イノベスタが、沖縄特化型ECサイト「TODOQ」で沖縄を元気にする!
2021年10月、ECサイト「TODOQ(トドキュー)」がリリースされました。イノベスタ株式会社が手掛けるこのサイトは、沖縄県内の事業者のみが出店できる地域特化型のショッピングモール。地産地消ならぬ「地販地消」をテーマに「TODOQ」を作り上げた代表取締役の根路銘一亮(ねろめ かずあき)さんに、サイトにかける思いやこれからの展望について伺いました。
コロナをきっかけに誕生した「TODOQ」
起業までのキャリアを教えてください。
沖縄の高校を卒業し、埼玉の大学に入学しました。当時は「Microsoft Windows 95」が発売されて、急速にインターネットが普及していった時代です。その影響から、インターネットの仕事に就きたいと思うようになり、ネット通販の運営会社を経て楽天グループ株式会社に入社。EC事業に携わることに。7年後にはアマゾンジャパン合同会社へ転職と、長年EC畑を歩んできました。
その後2014年に沖縄にUターンし、ECコンサルティング会社を設立します。その会社では、沖縄の百貨店「デパートリウボウ」のECサイト開設や、アジアを中心とした海外事業の支援を行っていました。仕事を通じて海外に興味を抱くようになり、2018年に中国への留学を決意します。
思い切ったご決断でしたね。留学の目的は何ですか?
語学はもちろん、最先端である中国のEC・キャッシュレス決済などの、生活に密着したITを体感してみたかったんです。実際に生活してみると、都市部では予想をはるかに超えて進歩、浸透していることに衝撃を受けました。例えば、今でこそ日本でもQRコード決済が一般的になりましたが、2018年当時、私の生活圏内では、ご高齢の方でも普通にQRコードで買い物をしていて、現金で払うことが珍しいほど。その体験が、後のイノベスタの設立や「TODOQ」にもつながりました。
帰国後すぐに起業されたのですか?
実はその後、英語習得とアジアのIT状況を知るために、フィリピンに留学しました。東南アジアでは、フィリピンやマレーシアなどの国々で共通して使える「Grab」(グラブ)というサービスが浸透しています。これはもともと配車サービスから始まり、今や食事や荷物の宅配、配送も行うもの。やはりITがとても暮らしに根付いていると感じましたね。
帰国後にマレーシアのEC企業から誘ってもらって、移住の準備までしていましたが、出国の2週間前にマレーシアが新型コロナウイルス感染拡大の影響でロックダウンしてしまい、断念することに。さらに日本でも緊急事態宣言により、観光立県である沖縄に観光客が来られなくなります。そこで、逆に「巣ごもり需要」で堅調になったECの力で、沖縄の経済に貢献したいと考えました。「TODOQ」というサービスを思いつき、その運営会社としてイノベスタを立ち上げて本格的に取り組むことにしました。
「地販地消」のECサイトで沖縄の経済をバックアップ
「TODOQ」の詳細を教えてください。
沖縄の事業者限定で出店できるオンラインショッピングモールです。購入者は県内外問いませんが、売る側も買う側も沖縄の中で循環させたいと「地販地消」というコンセプトを掲げていますので、基本的に沖縄滞在者向けのサービスとしています。
どのような目的で作られたのですか?
繰り返しになりますが、コロナの影響で打撃を受けている沖縄の経済、企業を、ECでサポートしたいという思いです。そもそも沖縄は本土と距離がある分、いまだに物流の面でハンデがあります。私自身久しぶりに沖縄に住んでみて、アマゾンで買ったものが翌日届かない、という不便さを痛感しました。通販での「送料が高い」「届くのが遅い」という課題を解決したいと考えた先にあったのが、「地販地消」でした。沖縄の人が東京から買う必要はありませんし、逆もしかり。県内で売買が完結できれば、送料は安く、早く届けられます。
リリースして2カ月と伺いました。反響はいかがですか?
おかげ様で予想の2倍以上の売上を記録しています。利用者からは、「早く届いてびっくりした」という声をいただいており、サービスの目的を果たせていると実感しています。
沖縄のあらゆる世代が便利に使えるサービスに
御社では「人々を起点とし、人々に寄り添い、人々に新しい便利さを提供する」という企業理念を掲げています。そこに込めた思いを教えてください。
「人々」とは、「お客さま」を差します。常にお客さまを起点とし、つまりお客さまの目線に立ってそのニーズに寄り添ってサービスを作るべきだ、と思っています。「TODOQ」をリリースしましたが、特定のお客さま、特に沖縄のシニアの方々にとっては、PCやスマホを使ってECサイトから購入すること自体が不便かもしれません。
こちらの考える便利さを押し付けるのではなく、相手が便利だと感じるサービスを提供すべきです。そこでシニアの方がよく利用するテレビ通販への展開も視野に入れた、沖縄の「オジー」「オバー」にも使ってもらえるサービスを目指しています。
他にも、これからの夢や展望があれば教えてください。
最も実現したいことは、沖縄のオンライン経済圏を構築することです。具体的には、弊社のECサービスに限らず、他社のネットスーパーやキャッシュレス決済、デリバリーサービスなど、沖縄のさまざまなITサービスに、弊社が設けたプラットフォームに参加してもらうことで、利用者が一つのアプリでショッピングを完結できるような仕組みを作りたいと考えています。
最後に、どんなスタッフと一緒に働きいていきたいですか?
まず弊社の理念や「TODOQ」にワクワクしてくれる人です。スタートアップ企業なので、働く環境が完璧に整っているわけでありません。その状況でもワクワクできて、「環境が不十分ならば自分で作ろう」と思える人に、ぜひ入社していただきたいです。そして「沖縄に貢献したい」と考えていることも大切です。その2つをもった人と、企業文化からサービスまで一緒に作っていきたいですね。
取材日:2021年12月22日 ライター:仲濱 淳
イノベスタ株式会社
- 代表者名:根路銘 一亮
- 設立年月:2020年7月
- 資本金:1,360万円
- 事業内容:オンラインショッピングモール事業、EC/DX支援事業
- 所在地:〒901-2133 沖縄県浦添市城間1-32-7 ハロービル3F
- URL:https://innovesta.co.jp/
- お問い合わせ先:098-917-5935
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