グラフィック2021.08.10

株式会社ATISは街をかっこよくする、唯一無二のデザイン会社

四日市
株式会社ATIS 代表取締役
Taro Iwataki
岩瀧 太郎

四日市を拠点に三重エリアのデザイン・カルチャーシーンを牽引する、株式会社ATIS(アティス)。表現力・提案力・対応力を駆使して多角的な視点から課題にアプローチし、顧客の期待を超えるデザインで”ATISでなければ”と思わせる仕事を続け、信頼を積み重ねています。少々尖ったチームを率いるATIS代表の岩瀧太郎(いわたき たろう)さんに、起業までのユニークな道のりや会社の強み、今後の展望、クリエイターへのアドバイスなどを伺いました。

19歳で起業、バンドでも夢を叶える

岩瀧社長は10代で起業されたとお伺いしました。

中学生で音楽とファッションに夢中になり、高校生の頃には「服屋をやる!」と心に決めていました。卒業して一度は別の業界に就職したものの、すぐに辞めて服屋でアルバイトを始め、19歳の時にオーナーからお店ごと引き取ることを提案されました。当時はバンド活動で数百人規模のイベントも手掛けていたので、そのマネジメント手腕を買ってくれたんです。

そこからの道のりもお聞かせいただけますか?

服屋ではストリートブランドを旗揚げし、東京・恵比寿にも事務所を構えて全国販売を行うまでになりました。並行してやっていたバンドはメジャーデビューを果たし、3枚のアルバムをリリースできたんです。

すごいですね……。そうして順風満帆なまま、現在のデザインの仕事につながっていったんでしょうか?

27歳までは並列で活動してきたのですが、バンドが解散となり、ストリートブランドもファストファッションの台頭でブームが下火に。損害が大きくなる前に事業をたたみましたが、それでも借金が残ったので、建設業者さんで1年間アルバイトをして完済しました。そして、パソコンが1台あれば事業が成り立つデザインで、やっとビジネスのリスタートを切ったんです。

それが株式会社ATIS設立につながったのですね。

立ち上げ1-2年目は年商が平均的な会社員の年収くらいしかなく、人も離れていったりし苦労しました。Webマガジンもいち早くスタートしたのですが、時代がまだ追いついていなかったので収益につながらずで。

そこで、Webではなく紙のタウンマガジン『JOINFO MAG』の発刊で勝負に出ました。当時のビジネスパートナーは大反対だったのですが、バンド時代の人脈をつたって表紙に芸能人を載せるなど、四日市では斬新な誌面で話題作りを行いました。

『JOINFO MAG』のおかげで会社の知名度も上がっていき、その後は事務所にカフェと服屋を併設したり、グラフィックデザインだけでなくWeb、動画、内装デザインやイベントなども積極的に行ったりするなど、ATISは常に変化を続けてきたのです。

 

音楽も、ファッションも、デザインも根っこは同じ

 

グラフィックだけでなく、さまざまな領域のデザインを手掛ける理由を教えてください。

僕の中で、デザインはカルチャーの一部だという認識があります。音楽も、ファッションも、そしてデザインも根っこは同じで、表現するものもグラフィックだけに限定する意味はないと思うんです。「カルチャーを表現する」そんな想いをもとに、ATISを「街をかっこよくする、唯一無二のデザイン会社」として成長させています。

会社名「ATIS」の意味を教えていただけますか?

ATISは「ART」「TEAM」「IMAGINATION」「SYSTEM」の頭文字から取りました。デザインブランディングを行うストリートカンパニーに必要な4つの要素が込められています。

会社の強みはどんなところでしょうか?

すべてのスタッフがクリエイティブに真剣なところだと思っています。目の前の課題に真摯に向き合い、いいモノを届けたいという気概にあふれています。見た目がいいデザインは世の中にたくさんありますし、それを模倣すれば似たようなモノができるかもしれません。しかし、本物のデザインをするにはカルチャーへの深い造詣が必要です。ファッションや音楽を知っている人じゃないと、本物のデザインはできないと僕は考えています。

岩瀧社長の原点となった「ファッション」と「音楽」それぞれの魅力を教えてください。

ファッションは「自分を10から100にしてくれるもの」だと感じています。そして音楽は「自分のマインドを180°変えてくれるもの」。何かしんどい、厳しい状況の中にいても、音楽を聴けば気分がガラリと変わりますよね。

 

四日市の文化度を底上げし、若者も遊べる街にしたい

 

岩瀧社長が日々大切にしていたり、スタッフに話しているのはどんなことですか?

スタッフには「なんでもいいからオタクであれ!」と話していますね。なにも興味がない状態はよくないですし、広さよりも深さが大切です。

何かに熱中していれば、どこか深いところでつながっているモノやコトが必ずあります。僕自身、社内の誰よりもオタクでアホであろうと心掛けています。だって、ただ真面目な人がつくるモノって面白くないじゃないですか(笑)。

あとは、デザインはもちろん、生き方のレベルで「かっこいいか?かっこよくないか?のものさしで物事をジャッジする」を会社のルールとしています。

今後のビジョンについてお聞かせください。

以前はずっと、東京を向いてクリエイティブワークをしていました。ATISがある四日市は遅れていると感じていて……。しかし、インターネットの発展やSNSによって世界のどこにいてもトレンドの最先端に触れられるようになりました。デザインの力で四日市の文化度を底上げし、若者も遊べる街にしたいと考えています。また、コロナ禍を経た今の時期は、ただ最先端を追いかけるのではなく、じっくりとカルチャーの歴史をさかのぼってクリエイティブの本質を見極めていきたいと考えています。そのうえで最先端に触れることで、より質の高いアウトプットができるはずです。

最後に、世のクリエイターにアドバイスをお願いします。

「クリエイター」と呼ばれる人材はいくらでもいます。また正直、デザインのパターンも出尽くしている気がします。

インターネットで検索し、活用すれば、誰でもそれなりのアウトプットはできるでしょう。そのような状況の中でひとつ上にいくには、人間力がものすごく大事です。

若い頃から多くの経験をした人は、土壇場で力を発揮できるのではないでしょうか。恋愛して傷ついた分だけ、ハートは強くなります。好きなことに熱中し、常に挑戦して経験値を高める、それがいいクリエイティブにつながるのだと思います。

 

取材日:2021年6月21日

株式会社ATIS

  • 代表者名:岩瀧 太郎
  • 設立年月:2008年7月
  • 資本金:300万円
  • 事業内容:ホームページ制作、グラフィックデザイン、映像制作、チラシ・ポスター・フライヤー・グッズなどのデザイン
  • 所在地:〒510-0075三重県四日市市安島1-7-15BONビル1・2F
  • 電話番号:059-350-1015
  • URL:https://atis-design.com
  • お問い合わせ先:https://atis-design.com/contact/

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