職種その他2022.03.23

クリエイティブの力と社員の自由な発想で、企業の経営課題を解決に導くアウトソーシング企業

沖縄
株式会社Busias 代表取締役
Yushi Iha
伊覇 勇士

「Busias(ビジアス)」とは、「ビジネスアシスタント」の略。「株式会社Busias」は、Web制作や動画企画などのクリエイティブサービスから、テレマーケティングやインサイドセールスまで、ビジネスにおけるさまざまなサービスをアシストする、アウトソーシング企業です。代表取締役の伊覇勇士(いは ゆうし)さんが今最も注力しているのは、クリエイターに提案のフロントに立ってもらい、クライアントの問題解決に、より深く関わってもらうこと。その真意を伺いました。

コールセンター部の管理者から代表取締役へ

御社の成り立ちを教えてください。

弊社はもともと東京に本社を構える広告代理店の沖縄支社で、2017年の分社化に伴い社名を変更しました。以前の会社では私はコールセンター部の管理者という立場でしたが、分社化の際に代表取締役に就任しました。

ビジアスの前身である会社に入社された経緯を教えていただけますか?

沖縄でビジネス関連の専門学校を卒業した後、しばらくフリーターとして自由気ままに全国各地で暮らしていました。25歳の時に沖縄の知人が飲食店を始めると聞き、経営に興味があったことから、沖縄に戻って運営を手伝うことに。結局そのお店は長続きせず、そのまま沖縄で新しく職を探し始めました。その時見つけたのが、ビジアスの前身の広告代理店だったんです。
当時は、コールセンターなどのアウトソーシングサービス事業に対して沖縄県が手厚く支援を実施しており、首都圏の多くの企業が沖縄でニアショア開発(ある業務を国内の地方都市や近い場所の企業に外注すること)を進めていました。その広告代理店も例外ではなく、コールセンターやクリエイティブの部署が沖縄に設けられたタイミングで入社しました。

入社後すぐに代表取締役になったんですか?

最初はコールセンター部門の管理者として勤めていましたが、分社化のタイミングで声がかかりました。いつか自分自身で独立したいと考えていたので、キャリアアップも含めたチャンスだと思い、嬉しかったですね。既に組織もできあがっていたため、ともに頑張っていた仲間と新たにスタートできたことは本当に感謝しています。

正社員採用の推進でクリエイターのスキル向上を図る

事業内容を詳しく教えてください。

前の会社は紙媒体を中心にした広告代理店だったので、分社した当初はグラフィック制作に加え、コールセンターがメインでした。しかし、現状の事業だけでは今後厳しくなるだろうと考え、WEBクリエイティブと動画制作のアウトソーシングサービスもスタートしました。
またクリエイティブとは異なる分野ですが、今一番ニーズがあるのはインサイドセールスのアウトソーシングです。コロナ禍で外勤営業がままならない企業から、内勤営業の業務委託が増えています。

沖縄県の支援の影響で、県内にはアウトソーシングに特化した企業が多いとのことですが、競合他社とは異なる御社の強みは何ですか?

アウトソーシング業界のスタッフは派遣や契約社員で働く方が多いんですが、弊社の場合、管理者、プレイヤーを含めほとんどを正社員として雇用しています。それをクライアントにお伝えすると信頼していただけることが多く、強みにつながっていると感じます。

なぜ正社員採用を推進しているのですか?

ビジアスならではのマインドの育成や制作スキルの向上など、組織の一員として積極的に会社を引っ張ってもらいたいからです。
私自身はクリエイター出身ではないため、新人の教育や制作物のディレクションに対し要望は出しますが、基本的にはベテランクリエイターにほとんど任せています。そのような状況では、やはり同じ時間をより多く過ごし、価値観や社風を共有できる正社員の方がやりやすいと考えています。

伊覇さんが社員の成長のために心がけていることはありますか?

トップダウンで上から考えを押し付けるのではなく、できるだけ社員がやりたいことを実現するためのサポートをするようにしています。クリエイティブ脳というのは、自ら考えてこそ育つものだと思うので、常に頭を回転させてアイデアを出してほしいと、常々言っていますね。
実際、社員のアイデアをいくつも事業化してきました。例えば動画制作サービスは、Webクリエイターではなく営業事務をしていた社員の発案でした。また「プリントてぃーだ」という印刷サイトの立ち上げや、事業ではありませんが「誕生月に休日を付与する」などの新しい福利厚生制度の提案も、社員からです。
もちろん全てに私の判断や調整は入りますが、積極的にアイデアを出して、自らより良い職場環境、サービスを作り上げてくれたらうれしいですね。

経営課題に深く向き合い、解決策を提案できる企業へ

今後どのように会社を発展させたいですか?

一般的なアウトソーシング業務は、クライアントからの依頼を「こなす」ことや、リソースを提供することに終始しがちです。しかし弊社はクライアントが抱える課題に深く入り込み、コンサルティングのようなアシストができる会社を目指しています。社員はプレイヤーというより、コーチになってほしいんですよ。
その実現に向けて、現在数社の経営ミーティングに社員が参加しています。もちろん提案内容のベースには既存事業がありますが、何が課題解決に必要なのかを優先し、都度解決策を考え、提案するように努めています。もし弊社の事業領域に解決策がなければ、他社の協力を仰ぎながら進めたいですね。

伊覇さんや営業担当者だけでなく、クリエイターも経営ミーティングに参加されているのですか?

はい。フロントに立つことに抵抗あるクリエイターもいますが(笑)、できるだけ同席を促しています。今までは営業担当者がクライアントからヒアリングした内容をクリエイターに伝え作ってもらう、という流れでしたが、クリエイターが直接ヒアリングすることで、従来とは異なるアイデアが生み出せていると感じます。
クリエイター自身、視野を広げて成長できるチャンスなので、どんどんフロントに立ってもらいたいですね。その方が、クライアントに喜ばれることが多いんです。

クリエイターが直接ヒアリングして作った具体例はありますか?

福岡の飲食店からロゴ制作の依頼がありました。具体的な希望がなくカラーイメージだけ漠然とお持ちだったので、デザイナーが直接話した方が進めやすいだろうと、会議に同席してもらったんです。
結果、完成したロゴをとても気に入ってくださって、お店の内装までそのロゴを基調としたデザインにしてくださいました。クリエイターが課題解決に深く入ることで、ブランディングにまで影響を及ぼすことができる提案が可能なんだと実感しています。

最後に、クリエイターへ何を求めますか?

クリエイティブの世界は、VRなどの新しい技術が次々に現れる変化の激しい世界です。そのような世界でクリエイター自身も進化するためには、自らアンテナを張り巡らし、技術を習得し、グラフィックやWeb、動画など、いろいろなものが作れるようになってほしいですね。
弊社の社員も同様です。スタッフ発案の動画制作を事業化したように、経験が浅くても社員が興味を持ったものならば、できるだけサポートして経験を積ませたい。そうすれば、その社員が例え弊社を離れても、役立つ人材として生きていけるはずですから。

取材日:2022年2月8日 ライター:仲濱 淳

株式会社Busias(ビジアス)

  • 代表者名:伊覇 勇士
  • 設立年月:2017年
  • 事業内容:テレマーケティングサービス、インサイドセールスサービス、営業支援サービス、クリエイティブサービス、動画企画サービス、WEB制作サービス、印刷通販サイト「プリントてぃーだ」運営
  • 所在地:〒900-0015 沖縄県那覇市久茂地3丁目4番10号久茂地YAKA5階
  • URL:https://www.busias.co.jp
  • お問い合わせ先:098-860-6200

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