特別な一瞬を映像にして人を幸せにする「&life’s」は東北をリードする映像制作会社になりたい
社名は「&life’s(アンドライフズ)」。名刺の裏に書かれた言葉「Do you enjoy your life?」が人生の基盤であり、会社のコンセプトだと話す、&life’sの代表で映像統括主任の山崎誠悟(やまざき せいご)さん。
「前に踏み出そうとしている人の人生のピースになりたい」「映像制作で人を幸せにしたい」「東北で一番の映像制作の会社にしていきたい」と、目標を口に出して次々とカタチにしてきました。山崎社長の、パワフルでポジティブな仕事への向き合い方や人生哲学などを伺いました。
やりたいことをカタチにするには自分が動く! 会社を設立するまでの異色のキャリア
大学は経済経営学部だとか。会社を立ち上げようと考えていたのでしょうか。
そのとき若い私は何かをつくりあげる楽しさを知り、自分が主体的に行動を起こさないと物事は前進しないことを学びました。大人たちと一緒に動いて、形にできたことがいい経験になりましたね。
実は高校までの自分は、野球で甲子園に行ってプロになれるスペシャルな存在だと思っていたんです。ただ大学に入って1年生で野球をやめてからは、周りのスペシャルな人同士をつなぐのが私の役割だと思うようになりました。彼らに信頼されて、助けてもらいながら自分のやりたいことを実現したいと思うようになったんです。
将来はカフェをやりたいと思っていました。何かをしてほしい人と、何かができる人がつながるスペシャルな場所を作れたらと。「何日の何時、どこかに集まって相談しよう」のどこかを、自分のカフェにしてほしかったんです。
卒業してから会社を立ち上げるまでのキャリアを教えてください。
インテリアや空間のデザインが好きで、新卒で大手住宅メーカーに就職しました。住宅の営業は楽しかったんです。ただ、私が「カフェをやりたい」と常々話していた商業施設などの経営をしている知り合いに「サーフィンが好きなら、将来カフェを出すために働くのはどうか」「沿岸部で商業施設を作るから、カフェの経営をしてみないか?」と声をかけていただいて。
「将来やりたかったことが前倒しになった」と思い会社を辞めました。しかしカフェでアルバイトをして2カ月後くらいには、カフェを出す話はなくなって……。ただカフェの現場、運営を勉強するいい機会になりましたね。
その頃、コロナ禍の影響でカフェに来るお客さまが少なくなりました。時間ができたこともあり、もともと趣味だった映像制作を仕事としてWワークで始めました。
当初は知り合いのインフルエンサーの映像を撮っていて、その評判が評判を呼んだのか、全国から次々と仕事を頼まれるようになり、独立。実は兄がすでにライブ配信の仕事をやっていたので、映像制作とライブ配信を事業の柱にした会社を一緒に立ち上げたんです。
映像制作はどこで勉強しましたか。その楽しさを教えてください。
学校に通うような勉強らしい勉強はしていません。私はSNSでカッコイイ動画を見るのが好きで、真似したいと思って作っていただけなんです。
例えば、珈琲でもライトの当て方ひとつで、美味しく見えるなあ、とか考えていました。結婚式を撮るにしても、この後この人はこんな表情をするかなと先を読みながらカメラを回して映像の中で表現するのが得意です。あと、たとえそれほど興味のないものを撮っていたとしても、映像の中でこれをどうカッコよくみせようか、と考えるのが好きですね。
映像制作の楽しさは、1分間にたくさんのメッセージを伝えられることです。会話では1分ではよほどしゃべりがうまい人でなければ、何も伝えられませんが、映像は、誰かが宣伝したいことを1分間の映像で表現して世の中に出して「スゲー」と言われます。そのひと言がうれしくて作っているのかもしれません。
反応が数字で分かり企業の業績に直結するYouTube事業
今後力を入れていきたい事業は何ですか?
今はYouTube事業です。東北では毎月プロモーションビデオ(以下、PV)を作る企業はなくて、新商品が出たタイミングで、単発とか半年に1回位です。
YouTubeは、再生回数やチャンネル登録、コメントなど、多くの反応が簡単に見ることができ、テレビCMやPVでは見えにくい数字が明確に分かります。そして、見ている人たちが何を求めているのか、市場調査しながら作っていくのが面白いです。
コンテンツが伸びると、「私たちがいなければ続けられない分野」だと認識され、頼んで良かったと言われ、継続案件になります。
YouTubeは以前、個人がお金を稼ぐためのプラットホームと思われてきましたが、企業が参入して変わりました。YouTubeも会社の資産になりえます。作って、そこから稼ぎが生まれるスキームを作る、それが私たちのやりたいことです。
最近では、某社の自動車のYouTube動画を作り、2カ月も経たないうちに視聴回数が約10万回、チャンネル登録数が1500人に届きました。これは異例の早さです。私たちの力でここまで伸ばせたと実感できたし、YouTubeを見て購入者数も上がったとお褒めの言葉をいただいて。作って良かったと思えた瞬間でした。
得意なジャンルはなんでしょうか?
プロサーファー、プロスポーツ選手を撮るのが得意です。私は自分がサーフィンをやるので、波の動きやサーファーが次にどう動くかが分かるんですよね。
スケボーもある程度できるので、一緒に滑りながら撮ることもあります。サッカーや野球など、動きがあるものは同じ。プロのサーファーやスケーターにも満足してもらえていますね。
また、学校の球技大会の映像やウエディングを撮ったときも、何気ない場面で「こういうシーンを撮ってほしかった」「こんな笑顔が撮れるなんて」と喜ばれることがあります。感性で動くもの、その一瞬しかないものの撮影が評価されているようです。
映像を制作する際は、クライアントととことん話をして、クライアントがやりたいことを表現できるよう努力します。初対面のクライアントでも、ご飯を食べに行ってぶっちゃけトークをして、本音をどうにか引き出します。こういうことも得意で、クライアント自身が言ったことを覚えていないような本音を、映像に取り入れて驚かれることもあるんです。
社名の「&Life’s」の意味をお聞かせください。
社名には、「誰かの人生のピースになり、幸せを作ってあげたい」という意味を込めました。仕事で関わる人、私たちを信頼して求めてくれる人、自分で前に踏み出そうとしている人を、クリエイティブで幸せにしてあげたいと思います。
もちろん弊社スタッフも幸せになってほしいです。ちなみに&Life’sの名刺の裏には「Do you enjoy your life?」(自分の人生を楽しんでいますか?)と書いてあります。
社会人は人生の多くの時間を仕事に費やしています。ですのでまずは仕事を楽しんでほしい。それができないのは不幸せでしょう。
絵コンテもがっちり決めずに、その場のノリを重視して撮影することもあります。一見ふざけて遊んでいるように見えても、やることはちゃんとやります。1分の動画を作るのに100時間、200時間かけることだってあるんです。
うちの会社は人生を楽しんでいる人しかいない、これはうちの会社の強みだと胸を張って言えます。
他人の利益を考えることが自分に返ってくる
仕事のやりがいを教えてください。
印象に残っている仕事は何ですか?
宮古島のPVを作りました。知り合いの不動産会社の社長が宮古島にカフェを作ると聞いて、ふらっと遊びに行ったのがきっかけで。
夜、飲みの席でたまたま行政の人を紹介いただいて、「宮古島のPVを作りませんか」と言うと、「予算がない…」と乗り気ではありませんでした。そこで「私が予算を取ってきたらPVを撮らせてくれますか?」と申し出たんです。行政の方は「そんなことできるのか?」と半信半疑でした。
翌日、私は名刺1枚でホテルや飲食店を回って「宮古島のコロナ後という映像を作りませんか」と話をして、協力と協賛を取り付けて。結果、声をかけて断られたのは、全体の10分の1程度。宮古島という特性もあるのか、皆いい人たちでした。「あなたは目を輝かせて話すので、お願いしようと思う」と、よく人に言われますね(笑)。
出会いで成長し、人に生かされての今
将来的にカフェをやりたいとお話されていましたが、念願のカフェがオープンするそうですね。
私は自分のなかでやりたいこと、やっていることを、いろいろな人に伝えるようにしています。自分が認識するためにも口に出した方がいいと思っているからです。
口に出すこと、行動することでたまたま、いい巡り合わせがくると信じていて。例えば将来的にカフェをやりたいと知り合いの社長に企画書を作ってプレゼンしました。
すると「1週間後に松島に面白い物件があって、カフェを運営できる若い人がいないか探していたんだよね。ちょっと来てみない?」と言われて、次の日に訪問して条件を聞いて「やらせてください」と。企画書を出して2週間、トントン拍子で話が進みました。1週間遅くても、逆に1週間早くてもできなかったかもしれない、本当にタイミングがすべてでしたね。
2022年3月にオープンするカフェ「&House(アンドハウス)」は、まだ店舗の内装もできていないときに、ボランティアで現場に来てくれている人同士がつながって、また別のことを生み出す場になっていて。「私がやりたかったのはこれだ」と再認識できました。
今後、会社をどう発展させていきたいですか?
YouTube事業を基盤に、クリエイターを私たちが育成してクリエイティブを共有できる形まで持っていって、社員も増やしていきたい。企業のYouTubeチャンネルを運営しながら、その企業の発展に貢献して、「今後のクリエイティブは&life’sに頼んだら間違いないよね」「&life’sに頼むのが一番、他には頼めない」と言われる、そんなYouTube市場を東北で作っていきたいです。
会社は大きくしたいと思って大きくするのではなく、2~3年後に「こんなに大きかったっけ?」と気づくような感じがいいと思います。
どんなスタッフと仕事がしたいですか?
夢を持っていて、本気で夢に向かっている人と仕事がしたいです。今も「誠悟さんを見ていると楽しそう。俺もそんな風に生きていきたい」と言ってくれる人が何人かいます。やろうとこっちが声をかけるより、ポジティブに自分から声をかけてくれる人と一緒に仕事をしたいです。
私の経験を伝えて、100人のうち1人でも、将来「あのときお世話になりました」って大きな案件を持ってきてくれたら御の字だし、もしかしたら、学生だったアルバイトの子が、数年後に広告代理店にいたりすることもあるかもしれません。
「自分のやりたいことが見えた気がします」と、目を輝かせる夢のある若い人たちと話をしているのが楽しいし、自分自身もいつまでもその目線でいたいですね。
最後に、若いクリエイターにメッセージをお願いします。
いくらいいものが作れても、営業スキルは絶対に身につけた方がいい。
人脈が広く、経営者を100人知っていて仲が良くても、「作ってもらいたい」「あなたにお願いしたい」の一言をもらえないと意味がありません。
いかに自分が利益を出し貢献できるか、メリットがあると思ってもらえるか。トークスキル、プレゼン能力は絶対必要ですね。
取材日:2021年12月13日 ライター:佐藤由紀子
&life’s合同会社
- 代表者名:山崎誠悟
- 設立年月日:2021年4月
- 事業内容:YouTubeディレクション/フリーランスモデル事業/ライブ配信/スチール撮影/キャスティング/HP制作デザイン/広告運用/SNSマーケティング/SNS運用
- 所在地:〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町1丁目9-5-208
- URL:https://www.andlifes.co.jp/
- お問い合わせ先:090-9429-4745
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