四半世紀の信頼と実績、確かな技術力でお客さまをサポートする有限会社ネスト
1996年に宮城県で起業、四半世紀の間、お客さまに確かな技術を提供し続ける「有限会社ネスト」。
代表取締役の枡澤慶典(ますざわ よしのり)さんに、この業界に入ったきっかけ、会社を立ち上げた経緯を伺いました。
最初はテレビ局のカメラマンになりたかった自分を導いた父の一言
もともとコンピューターやITにご興味はおありだったのですか?
学生時代はテレビ局のカメラマンに憧れていました。かっこいいですよね、カメラマン。テレビカメラの勉強をしようと「専門学校へ行きたい」とパンフレットを親に見せたんです。すると父親から「これからコンピューターの時代だから、そっちの方面へ行った方がいい」という助言をもらって、IT系の専門学校へ進みました。
勉強しているうちに、ITもだんだん面白くなってきたんですよね、「こんなことができるんだ!」って。そこから、この業界に入りました。最初からITに興味があったわけではないですが、人の助言を素直に聞いてここにいきついた感じです(笑)。
起業までのキャリアと、独立したきっかけを教えてください。
起業のきっかけは、ネストの前に勤務していた会社を、当時の社長が畳んだことですね。コンピューター業界は当時ずっと右肩上がりで成長していましたが、初めて不況になった時期がありました。平成6年か7年くらいですね。
そのタイミングで当時の社長が「ここで負債を負いたくないから、もうやめる」って。 私はそのとき45歳で、新しい会社に就職する気がなく、しばらくフリーランスでSEをしていたら、父親から「フリーでやるなら俺も手伝うから、会社を作らないか」と言われて設立したのがネストなんです。当の父親は、その8ヶ月後に他界してしまったのですが。それがちょうど25年前のことで、今に至ります。
当時の印象に残っている出来事があれば、教えていただけますか。
当時はオフコン(オフィス向けのコンピューター)のSEをしていました。今のように個人向けのパーソナルコンピューター(PC)を支給する時代ではなく、企業は事務所向けに中型・大型のマシンを導入していたんです。
ある日、メーカー担当者と一緒に取引先へ行ったところ、社長室の窓から庭先にオフコンが投げ出される瞬間を目にしました。「こんなに大きいだけで使えないものなんていらない! 引き上げろ!」という声が聞こえて。どうやら、なかなか引き取りに来なくて、怒った社長がオフコンをぶん投げた、という。
経費を使う高価な買い物で、本来は「業務のやり方さえも変えるもの」ですが、当時は「ITリテラシー」という言葉が存在しないころなので、みんながみんな、わからないんですよ。わからないものは、面倒くさいから使いたがらないのは当然ですよね。それにしても、あのときは担当者さんと私、二人とも本当に帰りたかった……。
創業から四半世紀、ネストの「いま」
現在のネストさまの事業内容について教えてください。
客先に常駐して行う案件を主体としていますが、コロナ禍で、自社からリモートで作業するケースも増えてきました。主に10-20人前後のプロジェクトに参画しますが、東北の他県や関東圏からもお話しをいただくケースもあります。
自社の製品ではありませんが、最近お客さまに勧めているのは、固定IPの取得です。リモートワークが主流になっている今、固定IPを取得することで外部からでも社内システムにアクセスできますので、ツールの一つとして導入を提案しています。
枡澤さんが、仕事でやりがいを感じるのはどんなときか教えてください。
忙しいときかな(笑)経営はもちろんですが、今でも技術者として時々現場でシステムの設計に関わることがあります。新規のシステムを構築する案件でも、今あるシステムへの機能を追加する案件でも、システムを取りまとめて、仕事を完了できたときは充実感がありますね。
最近は一からシステムを構築することは少ないですが、例えば紙の帳票をシステムに置き換える場合、業務全体に関わります。その業界のことを知らないとお客さまへの提案ができませんし、知識がなければ「あのSE、話が通じないから変えて」と言われてしまうこともあります。
加えて、お客さまの業務システムを構築・設計する場合には、業界の知識に加えて経営についても知識を持っている必要があります。オフコンのSEをやっていたときは、まっさらなところからシステムを作ることが多く、それがとても楽しかったです。そのときの経験が、現在いただくお仕事でも生かされている、と感じます。
ちなみに私ができる言語はアセンブラ、COBOL、VB、PHP、Java等でしょうか。HTMLもちょっとした作業をするくらいは触れます。個人でSwiftも少し勉強しましたが、アプリケーションを作る上でOSに依存する言語だったので、すぐにやめました。
新しいものが好きで、今現在の案件がどういう方向に進んでいるのか、どういう言語が今後主流になっていくのか、という点は常に見るように心がけています。コロナの状況でなかなか動けませんが、仲間うちで情報交換をしたり、オンラインの集まりで情報交換をしていますね。
自主性を持って仕事に取り組んでほしい〜ネストの「これから」
御社の将来のビジョンを教えていただけますか。
一緒に働いてくれるメンバーを増やして、自社製品の改良をしていきたいです。また、派遣型のSE業務の場合、派遣された個々人の中に知識やノウハウが蓄積されますが、社員間で共有することが難しいので、今後は請負型の仕事を増やし、会社としてノウハウを蓄積していこうと思っています。
「御社の強い分野はどこですか?」と聞かれることも多いので「会社概要」に記載できるような実績を積み上げていきたいですね。
一緒に働く社員のみなさんに求めるものはありますか。
自主性ですね。運用にしても、仕事のやり方にしても、自分で考えて動いてほしいです。こちらが言う通りにやるだけでは、それなりのお給料しか出せませんよ、ビジネスパーソンとして単なるイエスマンでいるのはダメだよ、と会社のメンバーにも常々言っています。
例えば「こういう言語を勉強して身に付けたので、仕事で使ってみたいです。」という希望があれば、会社としてもできるだけバックアップします。もちろん希望を叶えられないこともありますし、仕事でやる以上は生半可な覚悟ではできませんが、それくらいの前のめり感がほしいです。
日々の仕事に追われて時間がないということもわかるのですが、1日5分ずつでも勉強して、知識を積み重ねてほしい。もらっているお給料分だけ働けばいい、という時間を切り売りする人間にはなってほしくないですね。
これからの10年の、御社を含めた社会の展望を教えてください。
業界や分野に関わらず、ITの知識やスキルがもっと広まっているといいな、と思います。それは、自分たちの仕事のやりやすさにもつながりますし、生活もしやすくなりますから。ネストの規模は大きくしたいですね。
そして弊社のパッケージソフトを改修して、さまざまな分野で応用できるようにしたいです。例えば、勤怠システムを改良することで、介護分野に応用できると考えています。介護タクシーのドライバーさんは、毎日、A3の紙に出力されたスケジュール表の自分のところだけを、カッターで切り取って確認しているんですよね。それが、スマートフォンやタブレットで確認できたり、到着や出発の連絡もシステム化することで、ドライバーさんは楽になりますし、会社も一括管理ができるでしょう。
まだまだデジタル化されていない分野はありますので、わたしたちが培ってきた技術でお手伝いをしていきたいです。
取材日:2021年9月9日 ライター:渋谷 亜也
有限会社ネスト
- 代表者名:枡澤 慶典
- 設立年月:1996年11月
- 資本金:3,000,000円
- 事業内容:システム開発事業、Web系サイト作成・コンテンツ開発、パソコン教室
- 所在地:〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町2-14-26 保坂ビル3F
- URL:http://nest-ltd.net/html/index.html
- 連絡先:http://nest-ltd.net/html/contact.php