WEB・モバイル2021.11.17

未経験でのチャレンジから1年2ヶ月で起業。バンブークルーはまさに破竹の勢いで駆け上がるスタートアップ

札幌
バンブークルー株式会社 代表取締役
Ryo Kato
加藤 諒

バンブークルー株式会社は、2021年7月に設立したばかりのWeb制作会社です。代表の加藤諒(かとう りょう)さんは、起業する1年半前まではバーを経営していたのだとか。

未経験からフリーランスとしてクリエイティブの世界に飛び込み、そこから1年余りで起業されたという驚きのスピード。そんな加藤さんに、起業のきっかけや現在の事業、一緒に働くスタッフなどのお話を伺いました。

 

未経験からWebデザイナーに。それから1年2ヶ月でスピード起業

加藤さんは未経験からWeb業界に飛び込んだと伺いました。

前職はススキノでバーを経営していました。コロナの影響で店をたたんで、「さてどうしようか」と考えていたところ、先輩から「一緒に働かない?」と誘ってもらったのが、この業界に入ったきっかけです。店舗設計や店舗デザインなどをメインに行っている株式会社N3 PLANNINGで、フリーランスのWebデザイナーとして働き始めました。それが2020年5月のことでした。

それまでにデザインの経験はあったのでしょうか? 実は学校で学んでいたとか?

いいえ、まったくの未経験です。それでも先輩は「できると思うよ、きっと好きだと思うんだよね。」と誘ってくれて。以前からちょくちょく声をかけてもらってもいました。ソフトの使い方もまったく分からない状態からスタートして、働きながら学んでいきました。ツールが使えるようになって、自分の頭の中にあるものを形にしていけるようになってくると、とても面白くなっていきましたね。

その翌年7月に起業というスピードがすごいですね。何かきっかけがあったのでしょうか?

リアルな話で言うと、お店を経営していたときの借金があったからです。借金を返済しつつ、諸々の支払いをして……となると、現状の収入では足りませんでした。収入を増やすには、仕事を増やすか、仕事を変えるか、自分でやるかの選択。起業してしっかり稼げるという目算があったわけではありませんが、未来のことは考えても分からないですし、「やるしかないぞ!」の気持ちで起業しました。

コロナ禍での起業で苦労されたことはありますか?

苦労と感じたことは特にありませんね。コロナによる影響もあまり感じていません。前職でお店をたたんだように、飲食業界は分かりやすく影響を受けていますが、ITやWebの業界は直接的な影響は少ないのではないでしょうか。むしろ、多くの方にとってオンラインで過ごす時間が圧倒的に増えたのは、コロナ禍のポジティブな側面だと個人的には思います。

ただ、自分はこの業界の経験が少なかったですし、一人で起業しようとは思っていませんでした。自分一人ではまだまだ技術的にもできることが限られているので、できる人を引き入れないとダメだと思っていて。一緒にやりたかった2人に声をかけました。

「断られたらどうしよう」とはあまり考えず、「君たちしかいないんだ!」という勢いで声をかけたので、振り返ると多少は不安でした。もし2人に断られていたら、今の形はなかったかもしれないですから。

 

まずは試行錯誤。挑戦して、間違えていれば直せばいい

起業されて2ヵ月あまりですが、一番お忙しい時期なのではないでしょうか?

そうですね、生まれたての赤ちゃんのようなものです。でも、やりたくて始めたので、忙しくても楽しいですよ。新しいことを始める、試してみる、ダメだったら直すというプロセスがすべて面白いです。印刷物や看板なども声をかけていただく限りは対応していくつもりで、まだWeb制作案件は全体の半数に満たないくらいですが、LP制作に力を入れていきたいと思っています。

近い目標としては大きな予算のLP制作に加え、現在自社のプレゼン資料作成代行のサービスサイトを11月リリースに向けて制作中なのですが、このサービスサイトからの月間受注数10件を目標としています。

また、自社でやりたいサービスの構想がありそのために2022年の目標として、自社の人工衛星を飛ばすことを目標に、現在あらゆる手を尽くしながら実現に向けて動いております。

もうすでにたくさんの仕事を受注されていると伺いました。どんな業種との仕事が多いのでしょうか。

飲食店や美容系のほか、不動産や解体業者、中古車販売やバイクのディーラーなど……さまざまですね。Webとの融和がまだ少ない業界にアプローチしていく考え方から、ターゲットのひとつとして北海道内のお寺に営業をかけたりもしています。まだまだお話できる機会が少ないので、自社の資料やペンで書いた手紙を送ったりして、昔ながらの営業活動も行っていますよ。

印象に残っている仕事はありますか?

起業して初めて受注した「ゼロからWebサイトを作る」仕事が、印象に残っていますね。別件の打ち合わせのために大通地区にあるコワーキングスペースを訪れたのですが、そこのマネージャーが、以前同じ職場で働いていた方だったんです。

さらに、N3PLANNINGでデザイナーをしていたときに、系列店のWeb制作や制作物を私が担当していたことが分かり「実はWebサイトを作りたいんだよね」って依頼をいただきました。偶然の再会が起業初の仕事になったのです。今までの仕事や人のつながりに縁を感じましたね。

仕事をするにあたって、会社として大切にしているのは何でしょうか?

お客さまの依頼が、本当に目的に対する効果的な方法なのか、依頼していただいている方の立場に立って考えることを大切にしています。例えば「Webサイトを作りたい」と言われたときに「Webサイトを作る目的と真のゴール」は何なのかを探り、そこからぶれない提案をする。ニーズを丁寧にヒアリングして、大切なことはきちんと伝えていきたいと思っています。

 

お客さまの目的の前後にある、感情やストーリーに向き合いたい

一緒に働くスタッフについて教えてください

現在は私のほかに、デザイナー1名、営業1名の体制で業務を行っています。デザイナーは知識も技術もしっかり備えていて、弊社のWeb制作会社としての心臓部です。優秀で、経験の浅い私にはできないことができるため、とても頼りにしています。

営業スタッフは、この業界は未経験でWeb制作の知識もゼロからスタートしています。彼は、人の懐に入るのが上手というか、相手の心の機微をとらえる感覚が繊細で敏感。教えられてできるものではない、営業として重要な能力を持っていると思いますね。とても信頼のおけるスタッフで、安心してクライアントのもとに送り出せています。

私自身は人とのコミュニケーションが好きで、どんな相手とも「向き合う」ことをとても意識しています。せっかく縁があって仕事をするのだから、仕事の用件だけのやり取りで終わるのではなく、相手についてちゃんと知りたいなと。

別に知らなくても仕事は成立しますが、相手の背景や興味の対象、相手がどんな人なのかをちょっとでも知れば、そこから良い連鎖が生まれると思うんです。

今後は増員も視野に入れていると伺いました。どんなスタッフと一緒に働きたいですか?

弊社で一緒に働く人に求めたいのは、成長の機会を会社に依存しない感覚です。「自分は自分で成長する、そして会社に対してこんな貢献ができる」という方と一緒に働きたいですね。優秀な方はぐんぐん成長していずれ私のように独立するかもしれませんが、そういったことはあまり気にしていません。

現在はフリーランスの方とチームを組んでいる仕事もありますが、いずれは社内のスタッフを増やして、組織を大きくしていきたいです。

クリエイターを目指す方へ、一言メッセージをお願いします。

あなたの世界はあなたの思った通りのものになります。できると思う、できないと思う、どちらも正解です。余計なことは考えず、やりたいことに時間を使い最大限行動することが何よりも近道なのではないでしょうか。

取材日:2021年9月13日 ライター:小山 佐知子

バンブークルー株式会社

  • 代表者名:加藤 諒
  • 設立年月:2021年7月1日
  • 資本金:2,000,000円
  • 事業内容:Webサイト制作、運用
  • URL:https://bamboocrew.co.jp/
  • 問い合わせ先:上記ページ[Contact]より

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