映像・Webの「一気通貫クリエイティブ」+「遊び心・親しみやすさ」でクライアントの心をつかむ!

沖縄
株式会社TENOHIRA 代表取締役
Yuichiro Maehira
前平 雄一郎
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かつて沖縄のローカルテレビ番組などに、和服にちょんまげ頭という侍のような風貌で出演し、強烈なインパクトを残した「まげひらさん」というタレントがいました。その人こそ、今回ご紹介する、映像やWebの制作会社「TENOHIRA(てのひら)」の代表取締役、前平雄一郎(まえひら ゆういちろう)さん。今はちょんまげ姿ではありませんが、持ち前の遊び心を発揮しながら、クライアントのさまざまなニーズに応えるべく邁進しています。「まげひらさん」時代から現在に至るまでの経緯や、仕事に対する思いを伺いました。

「ちょんまげ」は、企業の広告塔として人に覚えてもらうため

まず、なぜちょんまげ姿の「まげひらさん」というタレント活動をされていたのか教えてください。

映像やWeb制作の専門学校を卒業し、「富士葬祭」という沖縄の葬儀会社に入社しました。そこで自社広告用の紙やWeb、動画制作を担当していましたが、事業拡大に伴い外部の広告も請け負うことになり、制作と並行して自ら営業せざるを得ない状況になったんです。
しかし、もともと人見知りでコミュニケーション能力に自信がなく、営業経験もないのでどう進めたらいいのか見当も付きません。ならば、まずは先方に顔を覚えていただき、さらに噂になるような存在になればいいんだと考え、行き着いたのが「ちょんまげ」スタイルでした。

ちょんまげ姿で営業活動をされていたんですね。

普通に企業訪問していましたよ(笑)。受付の方に怪しまれることもありましたが、徐々に噂が広まっていきました。もちろん私はクリエイターとして営業を行い、受注にもつながるように。社長からは「知名度を得たし、タレントさんを起用するコストがかからずに済むから、自分が広告に出たら?」と言われ、CMなどに出演するようになり、次第にテレビやイベントの司会など活動の場が広がりました。自ら富士葬祭の広告塔となって働いていましたね。

活躍されていたにもかかわらず、なぜ富士葬祭を離れたのでしょう?

タレント活動であまりにも顔が知られてしまったことに、少し怖さを覚えたことと、年齢を重ね、さすがにちょんまげで歩き回る歳でもないな、と(笑)。それに、かねてより独立して、自分の力でクリエイターとして生きていけるのかチャレンジしたいとも考えていたので、退職することに。まずは個人事業主になりました。

法人化に至った経緯を教えてください。

1人で仕事をすることに常に寂しさを覚えていました。自分のためだけに働き続けることに、虚しさや寂しさを抱いてしまって。また、個人事業主という働き方は、今までの経験による蓄積をひたすら削り、疲弊する作業だと痛感していました。さらに新しい経験を積んだり成長したりできるサイクルに移行するには、組織の方が適していると思ったんです。
そこで専門学校の同級生であり、映像制作に長けた友人ら数名を取締役に迎え、2020年に「TENOHIRA」を設立しました。

Webと映像制作の2軸でプロモーションをフォローアップ

映像制作の撮影風景

事業内容は映像制作とWeb制作が主軸とのことですが、どちらに比重を置いていますか?

私やもう一人の取締役は映像畑からスタートしましたので、映像制作を得意としていますが、どちらかに注力しているということはありません。弊社の強みは、Web、映像問わず一気通貫でクライアントのプロモーションのフォローアップが可能な点だと考えています。
例えば、クライアントの希望が映像制作だったとしても、課題を洗い出してみると、映像よりも自社サイト制作やSNS運用を優先した方がいい場合があります。そのような時は映像制作をむやみに勧めず、ホームページから改善を始めたり、SNS運用をサポートしたりと、適切なステップを踏んだマーケティングの提案をしています。
とはいえ、どんなニーズにも対応しうる最新技術やマーケティング手法を積極的に導入し、機能的に充実させ続けることが弊社にとって最も重要だとは考えていません。

それはなぜですか?

クライアントのニーズというものは、時代が変われば変化するものです。常に必要とされ続けるには、テクノロジー的に充実させるか、情緒的に充実させる、つまり「好かれる」か、の2択ではないでしょうか。
もちろん、AIなどの最新技術を知識として取り入れることは必要ですが、私自身があまり得意ではないので、別の社員や外部スタッフに任せています。その代わり私は「なんだかんだ言って、君の会社で作るものが好きなんだよね」と思っていただけるように努める。クライアントの心を掴み続けることこそ私の役割であり、弊社にしかできないことだと自負しています。

情緒的に訴えるための秘策はありますか?

「信じられないぐらい」多くの人に会うことに尽きます。今は時勢柄なかなか厳しいですが、一時期は毎晩のように会合など人が多く集まる場所に顔を出していました。業務効率としては全く良くありませんでしたが(笑)、設立間もない若い会社ながら途切れず発注いただけているのは、その成果だと思います。

設立以来、特に成果を上げた事例を教えてください。

沖縄の「南都酒造所」が作る「Double H(ダブルエイチ)」というハブ酒のプロモーションです。従来のハブ酒が持つ古臭さを一新するようなWeb CMと公式サイトを作りました。売上の成果が出てくるのはまだ先だと思いますが、CMは沖縄広告賞の銀賞を受賞しました。今後は継続的に運用面もサポートし、売上につなげていきたいですね。

遊び心のある自社サイトが広告塔に成長

株式会社TENOHIRA 企業サイト(https://www.tenohira-japan.com/

御社のホームページは、映像制作会社のまとめサイトに掲載されたことを記念するキャンペーンを開催していたり、ユーモアあるイラストやテキストを多用していたりと、とても遊び心にあふれています。なぜそのように作られたのですか?

前提として「企業のホームページなんて、退屈で誰もまじめに読まない!」という思いがあります。だからこそ、ばかばかしいほどのいたずら心や遊びを入れることで、少しでも見てもらい、気に留めてくれる人が増えてほしいと、あのようなふざけた(笑)ホームページを作りました。強いインパクトを与えて覚えてもらおうという、以前の私のちょんまげ姿と同じ考え方ですね。

ホームページに「弊社には出来る事よりも出来ない事の方が多いです」といった弱点と思われかねないことを掲載しているのも、遊び心の一つですか?

それもありますが、後で知られてしまうので、最初に正直に告白しておこうという単純な理由もあります(笑)。大上段に構えていたり、格好つけたりしている人より、弱点がある人の方が親近感が湧きますよね?会社も同じだと思います。見る人に親しみを覚えていただくために、最初に弱点もさらけ出しているんです。
そのおかげか、サイトへの流入母数は決して多くはありませんが、滞在時間が驚異的に長いんです。またホームページからのプロモーションのご依頼が増えており、広告塔の役割を十分果たしてくれていると実感しています。

将来のビジョンについて教えてください。

「信じられないぐらい」強いTENOHIRAにしたいです。社員数が多い大きな会社にしたいというよりは、少数精鋭で、プロモーションに関するクリエイティブなら何でもお任せ、という状態になりたいですね。そのために、あと4、5人程度は社員を増やしたいと思っています。

どのような方と働きたいですか?

まず営業能力の高い人!今は人見知りの私が営業を担当していますので、ぜひ助けていただきたいです(笑)。また、クライアントの課題に真摯に向き合い、理論的にプランを作れる人、Webマーケティングの知見が深い人にも加わっていただければ、一人ひとりが粒立ち、「信じられないぐらい」強い組織に近付けるはずです。

取材日:2022年3月29日 ライター:仲濱 淳

株式会社TENOHIRA(てのひら)

  • 代表者名:前平 雄一郎
  • 設立年:2020年
  • 事業内容:映像制作、ホームページ制作・運用、SEO・MEO対策、YOUTUBEチャンネル制作・運用、SNSアカウント制作・運用
  • 所在地:〒900-0015 沖縄県中頭郡読谷村喜名369-1グレイス・ワン201
  • URL:https://www.tenohira-japan.com/
  • お問い合わせ先:098-953-2728

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