれる人が欲しいですね。今は自分がWebディレクターを兼任していますが、共同で制作している東京の会社と連携し、出版社とも直接やりとりをしています。オンラインの打ち合わせが基本ですけど、今後、コロナが落ち着いたら東京出張もあるかもしれません。

※2021年4月時点

求められるのはどのようなスキルでしょう。デザイナーやコーダーからキャリアチェンジも可能ですか。

ワイヤーフレームを作ることができる、HTMLとCSSを理解している、JavaScriptが裏で動いていることくらいは分かってもらえたらいいです、実際に担当することはないですから。基本的には出版社ときちんとやりとりできる、つまりコミュ二ケーション力が高いことが大切ですね。

デザイナーやコーダーからディレクターを目指す人でもいいです。1回はワイヤーフレームを作った経験があり、ある程度流れが分かって全体が見通せる人がいいですね。ディレクターはきちんと しゃべれないといけないので。

今後の御社に貢献できる人材とは。

うちの場合は金融・経済について知っておくに越したことはないです。さらにできれば時流についていける人。

いつも打ち合わせする東京勢は優秀な人ばかりで、彼らトップクラスの知識を持っている人たちを相手にするわけです。知識と協調性が両方あるといいですね。でもコミュ力が高ければ何とかなりますよ。

今後、会社を無理やり大きくしようとは思っていないんですよ。今の仕事量で2年くらい残業はないですし。ですので、今この余裕がある時にエンジニアも勉強しておく、Webディレクターも力を発揮してもらい、レベルアップしておいてもらいたい。そして何より自社コンテンツで何か面白いものを作っていきたいですね。

取材日:2021年3月25日 ライター:永留 じゅん

ディープリサーチ株式会社

  • 代表者名:深澤 亮
  • 設立年月:2017年6月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:Webサイト制作、Webマーケティング、アプリケーション開発、AIシステム開発など金融や株にまつわるさまざまなコンテンツの企画、制作
  • 所在地:〒810-0801福岡県福岡市博多区中洲5-3-8アクア博多5階
  • 電話番号:092-287-9702
  • URL:https://www.deepresearch-inc.jp/

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP