運用を強化し、成果を確実に出せるWebサイト制作に邁進する「セッテンラボ株式会社」
沖縄県内の多くの企業や行政のWebサイト制作を主軸に、その運用や紙媒体の制作を担う「セッテンラボ株式会社」。代表取締役の平田啓介(ひらた けいすけ)さんは、音楽業界に長く身を置きながらも、テレビ番組を制作、アパレルショップを経営するなど、多彩なキャリアの持ち主です。さまざまな仕事を経験したからこそ感じられるWebの魅力、そして今後の展望を伺いました。
音楽業界からの独立
キャリアのスタートを教えてください。
独立する前は、地元の沖縄で音楽事業を展開していたClimax Entertainmentに勤務していました。私は業務として直接タッチしてはいませんが、当時その会社の所属アーティストだった「Kiroro」や「HY」が全国的に人気で。
その他にもたくさんのアーティストが所属しており、私は彼らのプロモーション活動やミュージックビデオの制作、Climax Entertainmentの自社制作テレビ番組に携わるなどで、とにかく忙しかったです。
Climaxは自社でテレビ番組を制作する部署を立ち上げたばかりで、どのように進めていくか手探りしている状態で、人手も不足していました。そのような環境に私は友人の誘いでテレビ番組制作として入社しています。
TV番組の制作は大変でしたが、優秀な人も多く、テレビ制作班は社内で評価されていました。私はDTPの経験もあったことから、アーティストのプロモーションに必要となるWebや紙媒体の制作も任されるようになりました。
未経験でテレビ番組を制作するのは、かなり大変のように感じますが?
私含めスタッフ全員が素人同然だったので、本当に大変でした。しかしタイミングよく番組制作がアナログからデジタルへの変換期に入り、パソコンさえあれば編集できるようになったので、勉強しながらなんとか作り上げていました。
とはいえ、30分のレギュラー番組を週一回納品するのは本当に大変で、あまりの忙しさに家に帰れない日が続き、当時の記憶がほとんどありません(笑)。結局番組は5年間続きました。
その後は新しく立ち上がった飲食部門の事業に参加したり、制作部門のリーダーになったりと、トータルで7年ほど働きました。2011年に退職し、友人とアパレルショップとWeb制作をメインにした会社を興しました。
キャリアを重ねた会社を、なぜ退職したのですか?
役職も付いてやりがいもありましたが、組織ですので全ての責任を自分が負えるわけでなく、もどかしく感じていたんです。
また実家が昔から商店を営んでいて、家族が朝から晩まで働いていた姿を幼い頃から見ていたので、いつかは自分でも商売を始めたいと思っていました。
そしてもう一つの理由が、音楽や映像業界の働く環境に疑問を抱き始めたからです。
どのような疑問ですか?
作曲家、作詞家など音楽に携わる方は、楽曲が発売されてから売れ行きが良かったり、カラオケや有線で人気があれば、継続して権利収入を得られます。しかし、映像制作やデザイン制作者にはそのような制度がありませんでした。
映像やデザインを使用しての効果や評価から、その制作者にも収入が入る仕組みがあるといいのに、と思っていましたね。またWebサイトは制作物の効果を測定するのに最も適していると考えました。「携わった制作物の評価が定量的に計測でき、制作スタッフをきちんと評価する体制づくり」に取り組もうと決意したんです。
アパレルショップ運営・ECサイト制作を経て、「セッテンラボ」を起業
独立後はどのような事業を行っていたのですが?
アパレルショップの経営と、その店のECサイトの運営です。一方、前職からお付き合いのあった企業のWebサイトやイベントの映像制作、映像作品のロケーションコーディネートまで頼まれることもあり、事業は幅広かったです。私はディレクターとして仕切り、外部スタッフへの依頼もしながら作っていました。後に飲食店の経営も始めました。
前職での経験がとても役立ちました。メディアによって特性はありますが、一通りディレクションできるようになったのは、大きな財産です。
そこから「セッテンラボ株式会社」設立へのつながりを教えてください。
アパレルのECサイトを運営した経験から、他社からECサイトの構築や運用のサポートのお仕事をいただけるようになりました。ECサイトの運用を通して、サイトを訪問したお客様のレスポンスがデータとして計測できるWebサイトに魅力を感じていましたね。
そこでWebサイトの制作やマーケティングに専念したいと私だけがスピンアウトし、「セッテンラボ」をまず個人事業主として始め、しばらくして法人化しました。
成果にこだわったWebサイト作り
「セッテンラボ」の事業内容を詳しく教えてください。
主軸はWebサイトの制作とWebマーケティングです。会社設立当初は前職からの流れでECサイト制作が多かったのですが、徐々にコーポレートサイトや行政案件も増えてきています。
とはいえ、今でもECサイトは得意とするところで、最近では沖縄で唯一のデパートにあるカフェの、アイテム販売ページを手掛けました。
もちろんECはWebサイトを作って終わりではなく、その後の「いかに売れるか」が大切なので、Webサイトのアクセス解析を用いた運営サポートにも注力しています。
最近は、高コストになりやすいWebサイトのフルリニューアルよりも、Webマーケティングをベースにした、安価で効果が出やすいサイトの部分改修をクライアントに提案するといった、Webコンサルティング業務が増えてきました。
映像や紙媒体の制作の経験も豊富ですが、なぜWeb制作に絞ったのですか?
結果が目に見えるWebならではの特性に魅力を感じたからです。クリエイティブによって反応がすぐ変動し売上に直結するので、クライアントが効果を実感しやすく案件の単価に反映しやすくなるうえ、スタッフへも還元できます。CDジャケットやポスターは効果が見えづらいので、こうはいきません。
Webはすぐに結果が明らかになるので怖さもありますが、なによりスタッフのやる気に直結するのが良さだと感じています。
Web制作に特化した企業は沖縄にも多いなか、どのような点が御社の強みだと思いますか?
クライアントから「寄り添って作ってくれる」とお褒めいただくことが多々あります。ヒアリングを十分に行い、「一緒になって作る」という姿勢を心がけていることにご満足いただけているのかと。
ヒアリングをし、クオリティにとことんこだわりながら、求められる以上の提案ができてはじめて、成果が現れると信じています。
スタッフに対して、どのような思いがありますか?
制作物のゴールをしっかりと共有し、成果を出すために「お客様のオーダーの100%を超える提案をしよう」という意識統一をはかっています。
そしてできる限りスタッフの意見を尊重し、任せるようにしています。スタッフは違うと言うかもしれませんが(笑)。自由度が高いほうが、やる気をもって仕事に励んでくれるからです。
また、スタッフが過ごしやすいオフィス環境にも注力しています。ものづくりが好きなメンバーが揃っているので、オフィスの大部分を自分たちが好きなようにレイアウトしたりDIYを施して、それぞれが居心地のよい空間を作っています。
人材を増やし、幅広いオーダーに応えたい
これからの展望を聞かせてください。
ありがたいことに、仕事のご依頼はコンスタントにいただけているのですが、案件が重なるとどうしても全てを受けられないことがあります。
より多く、幅広い業務を展開するために、早急に人員を増やしていきたいですね。5名の社員だけでは明らかに足りていないので。
また、マーケティングオートメーションなどの新しいテクノロジーや、Web広告を駆使して、さらに成果を出せるWebサイトの制作集団になりたいです。それができる規模に会社を整える必要があるので、やはり人材確保は急務だと思っています。
もう一つやりたいことは、県外との取引の増加です。現在は沖縄のクライアントとのお付き合いが多いのですが、なかでも九州の特産品を扱うサイト制作を請け負った際、地方にこんなに多くの名産、名品があると知りました。
最近は地方にスポットを当てる風潮が高まりつつありますが、弊社でもさらに地方の魅力を伝えられるような仕事を増やしていきたいですね。
最後に、どんなクリイエイターと一緒に仕事をしたいですか。
経験や実力がなくても、ひたむきにもの作りに向き合い、とことんアイデアを絞り出そうとする方がいいです。
弊社のスタッフはみな探求心が旺盛で、根を詰めて追求するあまり、私がブレーキをかけることもしばしば。そんな環境を面白がることができ、自らもどんどん提案してくれるような方が入社してくれたらうれしいですね。
取材日:2021年10月14日 ライター:仲濱 淳
settenLab株式会社
- 代表者名:代表取締役 平田 啓介
- 設立年月:2014年1月
- 事業内容:Webサイト制作、Webマーケティング支援、Webサイト・サービスのグロース戦略支援、運用サポート事業、コンサルティング
- 所在地:〒901-2214 沖縄県浦添市伊祖3−4−12 伊寿々スポット302
- URL:http://settenlab.jp/
- お問い合わせ先:098-975-5390